喪中に初詣に行ってもいい? 神社は「忌明け」が目安、お寺はまた別
1なぜ「喪中は神社に行けない」と言われるの? 忌と服のちがい
身内が亡くなったあとの期間には、もともと「忌(き)」と「服(ぶく)」の二つがありました。忌は、死を穢れ(けがれ)と考え、神事やお祝いごとを慎む期間とされてきました。服は、故人をしのんで喪に服す期間です。
江戸時代の1684年、5代将軍・徳川綱吉のときに「服忌令(ぶっきりょう)」という決まりが出され、続柄ごとに日数が定められました。たとえば父母が亡くなると、忌が50日、服が13か月です。明治時代には役人にも適用されましたが、今は法律としての意味はなく、考え方だけが残っています。
「喪中は神社に行けない」というのは、この忌と服がまざって伝わったものです。神社が遠慮を求めているのは、主に忌の期間のほうです。
2初詣はいつから行っていい? 神社本庁の答えは「50日を過ぎれば」
神社本庁は、参拝を控える期間について次のように説明しています。
・地域に慣例がある場合は、その慣例に従う
・特に慣例がなければ、五十日祭までが「忌」、一年祭(一周忌)までが「服」の期間とするのが一般的
・忌の期間である50日を過ぎれば、原則として神社の参拝や家庭の神棚のおまつりを再開して差し支えない
つまり、たとえば秋に亡くなり、年明けには50日を過ぎているなら、喪中でも初詣に行ってかまいません。仏式の家なら、四十九日の法要が済んでいれば、ほぼ同じ目安になります。
反対に、12月に亡くなって年明けがまだ忌中なら、初詣は忌明けまで待ちます。1月の終わりや2月に、ゆっくりお参りすれば十分です。
| 期間 | 神社 | お寺 |
|---|---|---|
| 亡くなってから50日(仏式は四十九日)まで=忌中 | 参拝は遠慮する。やむを得ないときはお祓いを受けてから | 法要などでお参りする。新年のお参りは地域により考え方が分かれる |
| 忌明け〜一周忌(喪中) | 原則として参拝してよい(初詣もOK) | 多くはふだんどおり。新年のお参りを避ける地域もある |
| 一周忌のあと | ふだんどおり | ふだんどおり |
3お寺の初詣は? 神社とお寺で考え方が違う
死を穢れとする考え方は、主に神道のものです。仏教のお寺には、四十九日や一周忌の法要で遺族がふつうにお参りしますし、真宗大谷派のように「死を穢れとするのは生きている者の身勝手な考え方」と説明している宗派もあります。
ただ、新年のお参りについては地域差があります。曹洞宗の公式サイトは、喪中のお寺への参拝について「新年のお詣りは避ける」という地域もあれば、「特に避けることは無い」という地域もあると答えています。同じ答えの中で、神社については「四十九日までは避ける」「その年は避ける」など、さまざまな考え方があるとも書いています。
どちらに行くにしても、喪中の間は「あけましておめでとう」のようなお祝いのあいさつは控えるのが一般的です。
4忌中に鳥居をくぐってしまった・神社に入ってしまったときは?
知らずに忌中に神社へ行ってしまった、という人は少なくありません。神社本庁は、忌の期間中は参拝を遠慮するものの、やむを得ない場合にはお祓いを受けてから参拝するのがよいと説明しています。「どんなことがあっても鳥居をくぐってはいけない」という説明ではないのです。
気になるなら、忌明けのあとにその神社へお参りし、お祓いを受けたい旨を相談すれば安心です。社務所で「知らずに忌中にお参りしてしまった」と正直に話して、相談してみましょう。
これから先、どうしても忌中に神社へ行く用事がある場合(仕事や子どもの行事など)も、同じように神社に相談するのが確かです。
5お守り・おみくじ・厄払いは? 何親等まで控える?
忌明け後に参拝してよいのですから、お守りを受けたり、おみくじを引いたり、厄払いを受けたりするのも、ふだんどおりでかまわないと考えられます。古いお守りやお札を返しに行くのも同じです。
「何親等まで控えるのか」については、神社本庁の説明は続柄で分けていません。昔の服忌令は続柄ごとに日数を細かく決めていましたが、今は地域や家によって考え方がまちまちです。祖父母や義理の親が亡くなったときも、亡くなってから50日(四十九日)を過ぎたかどうかを目安にすれば、大きく外れることはありません。
迷ったら、忌明けを待ってからお参りするのがいちばん安全です。それでも気になるときは、地元の神社や菩提寺に聞いてみましょう。曹洞宗の公式サイトも、菩提寺や近所の神社への相談をすすめています。
❓FAQあわせてよく聞かれる質問
喪中の初詣はいつから行っていい?
亡くなってから50日(仏式なら四十九日)を過ぎていれば、年明けすぐの初詣も行ってかまいません。まだ忌中なら、忌明けを待ってからお参りしましょう。
喪中にお守りを買ったり、おみくじを引いたりしてもいい?
忌明け後なら、ふだんどおりでかまいません。神社本庁は、忌の50日を過ぎれば神社の参拝を再開して差し支えないと説明しています。
喪中に厄払いを受けてもいい?
忌明け後なら受けられます。厄年でどうしても早く受けたいときは、事情を話して神社に相談しましょう。
喪中でも初詣に行けるなら、喪中はがきを出したのはおかしい?
おかしくありません。喪中はがきは、新年のお祝いのあいさつを控えることを伝えるものです。喪中の間は、年賀状やお祝いのことばは控えつつ、忌明け後に静かにお参りする、という過ごし方ができます。
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