勉強法の常識No.S53
人が一度に覚えておけるのは「7つ」までって、ホント?

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先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:半分ホント
有名な「マジカルナンバー7」。数に限りがあるのはホントですが、いまは「4つ前後」とする見方が有力です。
半分ホントとは… 条件つきで正しい、または言い過ぎの部分がある常識です。
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「私の悩みは、ある整数につきまとわれていることだ」。
1956年、アメリカの心理学者ミラーは、こんな一文で論文を書き始めました。その整数とは、7です。7年ものあいだ、この数は自分のデータにも、有名な学術誌のページにも顔を出してきた、と彼は続けます。
論文の題名は『マジカルナンバー7、プラスマイナス2』。人が一度に覚えておける数には限りがあり、それはおよそ7つだという話は、ここから広まりました。
7は、もともと大まかな数字だった
ただ、ミラーの論文を最後まで読むと、印象が少し変わります。論文の終わりで、彼は世界の七不思議、七つの海、七つの大罪、一週間の7日と、身の回りの「7」を次々に並べてみせます。そして、これらの7の背後に深い意味があるのかどうかについては判断を保留し、ただの偶然ではないかと疑っている、と書いて締めくくっているのです。
2001年、心理学者のコーワンは、この点をはっきり指摘しました。ミラーの「7」は、厳密な限界というより、大まかな見積もりであり、話を印象づけるための言い回しでもあった、というのです。
本当の限界は、4つ前後
コーワンは、さまざまな実験のデータを集めて、記憶の限界を見直しました。
ここで大事なのが、「まとまり」という考え方です。覚えるものの単位は、1文字や1数字とは限りません。いくつかの情報をひとつに束ねたものを、心理学では「チャンク」と呼びます。たとえば「N、H、K」の3文字は、日本人にとっては「NHK」という1つのまとまりです。
頭の中でくり返し唱えたり、知っている言葉に結びつけたりできると、覚える単位がどんどん大きくなります。そうなると、本当はいくつのまとまりを覚えているのか、わからなくなってしまいます。そこでコーワンは、そうした工夫が使えない条件の実験に注目しました。その結果、一度に覚えておけるのは、平均して4つほどのまとまりだと結論づけました。
つまり、「数に限りがある」のはホントです。ただし、その数は7よりも小さいと考えられています。
まとまりを作れば、たくさん運べる
限りが4つほどしかないのに、私たちが長い電話番号や文章を覚えられるのは、まとまりを大きくできるからです。
ミラーも、論文の中でこの点を強調していました。彼は、シドニー・スミスという人の実験を紹介しています。0と1だけでできた数字の列を聞いて覚えると、ふつうの人は9個ほどでいっぱいになります。ところが、0と1を2つずつ、3つずつまとめて、それぞれを1つの記号に置きかえて覚えると、前より多く覚えられるようになりました。スミス自身は、練習を重ねて、40個ほどの0と1を覚えられるようになったといいます。
箱の数は増やせなくても、1つの箱に入れる中身は大きくできる。これが、まとまりの力です。
英単語も、かたまりで
勉強で言えば、ばらばらの情報を、意味のあるまとまりに束ねることが近道になります。英単語なら、1語ずつではなく、よく一緒に使われる語句ごと覚える。似た意味の単語や、同じ語源の単語をグループにして覚える。歴史なら、年号と出来事を1つずつ覚えるより、流れのある1つの話として覚える。
原田英語のおすすめは、一度に覚える量を欲張らないことです。新しいことを覚えるときは、4つほどのまとまりを目安に区切る。そして、すでに知っていることと結びつけて、まとまりを少しずつ大きくしていきましょう。
参考文献
Cowan N. (2001). The magical number 4 in short-term memory: A reconsideration of mental storage capacity. Behavioral and Brain Sciences, 24, 87-114.
doi.org/10.1017/s0140525x01003922✓ 実在と内容を確認済み
Miller G. A. (1956). The magical number seven, plus or minus two: Some limits on our capacity for processing information. Psychological Review, 63(2), 81-97.
doi.org/10.1037/h0043158✓ 実在と内容を確認済み
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