勉強法の常識No.S23
寝る前にスマホやタブレットを見ても、睡眠には影響しないって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:ウソ
寝る前に光る画面で読書すると、寝つきが遅れ、体内時計もずれ、翌朝の頭もぼんやりしました。
ウソとは… 研究の結果、この常識は支持されません。逆効果のこともあります。
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アメリカで1,508人の大人に聞いた調査があります。寝る前の1時間以内に、なんらかの電子機器を使う夜が週に何回かはある。そう答えた人は、9割にのぼりました。
日本の高校生や大学生に聞いても、似たような数字になるのではないでしょうか。布団の中でスマホを見るのは、多くの人にとってごく当たり前の習慣です。では、その習慣は眠りに何をしているのでしょうか。
紙の本と、光る画面の本
2015年、睡眠研究者のチャン、チェイスラーらは、この疑問を実験で確かめました。比べたのは、寝る前の数時間に、光を出す電子書籍の端末で本を読んだ場合と、紙の本を読んだ場合です。同じ読書でも、画面が光るかどうかで眠りに差が出るかを調べたのです。
電子端末で読んだときは、紙の本のときと比べて、次のような変化が起きていました。
寝つくまでに、より長い時間がかかりました。夜になっても眠気が出にくくなっていました。眠りをうながすホルモンであるメラトニンの分泌が減っていました。体内時計の時刻が、後ろにずれていました。そして翌朝、目が覚めてからも、頭がすっきりしない状態になっていました。
寝る前の読書という同じ行動でも、光る画面を見るだけで、その夜の眠りから翌朝までが変わっていたのです。
体内時計が後ろにずれる
なぜ、こんなことが起きるのでしょうか。論文は、電子機器から出る光に、波長の短い青っぽい光が多く含まれている点を挙げています。これまでの実験で、人工の光を浴びると目がさえること、メラトニンが減ること、体内時計がずれることがわかっていました。
体内時計とは、眠くなる時刻や目覚める時刻を決めている、体の中の時計のことです。夜に強い光を浴びると、この時計は「まだ昼だ」と勘違いして遅れます。すると、布団に入っても眠くなりにくくなります。翌朝、目覚ましで起きても、体の中ではまだ夜が続いている状態です。
画面の中身の問題もある
この実験で使われたのは電子書籍の端末で、スマホではありません。ただ、スマホやタブレットも同じように光を出す画面です。そのため、似たような影響があると考えるのは自然です。
しかもスマホには、電子書籍とは違う問題があります。動画やSNSは次々に新しい情報を見せてくるので、「あと1本だけ」と寝る時刻が遅くなりがちです。この点はこの研究では調べていませんが、実感のある人も多いはずです。
眠りが記憶を固める時間であることを考えると、寝る前の画面は、その日の勉強の効果まで下げかねません。
最後の30分を紙に戻す
原田英語のおすすめは、寝る前の30分から1時間は画面から離れ、その時間を紙の単語帳での復習にあてることです。その日に覚えた単語を、紙の上でもう一度確かめてから眠ります。
スマホは、手の届かない場所で充電しておきましょう。目覚まし代わりに使うなら、画面を伏せて置くだけでも、つい手に取る回数は減るはずです。
眠る前の1時間を何に使うかで、翌朝の頭の調子が変わります。
参考文献
Chang A., Aeschbach D., Duffy J., Czeisler C. (2015). Evening use of light-emitting eReaders negatively affects sleep, circadian timing, and next-morning alertness. Proceedings of the National Academy of Sciences, 112, 1232-1237.
doi.org/10.1073/pnas.1418490112✓ 実在と内容を確認済み
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