WHY NOW
いま話題になっている理由
トランプ米大統領がBBCを相手に起こした100億ドルの名誉毀損訴訟で、フロリダ州マイアミの連邦裁判所の判事が現地時間10月22日、トランプ氏に12月11日までに deposition に応じるよう命じた。英字ニュースの見出しには sit for deposition が並び、BBC は answer questions under oath(宣誓のうえで質問に答える)と言い換えた。アメリカの裁判に欠かせない手続き deposition を知っておこう。
法廷の外で行う宣誓証言
deposition は、アメリカの裁判で、本番の審理(trial)が始まる前に、当事者や証人が宣誓したうえで相手側の弁護士の質問に答える手続き。法廷ではなく弁護士事務所などで行われ、やりとりは速記者が記録する。録画されることもあり、記録はのちの裁判で証拠として使われることがある。日本語では「宣誓証言」「証言録取」と訳される。
sit for は「応じる」
見出しの sit for a deposition は「deposition に応じる」。sit for は sit for an exam(試験を受ける)や sit for a portrait(肖像画のモデルになる)のように「(その場に臨んで)~を受ける、~に応じる」という意味で使われ、deposition にもこの言い方が定着している。give a deposition とも言う。質問する側を主語にする動詞は depose(証言を取る)で、受け身の ~ will be deposed(~が証言を求められる)の形でもよく出る。
depose のもう一つの意味
動詞 depose には「証言を取る」のほかに「(王や指導者を)退位させる、失脚させる」という意味もある。deposed president は「失脚した大統領」で、証言とは関係ない。また名詞 deposition は、地学では土砂などの「堆積」の意味になる。どれもラテン語の deponere(下に置く)から来た語で、deposit(預金、置く)と同じ仲間だ。