敬老の日は何歳から祝う? 法律に年齢の決まりはない。60代の親に贈るときのコツ
1なぜ「何歳から」が決まっていない? 祝日法と老人福祉法を読むと
敬老の日は「国民の祝日に関する法律」(祝日法)で9月の第3月曜日と決まっています。趣旨は「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」。ここに年齢は書かれていません。次の敬老の日は9月20日です。
もう一つの法律、老人福祉法には、9月15日を「老人の日」、15日から21日を「老人週間」とする決まりがあります。でもこの法律にも、「老人とは何歳以上」という定義の条文はありません。福祉サービスの対象として「65歳以上の者」という言葉が何度も出てくるので、行政の上では65歳が一つの線になっています。
そもそも敬老の日の始まりは、1947年に兵庫県の野間谷村(今の多可町)で開かれた敬老会でした。このときの対象は55歳以上だったと伝えられています。生まれたときから、年齢はかなり自由な日だったのです。
ちなみに9月の第3月曜日は、必ず15日から21日のあいだに来ます。つまり敬老の日は、いつも老人週間の中にあるのです。
2みんなは何歳から「高齢者」と思っている? 調査では70歳以上が最多
内閣府が35〜64歳の約2,700人にたずねた調査(平成25年度)では、「一般的に高齢者とは何歳以上だと思うか」の答えは次のとおりでした。
・70歳以上:42.3%(最も多い)
・65歳以上:22.1%
・75歳以上:15.1%
・60歳以上:9.2%
・80歳以上:7.5%
60歳以上と答えた人は1割に届きません(男性11.2%、女性7.5%で、女性のほうが高齢者の線を高めに引く傾向でした)。「60歳の母に敬老の日はまだ早い」と感じるのは、多くの人に共通する感覚なのです。
専門家の間でも見直しの声があります。日本老年学会と日本老年医学会は2017年1月、今の高齢者は体の衰えが昔より遅れて現れているとして、高齢者の定義を75歳以上に見直し、65〜74歳を「准高齢者」と呼ぶよう提言しました。65歳という線は、どんどん実感からずれてきているといえます。
| 「何歳から」の基準 | 年齢 | どこで決まっている? |
|---|---|---|
| 祝日法(敬老の日) | 決まりなし | 「長寿を祝う」とあるだけ |
| 老人福祉法 | 定義はなし(福祉の措置は65歳以上) | 老人の日9月15日・老人週間21日まで |
| 敬老の日の発祥(1947年の野間谷村) | 55歳以上 | 最初の敬老会の対象 |
| 一般の人の感覚(内閣府調査) | 70歳以上が最多(42.3%) | 35〜64歳への調査 |
| 日本老年学会などの提言(2017年) | 75歳以上(65〜74歳は准高齢者) | 学会の提言で、法律ではない |
3だれに贈る? 60代の親・義理の親に贈るときのコツ
いちばん自然なのは、孫から祖父母へ贈る形です。おじいちゃん・おばあちゃんと呼ばれる立場なら、年齢にかかわらず喜ばれやすいでしょう。孫が描いた絵や手紙、写真を添えると、それだけで立派な敬老の日になります。
気をつけたいのは、60代の親や、孫がまだいない親です。若々しい人ほど「年寄り扱いされた」と感じることがあります。そんなときは、
・「敬老の日だから」と言わず、「いつもありがとう」と伝える
・のし紙や包装で「敬老」の文字を目立たせない
・品物より、いっしょに食事をするなど時間を贈る
といった工夫をすると、角が立ちません。夫や妻の親に贈るかどうかは家庭によって違います。迷ったら、自分の親と同じように扱うのがいちばん公平です。
60歳(数え年61歳)の還暦、70歳の古希など、長寿祝いの年に合わせてお祝いするのも一つの方法です。
4町内会・自治体の敬老会は何歳から?
町内会や市区町村の敬老会、記念品や祝い金の対象は、それぞれの地域が決めています。70歳以上、75歳以上など、対象年齢は地域によって違います。
町内会の役員として記念品を配る立場になったら、前の年の対象者名簿や、市区町村の敬老会の基準に合わせるのが安全です。新しく基準を決めるときは、役員会で話し合って理由を記録しておくと、「なぜ私は対象外?」という声にも答えられます。
家族でも地域でも、敬老の日の主役は年齢そのものではありません。長く社会を支えてきた人に感謝する日、という祝日法の趣旨に立ち返れば、何歳でも気持ちは伝わります。
❓FAQあわせてよく聞かれる質問
敬老の日の対象者は何歳から?
法律に決まりはありません。家庭では孫がいる祖父母や70歳前後からが目安、町内会や自治体の敬老会は地域ごとに対象年齢を決めています。
60歳の親に敬老の日のプレゼントをするのは失礼?
失礼ではありませんが、まだ若いと感じている人には「年寄り扱い」と受け取られることがあります。「敬老の日」ではなく「いつもありがとう」と伝えて贈ると安心です。
敬老の日と老人の日の違いは?
敬老の日は祝日法で決まった9月の第3月曜日の祝日です。老人の日は老人福祉法で決まった9月15日で、祝日ではありません。9月15日〜21日は老人週間です。
義理の親にも敬老の日に贈るべき?
決まりはなく、家庭によって違います。自分の親に贈るなら、義理の親にも同じように贈るのがいちばん公平で、もめごとになりにくいでしょう。
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