勉強法の常識No.S12
手書きは脳を活性化させるって、ホント?

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判定:半分ホント
手書きとタイピングで脳波の出かたが違うことは見つかっています。ただ、それで成績が上がるかは確かめられていません。
半分ホントとは… 条件つきで正しい、または言い過ぎの部分がある常識です。
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頭に、256か所で脳波を測るセンサーのネットをかぶります。目の前の画面に、単語がひとつ表示されます。それを、タッチスクリーンにデジタルペンで、筆記体で書く。あるいはキーボードで打つ。あるいは、絵を描く。
2020年、オーセ・アスクヴィークらが行った実験の様子です。表示される単語は、やさしいものから難しいものまで用意されていました。研究チームが調べたのは、この3つの作業をしているときの脳の電気的な活動です。参加者は、若い大人12人と、12歳の子ども12人でした。
手書きのときに見えたリズム
若い大人がデジタルペンで手書きをすると、特徴的な活動が見られました。頭のてっぺんの後ろ寄りと中央で、シータ波と呼ばれるリズムの脳波がそろって強まったのです。これまでの研究によると、この部分のこうした活動は、記憶や新しい情報を取りこむことにかかわっているとされます。
絵を描いているときも、似たパターンが見られました。一方、キーボードで打っているときは、同じシータ波の範囲で、そろって弱まるパターンが見られました。研究チームは、このタイピング中の活動が学習とどう関係するかははっきりしない、としています。
12歳の子どもでも同じパターンが見られましたが、大人より弱いものでした。
脳の活動と、覚えた量のあいだ
研究チームは、子どもたちが小さいころから学校で手書きや絵を描く活動に触れるべきだ、と提案しています。手書きは、手の細かい動きと多くの感覚を同時に使うので、学習によい条件を作るという考えです。
ただ、ここには気をつけたい点があります。
まず、参加者は合わせて24人で、少人数の実験です。次に、測ったのは脳の活動で、テストの成績ではありません。書いた単語をあとでどれだけ覚えていたかを比べたわけではないのです。
脳のある部分の活動が強まることと、勉強の成果が上がることは、同じではありません。「この活動は学習によいはずだ」というのは、これまでの研究からの推測です。手書きのほうがよく覚えられるかどうかは、覚えた量を実際に比べる研究で確かめる必要があります。
書くなら、見ないで書く
だから判定は「半分ホント」です。手書きのときに脳の活動が違うことは見つかっています。でも、それで頭がよくなる、成績が上がる、とまでは言えません。
勉強に手書きを取り入れるのは、悪いことではありません。漢字や英単語のつづりのように、手で書けることが求められる知識なら、書く練習は欠かせません。
ただし、手書きなら何でも効くと思いこむのはやめておきましょう。原田英語のおすすめは、手書きを思い出す練習と組み合わせることです。教科書を見ながら写すのでなく、教科書を閉じて、覚えた単語を何も見ずに書いてみる。手を動かすなら、頭からも引き出す書き方にしましょう。
参考文献
Ose Askvik E., van der Weel F., van der Meer A. (2020). The Importance of Cursive Handwriting Over Typewriting for Learning in the Classroom: A High-Density EEG Study of 12-Year-Old Children and Young Adults. Frontiers in Psychology, 11.
doi.org/10.3389/fpsyg.2020.01810✓ 実在と内容を確認済み
文献はCrossrefで書誌を確認し、記事の内容は要旨などと照合しています(判定の方法)。





