The Buffoon and the Countryman

道化と田舎者

  • 📖 384 words
  • 🔊 2:02
  • タウンゼンド英訳(1867年)
あらすじ(結末まで)を見る

ある貴族が劇場を無料で開放し、新しい出し物を考えた者に褒美を出すと告げると、人気の道化師が舞台にひとりで立ち、子豚の鳴き声をまねて観客を大喜びさせた。それを見た田舎者が「明日はもっと自然にやってみせる」と言い、翌日、服の下に本物の子豚を隠し、耳を引っぱって鳴かせたが、ひいきの道化に肩入れする観客は「道化のほうがずっと本物らしい」と田舎者を追い出せと叫んだ。田舎者は子豚を取り出して見せ、「見ろ、これがお前たちの判断力だ」と言った。

💡 やさしい英語版もあります:L3 The Clown and the Farmer
キーワード(8語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • Buffoon道化師
  • populace大衆、民衆
  • apparatus道具、装置
  • confederates共謀者、助手
  • porker子豚、豚
  • partialityえこひいき
  • clamoredやかましく要求した
  • rustic田舎者
音声に合わせて文が光ります0:00 / 2:02

Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・イギリス英語・Puck)

A RICH NOBLEMAN once opened the theaters without charge to the people, and gave a public notice that he would handsomely reward any person who invented a new amusement for the occasion. Various public performers contended for the prize. Among them came a Buffoon well known among the populace for his jokes, and said that he had a kind of entertainment which had never been brought out on any stage before. This report being spread about made a great stir, and the theater was crowded in every part. The Buffoon appeared alone upon the platform, without any apparatus or confederates, and the very sense of expectation caused an intense silence. He suddenly bent his head towards his bosom and imitated the squeaking of a little pig so admirably with his voice that the audience declared he had a porker under his cloak, and demanded that it should be shaken out. When that was done and nothing was found, they cheered the actor, and loaded him with the loudest applause. A Countryman in the crowd, observing all that has passed, said, “So help me, Hercules, he shall not beat me at that trick!” and at once proclaimed that he would do the same thing on the next day, though in a much more natural way. On the morrow a still larger crowd assembled in the theater, but now partiality for their favourite actor very generally prevailed, and the audience came rather to ridicule the Countryman than to see the spectacle. Both of the performers appeared on the stage. The Buffoon grunted and squeaked away first, and obtained, as on the preceding day, the applause and cheers of the spectators. Next the Countryman commenced, and pretending that he concealed a little pig beneath his clothes (which in truth he did, but not suspected by the audience ) contrived to take hold of and to pull his ear causing the pig to squeak. The Crowd, however, cried out with one consent that the Buffoon had given a far more exact imitation, and clamored for the Countryman to be kicked out of the theater. On this the rustic produced the little pig from his cloak and showed by the most positive proof the greatness of their mistake. “Look here,” he said, “this shows what sort of judges you are.”

昔、ある裕福な貴族が、人々に劇場をただで開放し、この催しのために新しい見世物を考え出した者には、たっぷりほうびを取らせるとおふれを出した。さまざまな芸人たちが、そのほうびをめざして競い合った。その中に、冗談で民衆によく知られた道化師がやって来て、これまでどんな舞台でも演じられたことのない出し物があると言った。この話が広まると大評判になり、劇場はすみずみまで人でぎっしり埋まった。道化師は、道具も仲間も持たず、ひとりで舞台に現れた。人々の期待があまりに大きかったので、劇場はしんと静まり返った。道化師はいきなり頭を胸のほうへかがめると、子ブタのキーキーという鳴き声を、声だけで実にみごとにまねてみせた。それで観客たちは、道化師がマントの下に子ブタを隠しているにちがいないと言い張り、振り出してみせろと要求した。道化師がそうしてみせても何も出てこなかったので、観客たちは歓声をあげ、割れんばかりの拍手を浴びせた。群衆の中にいた一人の田舎者が、一部始終を見ていて言った。「ヘラクレスさまにかけて、あんな芸であいつに負けてたまるものか!」そしてすぐに、あした同じ芸を、しかももっとずっと本物らしくやってみせると宣言した。翌日、劇場には前の日よりもさらに大勢の人が集まった。しかし今度は、ひいきの芸人に肩入れする気持ちがほとんどみんなに広まっていて、観客たちは見世物を見るためというより、むしろ田舎者をあざ笑うためにやって来たのだった。二人の芸人がそろって舞台に現れた。まず道化師がブーブー、キーキーとやってみせ、前の日と同じように、観客たちの拍手と歓声を浴びた。次に田舎者が始めた。田舎者は、服の下に子ブタを隠しているふりをして(実は本当に隠していたのだが、観客たちはそうとは思いもしなかった)、うまく子ブタの耳をつかんで引っぱり、キーキー鳴かせた。ところが群衆は、道化師のほうがはるかに本物そっくりだったと声をそろえて叫び、田舎者を劇場からたたき出せと騒ぎ立てた。そこで田舎者はマントの中から子ブタを取り出し、観客たちがどれほど大きなまちがいをしていたかを、これ以上ないほど確かな証拠で示した。「見てごらんなさい」と田舎者は言った。「これで、あんたがたがどんな審判かよくわかるでしょう。」

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

昔、ある裕福な貴族が、人々に劇場をただで開放し、この催しのために新しい見世物を考え出した者には、たっぷりほうびを取らせるとおふれを出した。さまざまな芸人たちが、そのほうびをめざして競い合った。その中に、冗談で民衆によく知られた道化師がやって来て、これまでどんな舞台でも演じられたことのない出し物があると言った。この話が広まると大評判になり、劇場はすみずみまで人でぎっしり埋まった。道化師は、道具も仲間も持たず、ひとりで舞台に現れた。人々の期待があまりに大きかったので、劇場はしんと静まり返った。道化師はいきなり頭を胸のほうへかがめると、子ブタのキーキーという鳴き声を、声だけで実にみごとにまねてみせた。それで観客たちは、道化師がマントの下に子ブタを隠しているにちがいないと言い張り、振り出してみせろと要求した。道化師がそうしてみせても何も出てこなかったので、観客たちは歓声をあげ、割れんばかりの拍手を浴びせた。群衆の中にいた一人の田舎者が、一部始終を見ていて言った。「ヘラクレスさまにかけて、あんな芸であいつに負けてたまるものか!」そしてすぐに、あした同じ芸を、しかももっとずっと本物らしくやってみせると宣言した。翌日、劇場には前の日よりもさらに大勢の人が集まった。しかし今度は、ひいきの芸人に肩入れする気持ちがほとんどみんなに広まっていて、観客たちは見世物を見るためというより、むしろ田舎者をあざ笑うためにやって来たのだった。二人の芸人がそろって舞台に現れた。まず道化師がブーブー、キーキーとやってみせ、前の日と同じように、観客たちの拍手と歓声を浴びた。次に田舎者が始めた。田舎者は、服の下に子ブタを隠しているふりをして(実は本当に隠していたのだが、観客たちはそうとは思いもしなかった)、うまく子ブタの耳をつかんで引っぱり、キーキー鳴かせた。ところが群衆は、道化師のほうがはるかに本物そっくりだったと声をそろえて叫び、田舎者を劇場からたたき出せと騒ぎ立てた。そこで田舎者はマントの中から子ブタを取り出し、観客たちがどれほど大きなまちがいをしていたかを、これ以上ないほど確かな証拠で示した。「見てごらんなさい」と田舎者は言った。「これで、あんたがたがどんな審判かよくわかるでしょう。」

日本語訳:多読ベスト

教訓

タップして見る

思い込みやひいきは、正しい判断を曇らせる。

底本:Project Gutenberg eBook #21 Three Hundred Æsop’s Fables(George Fyler Townsend 訳, 1867)。パブリックドメイン。