勉強法の常識No.S03
テストは実力を測るためのもの。勉強にはならないって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:ウソ
テストは、実力を測る前に、記憶を強くしてくれます。思い出そうとすること自体が、勉強になるのです。
ウソとは… 研究の結果、この常識は支持されません。逆効果のこともあります。
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単語カードをめくっていて、一度正しく言えた単語。そのカードは、もう束から外してしまってよいでしょうか。
2008年、カーピキとローディガーは、この問いをそのまま実験にしました。学生に外国語の単語を覚えてもらいます。ふつうのやり方は、単語を見て覚える学習と、思い出すテストを交互にくり返すものです。これに加えて、一度正解した単語のあつかいを変えたグループを作りました。
正解したあとも見て覚える学習は続けて、テストからは外すグループ。逆に、学習からは外して、テストだけ続けるグループ。両方から外してしまうグループ。
時間をおいたテストで、結果ははっきり分かれました。正解したあとに見て覚える学習を続けても、成績は変わりませんでした。テストを続けたほうは、成績が大きく上がりました。そして学生たちが自分で予想した成績には、本当の成績との関係が見られませんでした。
思い出すことが、覚えることになる
テストを受けると、何を覚えているかがわかります。それに加えて、テストを受けたこと自体で、あとまで覚えていられるようになります。この現象は「テスト効果」と呼ばれています。
2006年のローディガーとカーピキの実験でも、同じ結果でした。文章を読み直すより、思い出して書き出すテストのほうが、2日後と1週間後によく覚えていました。途中のテストでは、正解を見せていません。思い出そうとする作業そのものが、記憶を強くしていたことになります。
ひとつの研究室の話ではない
テスト効果は、ひとつの研究室だけで見つかった現象ではありません。2014年、ローランドは、テストと学び直しを比べた多くの研究をまとめて分析しました。テストの効果は、選択肢から選ぶテストより、自分で答えを書き出すテストで大きくなっていました。頭から引き出す手間が大きいほど、記憶に残りやすいと考えられています。
2017年のアデソープらの分析でも、練習テストは、学び直しを含むほかのどの比較条件よりも学習に役立つ、という結論でした。効果の大きさは、テストの形式や学習者、研究のやり方によって変わります。それでも、学び直すよりテストをするほうがよい、という向きはそろっています。
点数はつけなくていい
この方法のいいところは、特別な道具がいらないことです。単語カード、教科書の章末問題、自分で作った一問一答、友だちとの問題の出し合い。答えを見る前に、一度、頭から引き出そうとすれば、それがテストです。
点数をつける必要はありません。思い出せなくてもかまいません。そのあとで正解を確かめれば、どこが弱いかもわかります。
原田英語のおすすめは、勉強の最後の10分を「思い出す時間」にすることです。教科書を閉じて、きょう覚えたことを何も見ずに書き出します。テストは、本番の日に受けるだけのものではありません。毎日の勉強の中で、自分で自分に出すものです。
参考文献
Roediger H., Karpicke J. (2006). Test-Enhanced Learning. Psychological Science, 17, 249-255.
doi.org/10.1111/j.1467-9280.2006.01693.x✓ 実在と内容を確認済み
Rowland C. (2014). The effect of testing versus restudy on retention: A meta-analytic review of the testing effect.. Psychological Bulletin, 140, 1432-1463.
doi.org/10.1037/a0037559✓ 実在と内容を確認済み
Adesope O., Trevisan D., Sundararajan N. (2017). Rethinking the Use of Tests: A Meta-Analysis of Practice Testing. Review of Educational Research, 87, 659-701.
doi.org/10.3102/0034654316689306✓ 実在と内容を確認済み
Karpicke J., Roediger H. (2008). The Critical Importance of Retrieval for Learning. Science, 319(5865), 966-968.
doi.org/10.1126/science.1152408✓ 実在と内容を確認済み
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