勉強法の常識No.S26
朝ごはんを食べると成績が上がるって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:半分ホント
朝食は授業中の集中には良い効果があります。ただ、成績を上げるかどうかは、まだ「その可能性がある」段階です。
半分ホントとは… 条件つきで正しい、または言い過ぎの部分がある常識です。
この記事を音声で聞くGoogle Cloud TTS(Chirp 3 HD)
0:00 / 4:02
「朝ごはんを毎日食べる子は、成績がいい」。この話には、たしかにデータの裏づけがあります。問題は、そこから「だから朝ごはんを食べれば成績が上がる」と言えるかどうかです。
2つの話は似ているようで、中身はかなり違います。
63年分の論文から36本
2013年、アドルファス、ロートン、ダイの3人は、この問題を整理しようとしました。医学や心理学の論文データベースを使って、1950年から2013年までの研究を探し、朝食と子どもの学校生活の関係を調べた論文を36本集めました。
3人が注目したのは、授業中の行動と、学業成績です。朝食の研究は、それまで「朝食を食べた直後に、記憶や計算のテストをするとどうなるか」という、短い時間の効果を調べたものが中心でした。けれども子どもにとって大事なのは、実際の教室で集中できるか、実際の成績がどうなるかです。そこで、教室での様子と成績に絞って研究をまとめたのです。
対象には、栄養が足りている子どもも足りていない子どもも、家庭の経済状況が違う子どもも含まれていました。毎日の習慣としての朝食、その日1回の朝食、学校で朝食を出すプログラムの効果も、それぞれ検討されました。
集中には効く、成績は「示唆的」
結果は、項目によって確かさがはっきり分かれました。
授業中に課題に取り組む行動については、朝食はおおむねプラスの効果を持っていました。ここが、この記事の「半分ホント」の、ホントの部分です。
一方、学業成績については、論文の言葉を借りると「示唆的な」証拠にとどまりました。習慣的な朝食や学校の朝食プログラムが成績にプラスになる可能性はある、という段階です。効果がいちばんはっきりしていたのは、栄養が不足している子どもの算数・数学の成績でした。
また、朝食を食べる回数が多い子ほど成績が良い、という関係は、くり返し見られました。いろいろな種類の食品をとり、エネルギーが十分な朝食ほど、成績とのつながりが強いという証拠もありました。
食べる子は、ほかにも何かが違う
では、なぜ「朝食で成績が上がる」と言い切れないのでしょうか。
毎朝きちんと朝ごはんが出てくる家庭は、経済的に安定していることが多いかもしれません。生活リズムが整っていて、夜も早く寝ているかもしれません。そうした違いが、成績の差を生んでいる可能性があります。論文も、朝食と成績の関係の一部は、家庭の経済状況などの別の要因で説明できると書いています。
さらに、授業中の様子の観察は、観察する人の主観が入りやすいという弱点もありました。
「半分ホント」をどう使うか
まとめると、朝食は集中の土台にはなりそうです。でも、食べたら成績が上がるスイッチではありません。
原田英語のおすすめは、朝食を「1時間目から頭を働かせるための準備」と考えることです。食欲がない日でも、パンやバナナ、ヨーグルトなど、すぐ口に入るものを用意しておけば続けやすくなります。いろいろな食品をとれると、なお良いはずです。
そして成績を上げるのは、やはりその集中した頭で何をするか、です。
参考文献
Adolphus K., Lawton C., Dye L. (2013). The effects of breakfast on behavior and academic performance in children and adolescents. Frontiers in Human Neuroscience, 7.
doi.org/10.3389/fnhum.2013.00425✓ 実在と内容を確認済み
文献はCrossrefで書誌を確認し、記事の内容は要旨などと照合しています(判定の方法)。





