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英語で夢を見たら上達のサイン? 夢と第二言語を調べた研究の意外な答え

英語で夢を見たら上達のサイン? 夢と第二言語を調べた研究の意外な答え

読む前に予想してみよう!

外国語の夢を見るのは、その言語がペラペラになった人だけだ

研究カード(どんな研究?)
対象
語学研修の参加者・バイリンガルの成人
規模
4人〜十数人の睡眠実験、アンケート調査など
研究の種類
睡眠実験・相関研究
確かさ
★★☆☆☆
3秒でわかる

外国語が上手な人ほどその言語の夢を見やすい、という関係は報告されている。ただ「ペラペラでないと見ない」わけではなく、環境や直前の経験も大きく影響する。

ひとことで言うと英語の夢は上達のヒントかも。でも見なくても気にしなくてOK!

もくじ
  1. フランス語が伸びた人は、夢にも早く出てきた
  2. 「ペラペラじゃないと見ない」はウソ
  3. 夢の言語は「直前の経験」で変わる
  4. まとめ

英語を勉強していると、ある朝ふと「夢の中で英語を話していた!」という日が来ることがあります。

SNSや語学ブログでは「英語で夢を見たら上達の証拠」とよく言われます。でも、それって科学的に根拠はあるのでしょうか?

夢と外国語の研究は、数こそ多くありませんが、ちゃんと存在します。調べてみると、「サインかもしれない。でも合格証ではない」というのが答えでした。

01フランス語が伸びた人は、夢にも早く出てきた

この分野の先駆けは、カナダ・オタワ大学の睡眠研究者ド・コニンクらのチームです。

レム睡眠は、鮮やかな夢を見やすい睡眠の段階です。学習がうまく進んでいる人ほど、睡眠と夢のほうでも新しい言語が「処理」されていたのかもしれません。

ただし、この研究の参加者はごく少人数。あくまで「そういう関係が見られた」という手がかりの段階です。

02「ペラペラじゃないと見ない」はウソ

もう少し新しい研究もあります。オランダのシカールとデ・ボットは2013年、多言語を話す人の夢についての研究を報告しました。

その結果、外国語の熟達度が高い人ほど、その言語の夢を見ることが多いという関係がありました。同時に、とても流暢でなくても外国語の夢は見られること、そしてその言語の環境で過ごした期間も夢に影響していることがわかりました。

「上手になったから夢を見る」というより、どれだけその言語に浸かっているかが大事なようです。

夢には、昼間に浸かった言葉が流れ込む
夢には、昼間に浸かった言葉が流れ込む

03夢の言語は「直前の経験」で変わる

ドイツ語と英語のバイリンガル16人を睡眠実験室で調べた研究(フォークスら、1993年)では、実験をドイツ語で行った夜と英語で行った夜で、夢に出てくる言語が変わったといいます。

なお、この研究では、バイリンガルの夢の頻度や夢の中で話す頻度そのものは、1言語の人とおおむね同じでした。

夢の言語は、実験で使われた言語や、夢の中の場面にふさわしい言語に引っぱられやすいのです。英語の夢を見たのは、昼間に英語にたくさん触れたから、という可能性も十分あります。

ちなみに、新しく覚えた単語が脳の中で定着していく過程には、深いノンレム睡眠中の脳波が関わっていることも、睡眠研究でわかってきています。夢を見たかどうかとは別に、しっかり眠ること自体が語学学習を支えているのです。

04まとめ

英語で夢を見るのは、上達や英語漬けの生活の「かもしれないサイン」。上手な人ほど見やすい傾向は報告されています。

でも、見ないからといって伸びていないわけではありません。夢は結果のおまけ。大切なのは、昼間にどれだけ英語に浸かれたか、です。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerMany learners believe that dreaming in English proves they are becoming fluent. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Many learners believe that dreaming in English proves they are becoming fluent. A few studies have looked at this idea. In 1990, sleep researchers in Ottawa asked four people taking a six-week intensive French course to keep dream diaries and sleep in a lab. Those who made the most progress began dreaming in French earlier and had more conversations in their dreams.

However, with only four people, this is just a clue. A 2013 study in the Netherlands found that people with higher proficiency dreamed in their second language more often, but even learners who were not very fluent had such dreams. The time spent living in a place where the language is used also mattered. So dreams seem to reflect how much you are surrounded by a language.

129 words ・ CEFR B1

和訳を見る

多くの学習者は、英語で夢を見ることは自分が流暢になりつつある証拠だと信じています。いくつかの研究がこの考えを調べてきました。1990年、オタワの睡眠研究者たちは、6週間のフランス語集中講座を受けている4人に、夢日記をつけ、実験室で眠ってもらうよう頼みました。最も上達した人たちは、より早くフランス語で夢を見始め、夢の中での会話も多くなりました。

しかし、わずか4人なので、これは手がかりにすぎません。2013年のオランダの研究では、熟達度の高い人ほど第二言語で夢を見ることが多かったものの、あまり流暢でない学習者でもそうした夢を見ていました。その言語が使われている場所で暮らした期間も関係していました。要するに、夢はあなたがどれだけその言語に囲まれているかを反映しているようです。

4択リーディングクイズ

Q1. What did the participants in the 1990 study do?

Q2. Why does the writer call the 1990 result "just a clue"?

Q3. What does the last sentence suggest?

重要単語

  • dreamA2
    名詞・動詞夢(を見る)I dreamed in English for the first time last night. dream in English「英語で夢を見る」。過去形は dreamed / dreamt。have a dream も可。
  • REM sleepC1
    名詞(句)レム睡眠(夢を見やすい睡眠)Most vivid dreams happen during REM sleep. REM=Rapid Eye Movement(急速眼球運動)。単語の定着には深いノンレム睡眠も関わるとされる。
  • proficiencyC1
    名詞熟達度・習熟度Higher proficiency was linked to more English dreams. proficient in ~「~に熟達した」。英語の資格試験の説明文で必ず見る語。
  • immersionC1
    名詞集中的に浸かる学習(イマージョン)The students joined a six-week immersion course. immerse「浸す」の名詞形。immerse oneself in ~「~に没頭する」。SLAでは授業を目標言語で行う教育法も指す。
  • exposureB2
    名詞(言語への)接触・触れることMore exposure to English leads to faster progress. expose A to B「AをBにさらす」の名詞形。SLAでは「インプットにどれだけ触れたか」を表す重要語。
  • correlationC1
    名詞相関A correlation is not the same as a cause. co-(共に)+relation。相関があっても因果とは限らない。入試長文の「研究の限界」で頻出。
  • milestoneB2
    名詞節目・画期的な出来事Your first English dream may feel like a milestone. もとは道ばたの「マイル標石」。発達・学習の段階を表す比喩として頻出。

動画でもっと知る

6週間のフランス語集中講座で、よく伸びた人ほど早い時期に夢にフランス語が出てきたという研究があるらしい。英語で夢を見たら、ちょっと喜んでいいかも。ただし「合格証」ではない。

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出典・参考文献(4件)タップで表示
  1. De Koninck et al. (1990) Language learning efficiency, dreams and REM sleep. Psychiatric Journal of the University of Ottawapubmed.ncbi.nlm.nih.gov
  2. De Koninck et al. (1989) Intensive language learning and increases in rapid eye movement sleep: evidence of a performance factor. International Journal of Psychophysiologydoi.org
  3. Sicard & de Bot (2013) Multilingual dreaming. International Journal of Multilingualismdoi.org
  4. Foulkes et al. (1993) Linguistic phenomena and language selection in the REM dreams of German-English bilinguals. International Journal of Psychologydoi.org