超絶勉強ハックNo.H19
合格した自分を思い描いたら、「じゃまになるもの」と対策も考えると勉強がはかどるって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:ホント
合格の場面を思い描いたら、じゃまになる壁と対策もセットで考える。この方法で、高校生が解いた問題数は6割以上増えました。
ホントとは… 複数の研究でおおむね支持されている常識です。
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論文での効果30分の作文で、高校生が解いた練習問題の数が60%以上増えた
今日からできるやり方
- 目標を1つ決め、達成した場面を思い描く
- 一番の障害(スマホ・眠気など)を書く
- 「もし〇〇になったら△△する」と決める
- この3つを紙に書き、机に貼っておく
合格発表の日、画面に自分の番号を見つけて、思わず声が出る。そんな場面を、何度も思い描いたことはないでしょうか。
思い描くのは楽しいものです。ただ、それで机に向かえるかというと、話は別です。夢の場面と、今夜の自分の部屋とのあいだには、スマホや眠気や、なんとなくのだるさが横たわっています。
夢と壁を、並べて考える
そこで考え出されたのが、「メンタル・コントラスティング」という方法です。まず、望む未来をありありと思い描きます。次に、それをじゃましそうな、今の自分の現実を考えます。夢と壁を、わざと並べて見比べるのです。
これに、もう1つの方法を組み合わせます。「もし〇〇が起きたら、△△する」と、壁にぶつかったときの行動を前もって決めておくやり方で、「実行意図」と呼ばれます。大人を対象にした研究では、夢と壁を見比べると「やるぞ」という気持ちが固まり、「もし〜なら」の計画は、その気持ちを行動に移す助けになることがわかっていました。
66人の高校2年生
2011年、アメリカの心理学者ダックワースらは、この組み合わせを高校生で試しました。参加したのは、高校2年生66人。全員が、3年生の秋に、進路を左右する大事な試験をひかえていました。
生徒たちは、くじで2つのグループに分けられました。一方は30分間、夢と壁と「もし〜なら」の計画を書く作文に取り組みます。もう一方は、比べるための別の作文を書きました。
その後、試験に向けた練習問題を、どれだけ解いたかを比べました。夢と壁を書いたグループは、もう一方より60%以上多くの問題を解いていました。30分の作文1回にしては、大きな差です。
ただし、参加者は66人と少なめです。また、測ったのは解いた問題の数で、試験の点そのものではありません。
1万6000人分で見ると
では、ほかの研究ではどうでしょうか。2021年、ワンらは、この組み合わせを試した21の研究、1万5907人分のデータをまとめて分析しました。
目標を達成する効果は、効果量0.336。効果量とは、効き目の大きさを表す数字で、0.336は「小〜中くらい」にあたります。書くだけで行うより、実験者と話しながら行うほうが、効果は大きめでした。
著者らは注意も添えています。効果が出た研究ほど発表されやすいかたよりが見られ、本当の効果はもう少し小さいかもしれない、というのです。それでも、短い時間でできて効き目のある方法だ、というのが結論でした。
1分でできる3行メモ
試すなら、紙に3行書くだけです。たとえば、こんなふうに。
願い:英検2級に合格して、春から英語の授業に自信を持って出たい。
壁:夕食のあと、ベッドでスマホを見はじめると止まらない。
計画:もし夕食後にスマホを手に取りたくなったら、先に単語を10個テストしてから見る。
書いたら、友達や家族に話して聞かせると、さらによいかもしれません。分析でも、人と話しながら行うほうが効果は大きめでした。
合格の場面を思い描くのは、やめなくてかまいません。その絵のすみに、スマホという壁と、その乗りこえ方も描きこんでおきましょう。
参考文献
Duckworth A., Grant H., Loew B., Oettingen G., Gollwitzer P. (2011). Self-regulation strategies improve self-discipline in adolescents: benefits of mental contrasting and implementation intentions. Educational Psychology, 31, 17-26.
doi.org/10.1080/01443410.2010.506003✓ 実在と内容を確認済み
Wang G., Wang Y., Gai X. (2021). A Meta-Analysis of the Effects of Mental Contrasting With Implementation Intentions on Goal Attainment. Frontiers in Psychology, 12, 565202.
doi.org/10.3389/fpsyg.2021.565202✓ 実在と内容を確認済み
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