勉強法の常識No.S65

朝型の人の方が、成績がいいって、ホント?

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判定:半分ホント

朝型ほど成績がやや良い傾向はあります。でも差はごく小さく、頭の働きのテストでは、夜型のほうがわずかに上でした。

半分ホントとは… 条件つきで正しい、または言い過ぎの部分がある常識です。

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朝6時に起きて、朝ごはんの前に英単語を30個。そんな朝型の友だちの話を聞いて、夜にならないとエンジンがかからない自分を責めたことはありませんか。

朝型の人のほうが、成績がいい。この話には、データの裏づけがあります。ただし、その差はとても小さく、中身も見た目より少し複雑です。

4つの組み合わせを調べる

2011年、心理学者プレッケルらは、朝型・夜型と、頭の働き、学校の成績との関係を調べた研究を集めて、メタ分析を行いました。メタ分析とは、たくさんの研究の結果を数字でまとめる方法です。

調べた組み合わせは4つです。朝型の度合いと、頭の働き。夜型の度合いと、頭の働き。朝型の度合いと、成績。夜型の度合いと、成績。それぞれ、700人分から3,220人分のデータがまとめられました。

ものさしは「相関」です。相関は、2つのものがどれくらい一緒に動くかを、マイナス1からプラス1までの数字で表します。0なら関係なし。プラスなら、片方が大きいほどもう片方も大きい、という意味です。

成績では朝型、頭の働きでは夜型

まず成績です。朝型の度合いが強い人ほど、成績はやや高い傾向がありました。相関はプラス0.16です。夜型の度合いが強い人ほど成績はやや低めで、相関はマイナス0.14でした。

ここまでは、「朝型のほうが成績がいい」という話のとおりです。ただ、0.16という相関は大きくありません。相関を2乗すると、片方の違いがもう片方の違いをどのくらい説明するかの目安になります。0.16の2乗は、約0.03。成績の違いのうち、朝型かどうかで説明がつくのは3%ほど、ということです。

次に、頭の働きです。ここでは向きが逆になりました。夜型の度合いが強い人ほど、頭の働きのテストの成績はわずかに高く、相関はプラス0.08でした。朝型の度合いとは、マイナス0.04のわずかなマイナスでした。

4つの相関は、どれも小さな値です。それでも、統計的には、偶然では片づけられない大きさでした。小さいけれど、たしかにある傾向、と受け止めるのがよさそうです。

頭の働きは劣らないのに、成績はやや不利

まとめると、夜型の人は、頭の働きでは劣っていないのに、成績ではやや不利、ということになります。

理由として考えられることのひとつは、学校の時間割です。授業も試験も、たいてい朝から始まります。夜型の人は、頭がまだ本調子でない時間帯に、授業を受け、テストを受けているのかもしれません。プレッケルらも、教育政策への示唆を論じています。

ただし、これは相関の研究です。朝型に変えれば成績が上がる、と確かめられたわけではありません。朝型の生活と成績の両方に、別の何かが影響している可能性もあります。

さらに、10代は夜型にかたむきやすい時期でもあります。2004年、ローネベルクらは、思春期から青年期の人には、夜ふかしと朝寝坊をいくらでもできるように見える特徴があると書いています。そして、眠る時間帯に20歳前後で急な変化が起きることを見つけ、これを「青年期の終わり」を示す生物学的な目印として提案しました。高校生や大学生が朝に弱いのは、気のゆるみだけが理由ではないのかもしれません。

試験の時間に、頭を合わせておく

夜型の人は、自分を責めなくて大丈夫です。頭の働きそのものは、劣っていません。

ただ、試験の多くは朝に始まります。試験の数週間前から、寝る時間と起きる時間を少しずつ早め、試験と同じ時間帯に問題を解く練習をしておきましょう。本番の時間に頭が働く状態を作っておくことが、夜型の人にとって、いちばん現実的な作戦です。

ふだんの勉強なら、時間帯で中身を分けるのもひとつの方法です。頭がよく働く夜に、新しい単元や難しい問題に取り組む。朝は、前の晩にやった問題の見直しや、単語の確認など、軽めのものにする。自分のリズムに逆らうより、うまく使うほうが長続きします。

この記事に出てくる用語
メタ分析
たくさんの研究の結果をまとめて、全体として効果があるかを計算する方法。1つの研究より信頼できる。
相関
2つのことが一緒に増えたり減ったりする度合い。−1から1の数字で、0に近いほど関係は弱い。原因と結果を示すものではない。

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参考文献

  1. Preckel F., Lipnevich A., Schneider S., Roberts R. (2011). Chronotype, cognitive abilities, and academic achievement: A meta-analytic investigation. Learning and Individual Differences, 21, 483-492.

  2. Roenneberg T., Kuehnle T., Pramstaller P. P., Ricken J., Havel M., Guth A., Merrow M. (2004). A marker for the end of adolescence. Current Biology, 14(24), R1038-R1039.

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