まずはこの3つ
- まず SV と修飾の範囲を確定。訳はその構造が見える形で
- 名詞構文・無生物主語は「文」に戻して人を主語に訳す
- 最後に日本語だけで読み直し、ねじれと訳抜けを消す
和訳はここで見られる
和訳の採点はおおむね「構文を取れているか」「語の意味が文脈に合うか」「日本語として通じるか」の3点で見られる。きれいな日本語でも構造がずれていれば減点、ぎこちなくても構造が正しければ部分点が残りやすい。だから順番は「構造→訳語→日本語の手直し」。
1構造を訳に出す5
- 1SV を先に確定する主語と述語動詞に印をつけ、修飾語は( )でくくってから訳す。日本語でも「何が・どうした」が1対1で対応するように。The number of people who work from home has increased sharply.在宅勤務をする人の数が急増した。✕「在宅勤務をする人が急増した」(主語 the number が消える)
- 2修飾の範囲を訳で示す関係詞・分詞・前置詞句がどの名詞にかかるかを確定し、その名詞の直前に訳を置く。長すぎる修飾は切って2文にしてよい。Scientists have found a way to turn plastic waste into fuel that can power cars.科学者たちは、プラスチックごみを車を動かせる燃料に変える方法を見つけた。
- 3並列は同じ形で訳すand・or の後ろの形(動詞の原形・-ing・to V)から前の相方を探し、日本語でも「〜したり…したり」とそろえる。Reading helps us learn new words and understand other cultures.読書は、新しい言葉を覚えたり、ほかの文化を理解したりするのに役立つ。✕learn と understand を別々の主語の動詞として訳す
- 4非制限の関係詞は訳し下ろすカンマ+which・who は前から順に「そしてそれは」「〜だが」とつなぐ。前の名詞にかけて訳し上げると意味が変わることがある。He lent me a novel, which I finished in one night.彼は私に小説を貸してくれ、私はそれを一晩で読み終えた。
- 5強調構文・倒置は強調を残すIt is A that 〜 は「〜なのは A だ」、否定語の倒置は「一度も〜ない」「〜して初めて」など、強調された部分が目立つ語順で訳す。It was not money but time that he needed.彼に必要だったのはお金ではなく時間だった。
2品詞を変えてほぐす5
- 1名詞構文は「文」に戻す動詞・形容詞から来た名詞は「〜が…すること」に戻す。所有格・of が意味上の主語か目的語かを文脈で見る。結果を「〜ので」でつなぐと自然。His sudden resignation surprised everyone.直訳:彼の突然の辞職が皆を驚かせた →意訳:彼が突然辞めたので、皆が驚いた。
- 2無生物主語は人を主語に物が主語で人が目的語なら(直訳が不自然な時は)、主語を「〜によって/〜すれば/〜のおかげで」と副詞的に訳し、人を主語にする。A short walk will bring you to the station.少し歩けば駅に着く。✕「短い散歩が君を駅に連れて行くだろう」(直訳のまま)
- 3形容詞+名詞を述語にa good cook/an early riser のように「人の性質」を名詞で言う英語は、日本語では「〜が上手だ」「早起きだ」と述語にする。My father is a good cook.父は料理が上手だ。✕「父はよいコックだ」(職業と誤解される)
- 4文修飾の副詞は「〜なことに」文頭の Surprisingly/Fortunately や reportedly は文全体への評価。「驚いたことに」「幸いにも」「伝えられるところでは」と文頭に出す。The singer is reportedly planning a world tour.伝えられるところでは、その歌手はワールドツアーを計画している。
- 5否定の主語は「〜はない」にNo one・Nothing・Few people が主語の文は、「誰も〜しなかった」「〜する人はほとんどいない」と述語側で否定する。No one was injured in the accident.その事故でけが人は出なかった。✕「誰もが事故でけがをされなかった」(不自然な受け身)
3代名詞・時制・助動詞5
- 1総称の you・we・they は訳さないのが基本一般の人を指す you・we・they や、いちいちの his・their は訳さない方が自然。「人は」「〜ものだ」で処理する。対比があれば「私たちは」などと訳す。You never know what will happen in life.人生、何が起こるかわからないものだ。
- 2this・it の中身を書く指示語は、設問が「内容を具体的に」と求めたら前の文の中身を「〜ということ」の形で書く。内容説明なら指示語のままでは点にならない(普通の和訳なら「そのこと」でよい)。Many students sleep less than six hours. This affects their grades.多くの学生は睡眠が6時間未満で、そのことが成績に影響している。
- 3時制・完了形を訳に出す現在完了は継続・経験・完了・結果を見て「〜してきた/〜したことがある/〜した」、過去完了は「(その時)すでに〜していた」。By the time I arrived, the movie had already started.私が着いた時には、映画はもう始まっていた。
- 4助動詞のニュアンスを落とさないmay(かもしれない/してよい)、must(ねばならない/に違いない)、should have p.p.(すべきだったのに)など、文脈に合う訳を必ず入れる。訳抜けは減点の定番。You should have told me earlier.もっと早く言ってくれればよかったのに。
- 5受け身は「〜られている」で自然にIt is believed [said] that 〜 は「〜と考えられて[言われて]いる」。by のない受け身は無理に行為者を補わない。能動にするのは不自然さが大きい時だけ。It is widely believed that breakfast is important.朝食は大切だと広く考えられている。
4訳語・否定・仕上げ5
- 1訳語は文脈で選ぶ辞書の最初の意味に飛びつかない。address=取り組む、issue=問題・(雑誌の)号、mean=意図する・意味する。目的語との相性で決める。We need to address this issue now.私たちは今この問題に取り組む必要がある。✕address を「住所」「演説する」と訳す
- 2否定の範囲を正確にnot all・not always は部分否定「すべてが〜とは限らない」。not … because は「〜だから…なのではない」になることがある。Not all students like math.すべての生徒が数学を好きなわけではない。✕「すべての生徒が数学を好きではない」(全体否定に聞こえる)
- 3省略を補って訳すセミコロンやカンマの後で動詞が省略されたら、前と同じ語を補う。than・as の後ろの省略も同じ。Some people like summer; others, winter.夏が好きな人もいれば、冬が好きな人もいる。
- 4前置詞は動詞的に訳すwith=「〜があれば/〜したので」、without=「〜がなければ」、for=「〜にしては」など、前置詞句は節に開くと自然になる。With a little more practice, you'll be able to play it.もう少し練習すれば、弾けるようになるよ。
- 5最後は日本語だけで読み直す主語と述語のねじれ、「〜の〜の〜の」の連続、訳し忘れた副詞を確認。英文を見ずに読んで意味が通るかが基準。My dream is to become a doctor.✕私の夢は医者になりたい →○私の夢は医者になることだ。
減点されやすいポイント
| 見られる所 | 減点されやすい例 | 対策 |
|---|---|---|
| 構文 | 修飾先・並列の取り違え | SV と( )を先に書く |
| 語彙 | 文脈に合わない訳語 | 目的語との相性で選ぶ |
| 時制・助動詞 | 完了・may・should の訳抜け | 1語ずつ訳に入ったか確認 |
| 否定 | 部分否定を全体否定に | not の範囲に線を引く |
| 日本語 | 主語と述語のねじれ | 日本語だけで読み直す |
直訳しすぎ/意訳しすぎのライン4
- ✕その知らせが彼女を幸せにした○その知らせを聞いて彼女は喜んだ無生物主語は直訳だと不自然。構造は残したまま人を主語に
- ✕彼の失敗する傾向○彼は失敗しがちだhis tendency to fail は「文」に戻す
- ✕人生は甘くない(原文:Life is not always easy.)○人生はいつも楽とは限らない意訳で部分否定が消えると減点。訳しすぎ注意
- ✕私たちは環境を守るべきだ(原文:We should have protected …)○環境を守るべきだったのにshould have p.p. の「実際はしなかった」含みを落とさない
本番で使う5ステップ5
- 1SV と( )を書き込む主語・述語動詞に下線、修飾語句をかっこでくくる
- 2構文の型で直訳するnot until=「〜まで…しない/〜して初めて」など、型の訳をまずメモ
- 3品詞を変えて語順を整える名詞構文・無生物主語を「文」に戻し、人を主語に
- 4訳語を文脈で選び直す目的語・前後の文と合うか。カタカナで逃げない
- 5日本語だけで読み直すねじれ・訳抜け・時制・助動詞を最終チェック
実演:直訳→仕上げ
The rapid spread of smartphones has changed the way young people communicate. → 直訳「スマートフォンの急速な普及は、若者がコミュニケーションをとるやり方を変えた」→ 仕上げ「スマートフォンが急速に普及したことで、若者のコミュニケーションのとり方は変わった」。名詞構文を文に戻し、現在完了の「変わった(今も)」を残す。
確認テスト:最も適切な訳は?
- 1Not every student passed the test.正解は すべての生徒が合格したわけではない。not every=部分否定
- 2His failure to keep his promise made her angry.正解は 彼が約束を守らなかったので彼女は怒った。名詞構文を文に戻し、人を主語に
- 3I wish I had studied harder.正解は もっと勉強していればよかった。I wish+had p.p.=過去への後悔
- 4She is a fast learner.正解は 彼女は覚えが早い。形容詞+名詞を述語に
- 5Without your help, I couldn't have finished the work.正解は 君が手伝ってくれなかったら、仕事は終えられなかっただろう。Without+仮定法過去完了
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