雛人形はいつ出していつしまう? 飾る日・片付ける日の目安と「お嫁に行き遅れる」のホント
1なぜ立春から飾るの? 雛人形は「春を迎える飾り」
人形の業界団体である日本人形協会は、雛人形を飾る時期を「立春(2月4日)頃から2月中旬にかけて、遅くともひな祭りの1週間前までに」と案内しています。
立春は暦の上で春が始まる日。昔は、立春の前日の節分が「もう一つの大みそか」でした。豆まきで鬼を追い払い、春になったら、子どもの災いを身代わりに引き受けてくれる人形を飾る。節分からひな祭りへのバトンリレーのような流れです。次の立春は2月3日の翌日です。
その次の節気「雨水(うすい)」(2月19日ごろ)に飾ると良縁に恵まれる、と言われることもあります。ただ、これは言い伝えで、根拠のある決まりではありません。家族がそろう週末や、天気のよい日を選ぶほうが、ずっと現実的です。
2いつしまう? 3月3日の夜? 4日? 片付けの目安
「3月3日の夜にしまうの? 4日?」という疑問は毎年たくさん出ますが、片付ける日に決まりはありません。当日の夜に、疲れた子どもをせかして片付ける必要はないのです。
目安としてよく挙げられるのが、二十四節気の啓蟄(けいちつ)。冬ごもりの虫が動き出すころという意味で、3月5日か6日ごろに来ます。そこから3月中旬くらいまでに片付ければ、季節はずれにもなりません。
いちばん大事なのは日付より天気です。雛人形は湿気が大敵。雨の日にしまうと、箱の中にこもった湿気でカビやしみの原因になります。晴れて空気の乾いた日の昼間を選び、雨が続くなら、晴れ間を待って数日ずらしましょう。
・顔や手には直接さわらず、やわらかい布や手袋で持つ
・ほこりを払い、やわらかい紙で包んでから箱へ
・押し入れの上段など、湿気が少なく直射日光の当たらない場所に保管
| 時期 | すること | ポイント |
|---|---|---|
| 1月初旬〜2月中旬 | 買う・選ぶ | 日本人形協会の目安。遅くとも節句の1週間前まで |
| 立春(節分の翌日)〜2月中旬 | 飾る | 雨水(2月19日ごろ)に飾る家も。前日のあわてた飾り付けは避けたい |
| 3月3日 | ひな祭り | 当日の夜にしまう決まりはない |
| 3月5日か6日(啓蟄)〜3月中旬 | 片付ける | 晴れて乾いた日の昼間に。雨なら晴れを待つ |
| 4月3日(月遅れの地域) | ひな祭り | 飾る・しまう時期も約1か月うしろへ |
3「早くしまわないとお嫁に行き遅れる」はホント?
これは根拠のない言い伝えです。片付けが遅れたからといって、結婚が遅れることはありません。
ではなぜ、こんな話が生まれたのでしょう。よく言われるのは2つの説です。
① 言葉の連想説:昔は、娘が嫁ぐことを「片付く」と言いました。人形がいつまでも片付かない=娘も片付かない、という連想です。
② しつけ説:「出したものはきちんと片付けなさい」と子どもに教えるための、親の知恵だったという説。湿気の多い季節に入る前にしまわせる、という実用的な意味もあったと考えられます。
どちらにしても、大切なのは人形を長く良い状態で残すこと。あわてて雨の日にしまうより、晴れた日まで待つほうが、人形にとってはずっとよいのです。
4地域による違い:4月3日にひな祭りをする地域では?
雛人形を飾る期間は、地域や家によって違います。旧暦に近い季節で祝う、月遅れの4月3日にひな祭りをする地域もあり、そうした地域では、飾る期間もおよそ1か月うしろにずれます。
実家と住んでいる地域の習わしが違うときは、どちらかに合わせれば大丈夫です。迷ったら、「立春が過ぎたら飾る」「ひな祭りが終わったら、晴れた日にしまう」という2つだけを守っておけば、どの地域の人から見ても失礼にはなりません。
なお、日本人形協会は、雛人形はその子の成長と幸せを祈るものなので、基本的には一人ひとりの人形と考えられる、としています。お母さんの雛人形をそのまま娘に譲るより、娘の分を用意するのが本来の形とされますが、事情があれば、娘のための小さな人形を一緒に飾る方法もあります。
飾らなくなった雛人形を手放すときは、ごみに出す前に人形供養という方法もあります。日本人形協会は、全国の社寺で行われている人形供養(人形感謝祭)に、供養料を添えて納めるのがよいとしています。協会自身も、人形の供養を代わりに取り次ぐサービスを行っています。
❓FAQあわせてよく聞かれる質問
雛人形は3月3日の夜にしまわないといけない?
いいえ。片付ける日に決まりはありません。3月3日を過ぎたら、啓蟄(3月6日ごろ)から3月中旬を目安に、晴れて乾いた日を選んでしまいましょう。
雛人形はいつ買うのがいい?
日本人形協会は1月初旬から2月中旬を目安にしています。遅くともひな祭りの1週間前までに買って、飾る時間に余裕を持たせると安心です。
雛人形を出すのが遅れたら、前日に飾ってもいい?
前日に一晩だけ飾る「一夜飾り」は避けたほうがよい、と言われます。とはいえ飾らないよりは飾ったほうがよいので、気づいた時点ですぐに出しましょう。
雛人形は何歳まで飾る?
決まりはありません。子どもが大きくなっても、大人になっても飾ってかまいません。飾らなくなった人形を手放すときは、社寺の人形供養に納める方法があります。
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