超絶勉強ハックNo.H19

合格した自分を思い描いたら、「じゃまになるもの」と対策も考えると勉強がはかどるって、ホント?

判定日 読了 約3分音声 4:36文献 2件

「合格した自分を思い描いたら、「じゃまになるもの」と対策も考えると勉強がはかどる」のイメージイラスト

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判定:ホント

合格の場面を思い描いたら、じゃまになる壁と対策もセットで考える。この方法で、高校生が解いた問題数は6割以上増えました。

ホントとは… 複数の研究でおおむね支持されている常識です。

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論文での効果30分の作文で、高校生が解いた練習問題の数が60%以上増えた

今日からできるやり方

  1. 目標を1つ決め、達成した場面を思い描く
  2. 一番の障害(スマホ・眠気など)を書く
  3. 「もし〇〇になったら△△する」と決める
  4. この3つを紙に書き、机に貼っておく

合格発表の日、画面に自分の番号を見つけて、思わず声が出る。そんな場面を、何度も思い描いたことはないでしょうか。

思い描くのは楽しいものです。ただ、それで机に向かえるかというと、話は別です。夢の場面と、今夜の自分の部屋とのあいだには、スマホや眠気や、なんとなくのだるさが横たわっています。

夢と壁を、並べて考える

そこで考え出されたのが、「メンタル・コントラスティング」という方法です。まず、望む未来をありありと思い描きます。次に、それをじゃましそうな、今の自分の現実を考えます。夢と壁を、わざと並べて見比べるのです。

これに、もう1つの方法を組み合わせます。「もし〇〇が起きたら、△△する」と、壁にぶつかったときの行動を前もって決めておくやり方で、「実行意図」と呼ばれます。大人を対象にした研究では、夢と壁を見比べると「やるぞ」という気持ちが固まり、「もし〜なら」の計画は、その気持ちを行動に移す助けになることがわかっていました。

66人の高校2年生

2011年、アメリカの心理学者ダックワースらは、この組み合わせを高校生で試しました。参加したのは、高校2年生66人。全員が、3年生の秋に、進路を左右する大事な試験をひかえていました。

生徒たちは、くじで2つのグループに分けられました。一方は30分間、夢と壁と「もし〜なら」の計画を書く作文に取り組みます。もう一方は、比べるための別の作文を書きました。

その後、試験に向けた練習問題を、どれだけ解いたかを比べました。夢と壁を書いたグループは、もう一方より60%以上多くの問題を解いていました。30分の作文1回にしては、大きな差です。

ただし、参加者は66人と少なめです。また、測ったのは解いた問題の数で、試験の点そのものではありません。

1万6000人分で見ると

では、ほかの研究ではどうでしょうか。2021年、ワンらは、この組み合わせを試した21の研究、1万5907人分のデータをまとめて分析しました。

目標を達成する効果は、効果量0.336。効果量とは、効き目の大きさを表す数字で、0.336は「小〜中くらい」にあたります。書くだけで行うより、実験者と話しながら行うほうが、効果は大きめでした。

著者らは注意も添えています。効果が出た研究ほど発表されやすいかたよりが見られ、本当の効果はもう少し小さいかもしれない、というのです。それでも、短い時間でできて効き目のある方法だ、というのが結論でした。

1分でできる3行メモ

試すなら、紙に3行書くだけです。たとえば、こんなふうに。

願い:英検2級に合格して、春から英語の授業に自信を持って出たい。

壁:夕食のあと、ベッドでスマホを見はじめると止まらない。

計画:もし夕食後にスマホを手に取りたくなったら、先に単語を10個テストしてから見る。

書いたら、友達や家族に話して聞かせると、さらによいかもしれません。分析でも、人と話しながら行うほうが効果は大きめでした。

合格の場面を思い描くのは、やめなくてかまいません。その絵のすみに、スマホという壁と、その乗りこえ方も描きこんでおきましょう。

この記事に出てくる用語
効果量
効果の大きさを表す数字。目安は0.2で小さい、0.5で中くらい、0.8で大きい。

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参考文献

  1. Duckworth A., Grant H., Loew B., Oettingen G., Gollwitzer P. (2011). Self-regulation strategies improve self-discipline in adolescents: benefits of mental contrasting and implementation intentions. Educational Psychology, 31, 17-26.

  2. Wang G., Wang Y., Gai X. (2021). A Meta-Analysis of the Effects of Mental Contrasting With Implementation Intentions on Goal Attainment. Frontiers in Psychology, 12, 565202.

文献はCrossrefで書誌を確認し、記事の内容は要旨などと照合しています(判定の方法)。

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