勉強法の常識No.S21

覚えたら、寝るまで時間を空けない方がいいって、ホント?

判定日 読了 約3分音声 4:07文献 1件

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読む前に予想この常識、あなたはどう思う?

先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。

判定:ホント

覚えてから数時間以内に眠ると、単語は残りやすくなります。高校生の英単語で確かめられた結果です。

ホントとは… 複数の研究でおおむね支持されている常識です。

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同じ日に、同じ英単語を覚えたふたりの高校生がいるとします。ひとりは覚えてすぐに眠り、もうひとりは覚えたあとも何時間か起きていました。後日、単語をよく覚えているのはどちらでしょうか。

多くの人は「すぐ寝たほう」と答えると思います。ただ、それがなぜなのかを確かめるのは、案外むずかしいのです。

すぐ寝た人が有利な、ほかの理由

すぐ寝た人のほうが覚えていたとしても、理由はいくつも考えられます。

ひとつは時間帯です。寝る直前に覚えるということは、たいてい夜に覚えるということです。もしかすると、夜という時間帯そのものが暗記に向いているのかもしれません。

もうひとつは、じゃまの量です。起きているあいだは、ほかの勉強や会話、スマホの情報が次々に入ってきます。こうした新しい情報は、前に覚えたことと混ざって、忘れる原因になります。心理学ではこれを「干渉」と呼びます。すぐ寝た人は、この干渉が少なかっただけかもしれません。

さらに、疲れの問題もあります。眠らずにいた人は、テストのときに疲れていて、うまく思い出せなかっただけかもしれません。

高校生の英単語で確かめる

2006年、ガイス、ルーカス、ボルンの3人は、この問題に取り組みました。参加したのは高校生で、覚える材料は英単語です。2つの実験で条件を変えながら、単語がどれだけ残るかを調べました。

覚えてから数時間以内に眠ると、単語の記憶はよくなっていました。覚えた時間帯が違っても、あいだに入る干渉の量をそろえても、この効果は残りました。夜だから、じゃまが少ないから、という説明だけでは足りないということです。

研究チームは、覚えたあとに眠らせないグループも調べています。その人たちの記憶は悪くなっていました。しかもその差は、次の夜にしっかり眠って回復したあとでも、はっきり残っていました。疲れていて思い出せなかっただけなら、ひと晩眠れば元に戻るはずです。そうならなかったので、疲れのせいという説明も外れました。

わかったこと、わからないこと

この研究が身近なのは、参加者が高校生で、材料が英単語だという点です。単語帳と格闘している読者にとっては、そのまま自分の話として読めます。

一方で、確かめられたのは、単語のように言葉で覚える知識です。数学の解き方や、スポーツの動きのような技能にも同じことが言えるかは、この研究だけではわかりません。また、「数時間以内」がどこまで短ければいいのか、1時間と3時間でどれほど違うのか、といった細かい点も、この研究の答えの外にあります。

暗記は夜の最後に

では、実際の勉強にはどう生かせばいいでしょうか。

原田英語のおすすめは、夜の勉強の順番を「理解が必要な科目 → 暗記もの → 寝る」にすることです。頭を使う問題演習は早めの時間に済ませ、最後の30分ほどを単語や用語の暗記にあてます。覚え終わったら、スマホで動画を見たりせず、そのまま布団に入ります。覚えてから眠るまでのあいだに、新しい情報をなるべく入れないためです。

そして翌朝、最初に開くのは昨夜の単語帳です。どれが残っていて、どれが抜けたかを確かめれば、その日のうちにもう一度覚え直せます。

単語帳は、机ではなく枕元に置いて寝ましょう。

参考文献

  1. Gais S., Lucas B., Born J. (2006). Sleep after learning aids memory recall. Learning & Memory, 13, 259-262.

文献はCrossrefで書誌を確認し、記事の内容は要旨などと照合しています(判定の方法)。

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