WHY NOW
いま話題になっている理由
インド東部コルカタのヒンドゥー教の祭りの会場で、現地時間10月17日に人が押し寄せて倒れる事故があり、少なくとも17人が死亡したと報じられた(19人とする媒体もある)。英字ニュースの見出しには stampede が並んだ。日本語の「将棋倒し」にあたるこの語の成り立ちと、最近よく並べて使われる crowd crush との違いをおさえよう。
もとは牛や馬の暴走
stampede は、メキシコのスペイン語 estampida から英語に入った語。もとはアメリカ西部で、牛や馬の群れが驚いて一斉に走り出すことを指した。そこから、人の群れが一か所に殺到して倒れたり押しつぶされたりする事故にも使われるようになった。名詞のほか、動詞で「殺到する、どっと押し寄せる」とも使う。
見出しでの言い方
今回の見出しは At least 17 killed in stampede(雑踏事故で少なくとも17人死亡)や Stampede kills at least 17 people の形。killed in A は「A で死亡した」、A kills B は「A で B が死亡」と、事故を主語にする言い方だ。死者数が変わると見出しの数字も変わる。速報では at least(少なくとも)がつくことに注意したい。
crowd crush との違い
群衆の安全を研究する専門家の中には、stampede は「人々がパニックになって暴走した」印象を与えるとして、crowd crush(群衆の圧迫事故)を使うべきだという人がいる。実際には、逃げ場がないほど人が密集し、押し合う力で倒れることが多いからだ。2022年のソウル・梨泰院の事故では、英字ニュースの多くが crowd crush と書いた。