WHY NOW
いま話題になっている理由
アメリカ国務省は現地時間10月30日、ウクライナにパトリオット用のミサイル PAC-3 MSE 500発を売ることを承認したと発表した。見積額は約21億ドル。英字ニュースの見出しには approves potential sale(売却の可能性を承認)のような言い方が並んだ。この売却は、政府が窓口になる foreign military sale(対外有償軍事援助、FMS)という仕組みで、承認はまだ「最終決定」ではない。見出しの potential の意味を押さえておきたい。
政府どうしの武器の売り買い
foreign military sale は、アメリカ政府が国内の防衛企業から兵器を買い、それを外国の政府に売る仕組み。日本語では「対外有償軍事援助」と訳され、略して FMS と呼ぶ。「援助」とあるが、買う側がお金を払う取引だ。正式な制度名としては Foreign Military Sales と大文字・複数形で書かれることが多い。企業が外国政府に直接売る direct commercial sale(DCS)と区別される。
potential は未確定の印
国務省の承認は、議会に通知して審査を受ける段階の発表で、売買の契約が結ばれたわけではない。そのため見出しや発表文では potential sale・possible sale と書かれる。金額も見積もり(estimated)で、実際の契約で変わることがある。Japan Times や France 24 は potential を入れ、CBS News や Japan Today は approves sale と短く書いた。
approve の次は deliver
売却の承認(approve)と、実際に届くこと(deliver、名詞は delivery)は別の段階。Euronews の見出しは、ゼレンスキー大統領が感謝しつつ delivery could take years(届くまでに何年もかかりうる)と注意を促したと伝えた。兵器のニュースでは、approve・sign a contract・deliver のどの段階の話かを見分けると記事が読みやすい。