数字でわかるNo.N19
昼寝の効果は、たった6分でも現れるって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:ホント
平均6分以内しか眠らなかった人でも、起きていた人より単語をよく思い出せました。眠り始めること自体に意味があるようです。
ホントとは… 複数の研究でおおむね支持されている常識です。
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6分。カップラーメンを2杯、続けて待つくらいの時間です。
そのくらいの昼寝で、さっき覚えた単語の残り方が変わるとしたらどうでしょう。2008年、ラールらが発表した論文の題名は、そのまま「超短時間の眠りで、記憶の成績は十分に上がる」というものでした。
30個の単語と、60分の待ち時間
ラールらは、2つの実験をしました。
1つ目の実験では、参加者に30個の単語のリストを覚えてもらいました。そのあと60分あけて、思い出せる単語を順番自由に書き出してもらいます。この60分のあいだ、一方のグループは昼寝をし、もう一方は起きて過ごしました。
結果は、昼寝をしたグループのほうが、はっきりたくさん思い出せました。ここまでは、夜の睡眠が記憶を助けるという、これまでの研究の延長です。
引っかかったのは、そのあとでした。昼寝をした人たちの中で比べると、深い眠りの長さとも、眠った時間の合計とも、成績は結びついていなかったのです。長く深く眠った人ほど覚えている、という単純な話ではありませんでした。
では、どこまで短くていいのか
そこで2つ目の実験では、グループを3つにしました。起きているグループ、長めに昼寝をするグループ、そして平均6分以内しか眠らせてもらえない、超短時間の昼寝のグループです。
単語の思い出しやすさを比べると、2つの昼寝グループは、どちらも起きていたグループより成績が上でした。ほんの数分の眠りでも、起きているよりは良かったわけです。一方で、長い昼寝のグループは、短い昼寝のグループよりもさらに成績が上でした。短くても効果はあるけれど、長いほうがもっと良い、という結果です。
寝入りばなに、何かが始まる
ラールらは、こう考えています。眠りに入ることそのものが、記憶を固めるはたらきのスイッチを入れるのではないか。いったんスイッチが入れば、すぐに目が覚めても、そのはたらきはしばらく続くのではないか、というのです。
ただし、これは研究者の考えで、仕組みまで確かめられたわけではありません。テストも覚えてから1時間後で、何日も先まで差が残るかは調べていません。また、比べたのは「眠った」と「起きていた」です。目を閉じて休んでいるだけで同じ効果が出るかは、この研究からはわかりません。
机に突っ伏す10分を、無駄にしない
この結果を勉強に生かすなら、覚えたあとに短く眠る時間を入れることです。たとえば昼休みに単語を覚えたら、そのあと机に突っ伏して少し眠る。家なら、タイマーをかけて横になる。数分でも寝入ることができれば、起きて過ごすよりは記憶に有利だと考えられます。
原田英語のおすすめは、眠れなくても気にせず、目を閉じて静かにしておくことです。眠りに落ちれば、それでよし。眠気が来ない日に無理に眠ろうとする必要はありません。
昼休みの居眠りは、さぼりではなく、覚えたことをしまう時間になるかもしれません。
参考文献
LAHL O., WISPEL C., WILLIGENS B., PIETROWSKY R. (2008). An ultra short episode of sleep is sufficient to promote declarative memory performance. Journal of Sleep Research, 17, 3-10.
doi.org/10.1111/j.1365-2869.2008.00622.x✓ 実在と内容を確認済み
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