勉強法の常識No.S04
問題集は解きっぱなしでも効果があるって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:半分ホント
解くだけでも記憶は強まります。でも選択問題では、選んだ誤答まで覚えてしまうことがあり、答え合わせで防げます。
半分ホントとは… 条件つきで正しい、または言い過ぎの部分がある常識です。
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選択問題を1問、解いてみてください。
日本でいちばん長い川はどれか。ア 利根川、イ 信濃川、ウ 石狩川、エ 北上川。
正解はイの信濃川です。でも、利根川も石狩川も、正解らしく見えたのではないでしょうか。選択問題の誤りの選択肢は、わざと「ありそうな答え」として作られています。
この「ありそうな答え」が、問題集を解きっぱなしにしたときの落とし穴になります。
問題を解くと、まちがいも覚える
問題を解くと、それだけで記憶は強まります。思い出す作業が記憶を強くする「テスト効果」です。ここまでは、解きっぱなしでも効果がある、という話です。
ところが選択問題には、もうひとつの面があります。解く人は、もっともらしい誤答を何度も目にします。誤答を選んでしまうと、それをあとで「正しい知識」として覚えてしまうことがある、と以前の研究で指摘されていました。
さきほどの問題で利根川を選んだとします。答え合わせをしなければ、頭には「いちばん長い川は利根川」と残るかもしれません。問題を解いた努力が、まちがいを固める方向に働いてしまうのです。
答え合わせは、少しあとでも効く
2008年、バトラーとローディガーは、この悪い面を答え合わせで防げるかを調べました。参加者は文章を読み、その内容について選択問題のテストを受けます。そのとき、すぐに正解を知らせるグループ、少し時間をおいて正解を知らせるグループ、正解を知らせないグループに分かれました。
しばらくたってから、今度は選択肢のないテストをしました。手がかりの言葉だけを見て、答えを自分で書くテストです。正解を知らせたグループは、すぐ知らせた場合も、あとで知らせた場合も、正しく答えられた割合が高くなりました。そして、最初のテストにあった誤りの選択肢を答えてしまう割合が減りました。
答え合わせは、良い面を伸ばし、悪い面を抑えていました。論文の題名も、そのとおりの言葉になっています。
丸つけで終わらせない
この研究からわかることは2つです。ひとつは、問題を解いたら答え合わせをすること。もうひとつは、1問ごとにすぐ答えを見なくてもよいことです。ただし、どれくらいまで遅らせてよいかは、この実験だけではわかりません。解いたら、なるべくその日のうちに答え合わせをしましょう。
答え合わせは、丸とバツをつけて終わりにしないようにします。正解を確かめるだけでなく、自分が選んだ誤答がなぜ違うのかも、解説で読んでおきます。もっともらしい答えに引っかかった記憶を、正しい答えで上書きするためです。
まちがえた問題には印をつけて、数日後にもう一度解きます。二度目に正しく選べたら、その問題はひとまず卒業です。
参考文献
Butler A., Roediger H. (2008). Feedback enhances the positive effects and reduces the negative effects of multiple-choice testing. Memory & Cognition, 36, 604-616.
doi.org/10.3758/MC.36.3.604✓ 実在と内容を確認済み
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