WHY NOW
いま話題になっている理由
ケニアの裁判所は現地時間10月19日、子どもを餓死させるよう親たちに説いたとされる宗教団体の指導者に、殺人の罪で有罪の判決を言い渡したと、BBC、The New York Times、The Guardian など各紙が一斉に報じた。見出しにそろって出たのが cult leader(カルトの指導者)。cult は日本語の「カルト」と重なる部分と、ずれる部分がある語なので、この機会におさえておこう。
culture と同じ仲間の語
cult はラテン語の cultus(崇拝、手入れ)から来た語で、もとをたどると colere(耕す、大切に世話をする)に行き着く。culture(文化)や cultivate(耕す、育てる)と同じ仲間だ。英語の cult も、もともとは「崇拝、信仰の儀式」という意味で、そこから「少数の熱心な信者が特定の人物を崇める集団」の意味が広がった。
見出しでの言い方
今回の見出しでは、cult leader の前に団体の性格を表す語がついた。Sky News は Doomsday cult leader(終末論を説くカルトの指導者)、The Guardian と South China Morning Post は starvation cult leader(餓死に追い込むカルトの指導者)、ABC News は death cult leader と書いている。判決は found guilty of ~ や convicts ~ over ~ の形で伝えられた。
cult はいつも悪い意味ではない
日本語の「カルト」は危険な宗教団体を指すことがほとんどだが、英語の cult は使い方が広い。a cult classic は「熱狂的なファンがいる名作」、a cult following は「熱心なファン層」で、映画や音楽の話ではほめ言葉にもなる。一方、a personality cult(個人崇拝)は、独裁的な指導者を批判するときに使う。宗教団体を cult と呼ぶのは強い言い方なので、報道では文脈に注意したい。