勉強法の常識No.S13
音楽を聴きながら勉強すると集中できるって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:ウソ
BGMは気分を上げてくれます。でも文章を読む作業はじゃまされやすく、記憶にも小さなマイナスが出ています。
ウソとは… 研究の結果、この常識は支持されません。逆効果のこともあります。
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テンポの速い曲を流すと、作業のテンポも速くなる。テンポの遅い曲なら、作業もゆっくりになる。
2011年、ケンプフェらがBGMの研究をまとめて分析したときに見つかった結果のひとつです。音楽は、聞いている人の動きにまで入りこんできます。
では、勉強中に流す音楽は、頭の働きにどう影響するのでしょうか。
平均すると「効果なし」
ケンプフェらは、大人を対象にBGMの影響を調べた研究を集めて、まとめて分析しました。それまでの研究には、BGMがプラスに働いたという結果も、マイナスに働いたという結果も、影響はなかったという結果もありました。
すべてをまとめて平均すると、効果はほぼゼロでした。BGMは良くも悪くもない、という結論に見えます。
ところが、効果の大きさを計算できる研究をくわしく見ていくと、違う姿が見えてきました。平均してゼロになったのは、いろいろな効果が打ち消し合っていたためだと考えられたのです。
読むことには、じゃまになる
BGMがある場合とない場合を比べた研究を見ると、BGMは文章を読む作業を妨げていました。記憶にも、小さなマイナスの影響がありました。
一方で、BGMは気持ちの面ではよい影響を与え、スポーツの成績も上げていました。
音楽は、気持ちを乗せたり、体を動かしたりするのには向いています。でも、文字を読んで理解し、覚える作業とは、相性がよくないようです。
研究の数は、まだ少ない
この分析には限界もあります。効果の大きさを計算できる研究が少なく、それぞれの効果を見つけ出せる見こみは高くありませんでした。著者たち自身がそう書いています。さらに、BGMの影響を具体的に説明する理論づくりや、質の高い研究が必要だとも述べています。
音楽の影響は、作業の種類や音楽の種類、聞く人の好みによっても変わるかもしれません。それでも、読む作業がじゃまされるという結果は、英語の長文や教科書を相手にする高校生には見逃せません。
音楽は、読む時間の外で
原田英語のおすすめは、音楽を流す時間を分けることです。
勉強を始める前に、好きな曲を1曲聞いて気分を上げる。英文を読む、単語を覚える、といった作業の間は、音楽を止める。音楽を楽しむのは、休憩のときや、読む作業から離れたときにする。
音楽は、勉強しながら流すものというより、勉強に向かう気持ちを作るものとして使いましょう。
参考文献
Kämpfe J., Sedlmeier P., Renkewitz F. (2011). The impact of background music on adult listeners: A meta-analysis. Psychology of Music, 39, 424-448.
doi.org/10.1177/0305735610376261✓ 実在と内容を確認済み
文献はCrossrefで書誌を確認し、記事の内容は要旨などと照合しています(判定の方法)。





