The Thief and the Innkeeper

どろぼうと宿屋の主人

  • 📖 310 words
  • 🔊 1:34
  • タウンゼンド英訳(1867年)
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宿代を盗みでまかなおうと宿に泊まっていたどろぼうは、主人が新しい立派な上着を着ているのを見て、隣に座り、あくびをしながらオオカミのように遠ぼえを始めた。「三度目のあくびでオオカミになって人を襲うので、服を持っていてほしい」と言うと、怖くなった主人は逃げ出そうとした。三度目のあくびと遠ぼえで、主人は上着をどろぼうの手に残して宿に逃げ込み、どろぼうは上着を持ち去って二度と戻らなかった。

💡 やさしい英語版もあります:L3 The Thief and the Innkeeper
キーワード(7語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • tavern宿屋、居酒屋
  • reckoning勘定、宿代
  • flag(話が)だれる、衰える
  • inflicted(罰などを)課された
  • commenced始めた
  • entreated懇願した
  • made off with~を持ち逃げした
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・イギリス英語・Puck)

A THIEF hired a room in a tavern and stayed a while in the hope of stealing something which should enable him to pay his reckoning. When he had waited some days in vain, he saw the Innkeeper dressed in a new and handsome coat and sitting before his door. The Thief sat down beside him and talked with him. As the conversation began to flag, the Thief yawned terribly and at the same time howled like a wolf. The Innkeeper said, “Why do you howl so fearfully?” “I will tell you,” said the Thief, “but first let me ask you to hold my clothes, or I shall tear them to pieces. I know not, sir, when I got this habit of yawning, nor whether these attacks of howling were inflicted on me as a judgment for my crimes, or for any other cause; but this I do know, that when I yawn for the third time, I actually turn into a wolf and attack men.” With this speech he commenced a second fit of yawning and again howled like a wolf, as he had at first. The Innkeeper, hearing his tale and believing what he said, became greatly alarmed and, rising from his seat, attempted to run away. The Thief laid hold of his coat and entreated him to stop, saying, “Pray wait, sir, and hold my clothes, or I shall tear them to pieces in my fury, when I turn into a wolf.” At the same moment he yawned the third time and set up a terrible howl. The Innkeeper, frightened lest he should be attacked, left his new coat in the Thief’s hand and ran as fast as he could into the inn for safety. The Thief made off with the coat and did not return again to the inn.

どろぼうが宿屋の一室を借り、宿代を払えるような何かを盗もうと、しばらくのあいだ泊まっていた。何日も待ったがむだだったころ、どろぼうは、宿屋の主人が新しいりっぱな上着を着て、戸口の前にすわっているのを見つけた。どろぼうは主人のとなりにすわって話しかけた。話がとぎれがちになってくると、どろぼうはものすごいあくびをし、同時にオオカミのように遠ぼえをした。主人は言った。「どうしてそんなにおそろしい声でほえるのですか?」「お話ししましょう」とどろぼうは言った。「でもその前に、わたしの服を持っていていただけませんか。でないと、服をずたずたに引き裂いてしまいますので。だんな、わたしはいつからこのあくびのくせがついたのか、また、このほえる発作が、わたしの罪の罰として下されたものなのか、それともほかのわけによるものなのかわかりません。でも、これだけはわかっているのです。三度目のあくびをすると、わたしはほんとうにオオカミに変わって、人間におそいかかるのです」。そう言うと、どろぼうは二度目のあくびの発作を起こし、最初のときと同じように、またオオカミのように遠ぼえした。主人はこの話を聞いてすっかり信じこみ、ひどくおびえて、席から立ち上がって逃げようとした。どろぼうは主人の上着をつかみ、引きとめようとして言った。「どうか待ってください、だんな。わたしの服を持っていてください。でないと、オオカミに変わったとき、怒りくるって服をずたずたにしてしまいます」。ちょうどそのとき、どろぼうは三度目のあくびをして、ものすごい遠ぼえをあげた。主人はおそわれるのではないかとおびえ、新しい上着をどろぼうの手に残したまま、身を守ろうと全速力で宿屋の中へかけこんだ。どろぼうは上着を持って逃げ、二度と宿屋にはもどってこなかった。

Every tale is not to be believed.

どんな話でも信じてよいわけではない。

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どろぼうが宿屋の一室を借り、宿代を払えるような何かを盗もうと、しばらくのあいだ泊まっていた。何日も待ったがむだだったころ、どろぼうは、宿屋の主人が新しいりっぱな上着を着て、戸口の前にすわっているのを見つけた。どろぼうは主人のとなりにすわって話しかけた。話がとぎれがちになってくると、どろぼうはものすごいあくびをし、同時にオオカミのように遠ぼえをした。主人は言った。「どうしてそんなにおそろしい声でほえるのですか?」「お話ししましょう」とどろぼうは言った。「でもその前に、わたしの服を持っていていただけませんか。でないと、服をずたずたに引き裂いてしまいますので。だんな、わたしはいつからこのあくびのくせがついたのか、また、このほえる発作が、わたしの罪の罰として下されたものなのか、それともほかのわけによるものなのかわかりません。でも、これだけはわかっているのです。三度目のあくびをすると、わたしはほんとうにオオカミに変わって、人間におそいかかるのです」。そう言うと、どろぼうは二度目のあくびの発作を起こし、最初のときと同じように、またオオカミのように遠ぼえした。主人はこの話を聞いてすっかり信じこみ、ひどくおびえて、席から立ち上がって逃げようとした。どろぼうは主人の上着をつかみ、引きとめようとして言った。「どうか待ってください、だんな。わたしの服を持っていてください。でないと、オオカミに変わったとき、怒りくるって服をずたずたにしてしまいます」。ちょうどそのとき、どろぼうは三度目のあくびをして、ものすごい遠ぼえをあげた。主人はおそわれるのではないかとおびえ、新しい上着をどろぼうの手に残したまま、身を守ろうと全速力で宿屋の中へかけこんだ。どろぼうは上着を持って逃げ、二度と宿屋にはもどってこなかった。

どんな話でも信じてよいわけではない。

日本語訳:多読ベスト

教訓

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どんな話でも信じてよいとは限らない。

底本:Project Gutenberg eBook #21 Three Hundred Æsop’s Fables(George Fyler Townsend 訳, 1867)。パブリックドメイン。