母の日はなぜカーネーション? 最初は白だった理由と、白・赤の意味
1母の日はなぜカーネーション? 始まりは教会に届いた白い花500本
1908年5月10日、アメリカ・ウェストバージニア州グラフトンの教会に、白いカーネーションが500本届きました。送り主はアンナ・ジャービス。3年前に亡くなった母、アン・リーブス・ジャービスをしのぶ礼拝のためです。これが今の母の日につながる最初の礼拝とされます(1907年とする資料もあります)。
なぜカーネーションだったのか。理由は単純で、母アンの好きな花だったと伝えられています。アンナ自身はこの礼拝に出ておらず、花だけを送りました。
この日は1914年にアメリカの国の記念日になり、カーネーションもいっしょに広まりました。そして日本にも「母の日にはカーネーション」という形で伝わります。日本で母の日が始まった経緯は、日本の母の日のページにくわしく書いています。
2白いカーネーションの意味:アンナ本人の説明と花言葉
アンナは1927年の雑誌のインタビューで、白いカーネーションに込めた思いを語っています。要約すると、
・白さは、母の愛の誠実さ・清らかさ・広い思いやりを表す
・香りは、母の思い出と祈りを表す
・カーネーションはしおれても花びらを落とさず、胸に抱えたまま枯れる。子を抱きしめて離さない母の愛のようだ
というものです。つまり白は、もともと「死」の色ではなく、母の愛そのものを表す色でした。
花言葉の本やお店では、白いカーネーションに「純粋な愛」「私の愛情は生きている」などの言葉が添えられています。ただ、花言葉は本や店によって違い、決まった1つの正解はありません。「私の愛情は生きている」も、亡くなった人を思い続けるという意味にも、変わらない愛という意味にも読めます。
3赤は元気な母、白は亡き母:色分けはあとから生まれた
アンナが選んだのは白だけでした。ところが母の日が広まると、花屋の業界が「元気な母には赤やピンク、亡くなった母には白」という色分けを勧めるようになります。今もアメリカの大手花屋は、白は亡き母をしのぶ花、ピンクは元気な母を祝う花として紹介しています。
アンナはこの商売っ気に強く反発しました。母の日の前にカーネーションの値段がはね上がると、花屋を非難する声明を出し、1920年には「花を買わないで」とまで呼びかけています。それでも、カーネーションは母の日の花として残りました。
日本でも、母がいる人は赤、亡くなった人は白のカーネーションを胸につけるのが習わしとして百科事典に載っています。母を亡くした人が白いカーネーションを霊前に供える、という形でも伝わりました。こうして日本では「白=亡き母」という印象が強くなったのです。
4元気な母に白いカーネーションを贈ってもいい?
結論から言うと、白を贈ること自体は失礼ではありません。もともとの意味は「母の純粋な愛」で、白い花をきれいだと思って選ぶ人もたくさんいます。
ただ日本では、上のような習わしから、年配の人ほど「白は亡くなった母に供える色」と受け取ることがあります。特に義理の母など、気持ちが伝わりにくい相手には注意が必要です。迷ったときは次のように選ぶと安心です。
・白だけの花束は避け、赤やピンクに白をまぜる(白が引き立て役になり、誤解されにくい)
・白を主役にしたいなら、カードで「白いカーネーションの花言葉は純粋な愛だそうです」と一言添える
・亡くなった母に供えるなら、白を中心にして問題ありません
次の母の日は5月9日です。
| 色 | 母の日での使われ方(一般的な目安) | 贈るときの注意 |
|---|---|---|
| 赤 | 元気な母に贈る、日本の定番の色 | 迷ったらこれ |
| ピンク | アメリカでは元気な母に贈る色とされる。感謝の色として人気 | やさしい印象で、どの相手にも贈りやすい |
| 白 | もとはアンナ・ジャービスが選んだ色。のちに亡くなった母をしのぶ色に | 元気な母には赤やピンクとまぜるか、一言添えると安心 |
| そのほか(黄・オレンジ・紫など) | 最近は色とりどりの花束も多い | 花言葉は本や店で違うので、気にする相手には赤・ピンク中心に |
5カーネーションと「リーインカーネーション」は関係ある? 名前の由来
輪廻を意味する reincarnation(リーインカーネーション)と carnation。つづりがそっくりなのは偶然ではありません。どちらも根っこに、ラテン語で「肉」を意味する caro(カロー)があります。reincarnation は「再び肉体に入ること」、つまり生まれ変わりです。
ではカーネーションの名前も「肉」から来たのかというと、ここは説が分かれます。昔の花の色が肌のようなピンクだったから「肉色」を意味する carnation と呼ばれた、という説が広く知られています。一方で、花びらの形が冠に似ていることから、「冠」を意味するラテン語 corona に由来するという説もあり、百科事典にはこちらを載せるものもあります。
つまり、reincarnation と同じ「肉」の仲間かどうかは、はっきりしていません。日本には江戸時代にオランダから伝わり、「オランダセキチク」と呼ばれていました。カーネーションという名前が定着したのは、ガラス温室で大量に育てられるようになった大正時代以降とされます。
✍️Examples母の日のカーネーション、英語ではこう言う
❓FAQあわせてよく聞かれる質問
母の日にカーネーションを贈る理由を子ども向けに言うと?
「母の日を作ったアメリカの女の人が、亡くなったお母さんの好きだったカーネーションを教会でみんなに配ったのが始まりだよ」と説明できます。そこから、お母さんに感謝してカーネーションを贈るようになりました。
白いカーネーションの花言葉は怖い?
白には「純粋な愛」「私の愛情は生きている」などの花言葉が添えられることが多く、悪い意味ではありません。怖いと感じられるのは、日本で白が「亡くなった母に供える色」として使われてきたからです。
白いカーネーションを1本だけ供えてもいい?
本数の決まりはありません。亡くなった母の仏前やお墓に、白いカーネーションを1本から数本供えるのは自然です。元気な母に贈るなら、赤やピンクをまぜた花束のほうが誤解がありません。
アメリカでも母の日はカーネーション?
アメリカでもカーネーションは母の日の花です。ただ花屋の紹介では、元気な母にはピンク、亡くなった母には白とされることが多く、日本の「赤」とは少し違います。
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