毎日英語 第5号|2026年10月17日(土)
lawyer(ロイヤー)=法律家・弁護士
- トランプ大統領が10月9日に指名したケイティ・ザカリア報道官が、職務開始からわずか5日で退任(米国時間16日)
- きっかけは「弁護士(lawyer)」を名乗っていたのに、司法試験(bar exam)に合格していなかったと本人が認めたこと
- 本人は「attorney at law と名乗ったことはない」と説明。lawyer と attorney、どの単語を名乗ったかまで話題に
lawyer と attorney の違いは「資格を持って代理するか」
(研究者・法学部卒も
ふくむことがある)
依頼人の代理をする人
ざっくり言えば、lawyer が大きな円、attorney はその中の「資格を持って代理する人」。辞書的にはこういう関係です。
ふだんの会話では lawyer も attorney もほぼ同じ意味で使われ、どちらも「資格のある弁護士」を思い浮かべるのがふつうです。しかもカリフォルニア州の法律は、資格がないのに弁護士として振る舞うこと(holding oneself out as a lawyer)そのものを軽犯罪にしています。スタンフォード大学の法学教授も、州法が禁じているのは「弁護士を装うこと」だとコメント。lawyer なら名乗ってセーフ、とは言えないのが今回のポイントです。
CNN によると、ザカリア氏は過去2年で少なくとも15回、「attorney」の肩書きが入った番組の画面をSNSで共有していました。本人は「attorney at law と名乗ったことはない」と説明していますが、単語1つの違いが、政権の「顔」の進退まで左右したわけです。
イギリスでは「弁護士」が2種類
| 英語 | 意味 | よく使う国 |
|---|---|---|
| lawyer | 法律家・弁護士(いちばん広い) | どこでも |
| attorney | 弁護士・代理人 | アメリカ |
| solicitor | 事務弁護士(相談・書類が中心) | イギリス |
| barrister | 法廷弁護士(法廷で弁論する) | イギリス |
| counsel | (法廷での)弁護人・顧問弁護士 | どこでも(かたい) |
語源で一発:attorney の中には turn が隠れている
attorney は古いフランス語の atorner(任命する、割り当てる)から。中に torner=turn(向ける)が入っていて、「仕事を向けられた人」、つまりあなたの代わりを任された人というのが元の意味です。
だから attorney はもともと「弁護士」に限りません。今もその名残があるのが、次の3つ。ニュースで本当によく出ます。
| 英語 | 意味 |
|---|---|
| power of attorney | 委任状・代理権(家族などに手続きを任せる書類。弁護士でなくてもなれる) |
| Attorney General | アメリカの司法長官(司法省のトップ。イギリスなどでは法務総裁) |
| district attorney | 地方検事(略して DA。弁護士ではなく「訴える側」) |
一方の lawyer は law(法)+ -yer(〜する人)。sawyer(木びき職人)と同じ作りで、見たまんま「法の人」です。
bar exam の bar は「酒場」じゃない

司法試験は英語で the bar exam(または the bar examination)。この bar は、法廷で傍聴席と、裁判官・法律家の席を分ける木の手すりのことです。
手すりの内側に入れる人たち=the bar(法曹界、弁護士の世界)。そこに入るための試験だから bar exam。合格は pass the bar、弁護士会は the State Bar of California(カリフォルニア州弁護士会)のように言います。イギリスの barrister(法廷弁護士)も、この bar から生まれた単語です。
「経歴を盛る」は英語で?盛り度メーター

今回のニュースでは、報道や識者のコメントに「経歴」にまつわる英語がたくさん出てきました。軽い盛りから、アウトな詐称まで、強さの順に並べます。
水増し
伝える
ちなみに今回の件が「どのレベルか」は、本人の説明と報道で見方が分かれています。この記事では、報じられた事実と英語の使い分けだけを紹介しています。
ニュース英語の読みどころ3つ
もう1つおまけ。初めての記者会見は約15分で終わり、英語メディアでは widely panned(広く酷評された)と書かれました。pan は「フライパン」ではなく、ここでは「こきおろす」という動詞です。
そのまま使える例文6つ(音声つき)
-
You should talk to a lawyer before you sign the contract.契約書にサインする前に、弁護士に相談したほうがいいよ。
-
She works as an attorney for a big tech company.彼女は大手IT企業で弁護士として働いている。
-
He finally passed the bar on his third try.彼は3回目の挑戦で、ついに司法試験に合格した。
-
My father gave me power of attorney while he was in the hospital.父は入院中、私に代理権(委任状)をくれた。
-
Don’t pad your résumé. Employers check everything.履歴書は盛らないこと。会社は全部チェックするから。
-
The district attorney decided not to file charges.地方検事は起訴しないことを決めた。
1分クイズで定着チェック
毎朝のニュース英語は、ここでチェック
今日のような時事英語を毎朝まとめて読みたい人は、原田英語の無料サイトへどうぞ。
よくある質問
Q. lawyer と attorney の違いは何ですか?
Q. bar exam の bar とは何ですか?
Q. 「経歴を盛る」は英語で何と言いますか?
Q. ザカリア報道官はなぜ退任したのですか?
毎日英語のバックナンバー
参考にした報道
- NBC News “Katie Zacharia is out as White House press secretary after just 5 days on the job”
- CBS News “White House press secretary Katie Zacharia confirms she never passed bar exam after saying she’s a lawyer”
- ニューズウィーク日本版(ロイター)「ザカリア米大統領報道官『解任』、弁護士資格に疑問」
- 日本経済新聞「ザカリア米大統領報道官、職務開始5日で退任決定 弁護士経歴で疑惑」
- CNN.co.jp「『弁護士』アピールする米ホワイトハウスの新任報道官、司法試験は不合格だった」
- 時事ドットコム「アメリカの新大統領報道官に経歴詐称疑惑」
