超絶勉強ハックNo.H21
勉強の前後に軽く運動すると、記憶が長持ちするって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:ホント
1回の運動で、長く残る記憶が良くなることが、研究のまとめで示されています。運動は、勉強時間の敵とは限りません。
ホントとは… 複数の研究でおおむね支持されている常識です。
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論文での効果1回の運動で、長く残る記憶がよくなった(効果量0.52、中〜大)
今日からできるやり方
- 暗記の前に、早歩きなどの運動をする
- 強さは、息が少しはずむくらいにする
- 汗が引いたら、すぐに暗記を始める
- 運動後の休憩中に、覚えたことを思い出す
テストが近づくと、部活や運動をやめて、その時間も机に向かう。気持ちはよくわかります。体を動かしている時間があったら、単語の1つでも多く覚えたい、と思うのは自然なことです。
けれども、記憶の研究を集めてみると、少し違う結果が見えてきます。
1回の運動と、続ける運動
2013年、ロイグらは、有酸素運動と記憶の関係を調べた研究を集めました。有酸素運動とは、早歩きやジョギング、自転車こぎのように、心臓と肺をしっかり使う運動です。
集めた研究は、2つに分けられました。1回だけの運動の効果を調べた研究が29本。何週間も運動を続けた効果を調べた研究が21本です。
記憶のほうも、2種類に分けて見ています。少しの間だけ頭に置いておく「短期記憶」と、あとまで残る「長期記憶」です。
長く残る記憶に、1回で効いた
結果は、こうなりました。1回の運動は、長期記憶に中〜大くらいの効果がありました。効果量は0.52です。効果量は、効き目の大きさを表す数字です。短期記憶への効果(0.26)より、はっきり大きな数字です。
いっぽう、何週間も続けた運動習慣は、短期記憶には小さな効果(0.15)がありましたが、長期記憶への効果ははっきりしませんでした。毎日走っている人ほど物覚えがいい、という単純な話ではなかったのです。
著者らは、こう考えています。1回の運動は、新しく入った情報を覚えこみ、固めるための体の中のしくみを、一時的に後押しする。続ける運動は、記憶そのものへの効果は小さくても、そのしくみが働きやすい土台を整える。2つは別々の、組み合わせて使える方法だ、というのです。
別のまとめでは「小さい」
もう1つのまとめも見ておきましょう。2012年、チャンらは、1回の運動と頭の働き全体についての研究79本をまとめました。こちらの効果量は0.097で、小さなものでした。
それでも、運動しているあいだに測っても、直後に測っても、しばらくたってから測っても、小さなプラスがありました。効果の大きさは、運動の長さや強さ、どんな力を測るか、本人の体力によって変わりました。
ロイグらが記憶にしぼったのに対し、チャンらは注意や反応の速さなども含めた、頭の働き全体を見ています。また、どちらも多くは実験室の研究で、学校のテストの点を測ったものではありません。
歩いてから、覚える
成績が必ず上がるとまでは言えません。それでも、暗記の前後に体を動かすのは、試してみる価値があります。お金もかからず、害も少ない方法です。
たとえば、単語の暗記を始める前に、息が少しはずむくらいの早歩きで、家のまわりを一周してみる。汗が引いたら、すぐに机に向かいます。運動する時間は、勉強の時間をけずるだけのものとは限りません。
参考文献
Roig M., Nordbrandt S., Geertsen S., Nielsen J. (2013). The effects of cardiovascular exercise on human memory: A review with meta-analysis. Neuroscience & Biobehavioral Reviews, 37, 1645-1666.
doi.org/10.1016/j.neubiorev.2013.06.012✓ 実在と内容を確認済み
Chang Y., Labban J., Gapin J., Etnier J. (2012). The effects of acute exercise on cognitive performance: A meta-analysis. Brain Research, 1453, 87-101.
doi.org/10.1016/j.brainres.2012.02.068✓ 実在と内容を確認済み
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