勉強法の常識No.S16
授業中に隣の人がPCで遊んでいても、自分には関係ないって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:ウソ
隣の人のパソコン画面が目に入るだけで、講義のテストの成績が下がった、という実験があります。
ウソとは… 研究の結果、この常識は支持されません。逆効果のこともあります。
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大学の教室で、45分間の気象学の講義が始まります。雲の種類、気圧の配置、雷雨のでき方。講師役は、この講義を十回以上練習してきた大学院生です。講義が終わると、40問の選択式テストが待っています。
2013年に発表された、サナらの実験の舞台です。
講義中に、ネットで調べものをすると
1つ目の実験では、全員が自分のノートパソコンで講義のノートを取りました。そのうち無作為に選んだ半分の学生には、もうひとつ指示を出しました。講義中に、講義と関係のない12の課題をネットでこなすことです。たとえば「今夜10時に3チャンネルでやる番組は何か」といった課題で、全部で15分ほどで終わる量でした。
テストの正答率は、ネットの課題をしたグループが55%、しなかったグループが66%でした。課題をしたグループは、ノートの質も低くなっていました。
ここまでは予想どおりです。講義中に別のことをすれば、講義の理解は下がります。
自分は何もしていないのに
2つ目の実験は、もう一歩踏みこんだものでした。
今度の参加者は、ノートパソコンを使いません。紙と鉛筆でノートを取りながら、講義を聞きます。教室には、研究チームが頼んだ別の学生たちも座っています。この学生たちは、ノートパソコンでメモを取るふりをしながら、メールやSNSを見て回ります。
参加者の一部は、パソコンを使う学生2人のすぐ後ろの席になりました。左前と右前に1台ずつ、画面が目に入る席です。残りの参加者は、紙にノートを取る学生の後ろに座りました。
テストの正答率は、画面が見える席の参加者が56%、見えない席の参加者が73%でした。17ポイントの差です。
2つのグループのノートの質は、ほとんど同じでした。画面が見える席の学生も、まじめに講義を聞いてノートを取っていたのです。それでも、テストの成績には大きな差がつきました。
じゃまされた本人は気づかない
アンケートの結果もあります。画面が見える席の参加者は、自分の学習は「ほとんど」じゃまされなかったと答えていました。1つ目の実験で内職をした学生も、まわりの学生の学習はほとんどじゃまされないだろうと見積もっていました。
研究チームは、まわりの学生が受けた影響の大きさは、内職した本人が受けた影響のおよそ2倍だったと報告しています。ただし、2つの実験は方法が違うので、この比べ方には慎重であるべきだ、とも書いています。参加者はどちらの実験も40人ほどで、本物の授業ではなく、実験のために用意した講義だった点も覚えておきましょう。
座る席も、勉強のうち
研究チームは、視界の端にある画面に、講義の大事な場面でもつい目が向いてしまったのではないかと考えています。
自習室や図書館で席を選ぶときは、ほかの人の画面が目に入らない場所にしましょう。前の席の人が動画を見ているなら、席を移るのもりっぱな勉強法です。
そしてもうひとつ。授業中に自分がパソコンやスマホで内職をすれば、損をするのは自分だけではありません。後ろの席の誰かの成績まで、下げているかもしれないのです。
参考文献
Sana F., Weston T., Cepeda N. (2013). Laptop multitasking hinders classroom learning for both users and nearby peers. Computers & Education, 62, 24-31.
doi.org/10.1016/j.compedu.2012.10.003✓ 実在と内容を確認済み
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