勉強法の常識No.S24
昼寝は長くないと意味がないって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:ウソ
平均6分ほどの短い昼寝でも、起きていた人より単語をよく思い出せました。眠り始めること自体に意味があるようです。
ウソとは… 研究の結果、この常識は支持されません。逆効果のこともあります。
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練習すればするほど、成績が下がっていく。そんな実験結果があります。
2002年、メドニック、スティックゴールドらは、画面に出る模様を見分けるテストを、同じ人に1日のうちに4回受けてもらいました。ふつうなら、くり返すほど慣れてうまくなりそうです。ところが結果は逆でした。回を重ねるごとに、見分けられる力はじわじわと落ちていきました。
昼寝をはさむと、落ちない
この落ち込みを止める方法が、2つ見つかりました。
ひとつは、模様を出す場所を、それまで練習していなかった視野の別の場所に移すことです。もうひとつが、2回目と3回目のあいだに、昼寝をはさむことでした。どちらの場合も、成績の低下は起きませんでした。
同じ見分けを1日に何度もくり返すと、見分ける力はかえって落ちていきます。昼寝は、その落ち込みを防いでいたことになります。
では、昼寝はどれくらいの長さがあれば効くのでしょうか。
6分の眠り
2008年、ラールらは、昼寝と単語の記憶の関係を2つの実験で調べました。
1つ目の実験では、30個の単語のリストを覚えてもらい、60分のあいだ、昼寝をするか起きて過ごしてもらいました。そのあとで、覚えた単語をできるだけ書き出してもらいます。結果は、昼寝をした人のほうがはっきり多く思い出せました。
この実験では、昼寝の中で深い眠りが何分あったか、全部で何分眠ったかは、成績とは関係していませんでした。
そこで2つ目の実験では、ごく短い昼寝のグループを加えました。眠っていたのは、平均で6分以内です。起きていたグループ、短い昼寝のグループ、長い昼寝のグループの3つを比べると、短い昼寝でも、起きていたグループより単語をよく思い出せました。長い昼寝のグループは、短い昼寝のグループよりも、さらによい成績でした。
眠り始めにスイッチが入る
たった数分で、なぜ差がつくのでしょうか。ラールらは、こう考えています。眠りに入ること自体が、記憶を固める働きのスイッチを入れる。いったんスイッチが入れば、そのあとすぐに目が覚めても、働きは続くのかもしれない、と。
ただし、これは研究者の仮説で、まだ確かめられたわけではありません。また、どちらの研究も実験室での結果で、覚えたのは単語のリストや模様です。教科書の内容を覚える勉強でも同じ効果があるか、何日後まで差が残るのかは、これからの研究を待つ必要があります。
それに、長い昼寝のほうが成績はよかったことも忘れてはいけません。「短くても効く」は正しいのですが、「短いほどいい」わけではないのです。
昼休みに目を閉じる
「昼寝は長くないと意味がない」というのは、少なくともこの実験からは言えません。まとまった時間がとれない日でも、眠りに落ちる数分があれば、起きているよりはいいようです。
原田英語のおすすめは、昼休みや放課後の勉強の前に、15分ほど目覚ましをかけて机に伏せることです。ただし、研究で効果が見られたのは、実際に眠りに落ちた場合です。午前中に覚えた単語を思い出してから伏せれば、さらに無駄がありません。
ただ、昼寝は夜の睡眠の代わりにはなりません。夜はしっかり寝て、昼寝は足りない分のおまけと考えましょう。
参考文献
LAHL O., WISPEL C., WILLIGENS B., PIETROWSKY R. (2008). An ultra short episode of sleep is sufficient to promote declarative memory performance. Journal of Sleep Research, 17, 3-10.
doi.org/10.1111/j.1365-2869.2008.00622.x✓ 実在と内容を確認済み
Mednick S., Nakayama K., Cantero J., Atienza M., Levin A., Pathak N. et al. (2002). The restorative effect of naps on perceptual deterioration. Nature Neuroscience, 5, 677-681.
doi.org/10.1038/nn864✓ 実在と内容を確認済み
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