WHY NOW
いま話題になっている理由
スウェーデン王立科学アカデミーは10月6日(現地時間)、2026年のノーベル物理学賞をフランシス・ハルゼン氏に贈ると発表した。南極の氷を使って、宇宙から届く高エネルギーのニュートリノをとらえる観測施設 IceCube(アイスキューブ)づくりを中心になって進めた業績だ。英字ニュースの見出しには、ニュートリノのあだ名 ghost particle(幽霊粒子)がそろって並んだ。
正体はニュートリノ
ghost particle は、素粒子ニュートリノ(neutrino)のあだ名。電気を帯びておらず、ほかの物質とほとんど反応しないため、地球も人の体も何事もなかったようにすり抜けていく。そこに「いるのに見えない、さわれない」幽霊のイメージを重ねた呼び方だ。正式な用語ではないので、記事の本文では neutrino という正式名もあわせて書かれる。
見出しではこう出る
今回の見出しでは wins Nobel Prize for work on 'ghost particles'(幽霊粒子の研究でノーベル賞)や、'ghost particle' hunt(幽霊粒子探し)の形が目立った。引用符つきで書かれることが多いのは、正式名ではなくあだ名だと示すため。形容詞形の ghostly particles(幽霊のような粒子)や、ABCの ghost messengers from space(宇宙からの幽霊の使者)のような言い換えも見られた。
南極の氷が検出器
ニュートリノはめったに反応しないが、まれに氷の中の原子核にぶつかると、かすかな光を出す。IceCube は南極点の近くで、深い氷の中に光のセンサーを埋め、およそ1立方キロメートルの氷そのものを検出器にしている。英語では detect neutrinos(ニュートリノを検出する)、neutrino observatory(ニュートリノ観測所)の形でよく出る。
dark matter と取り違えない
「見えない」つながりで、dark matter(暗黒物質)と混同しやすいが別物。ニュートリノは存在がはっきり確かめられている素粒子で、ghost particle はあくまで「つかまえにくさ」から来たあだ名だ。また ghost はほかにも ghost town(ゴーストタウン)、ghost gun(製造番号のない手作りの銃)のように時事英語でよく使われる。