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lawyer と attorney の違いは?「弁護士」を名乗った米報道官が5日で退任|意味・語源・使い方【毎日英語 第5号】

弁護士は英語で lawyer?それとも attorney?アメリカでは、弁護士を名乗っていた新任のホワイトハウス報道官が「司法試験に合格していなかった」と認め、就任わずか5日で退任しました。このニュースを入口に、2つの単語の違いと語源、ニュース英語の読みどころを音声つきで解説します。

lawyer と attorney の違いを解説するイメージ。記者会見場で、ふくらんだ履歴書と裁判のハンマー・天秤が浮かんでいる毎日英語 第5号|2026年10月17日(土)

attorney vs lawyerattorney(アターニー)=弁護士・代理人
lawyer(ロイヤー)=法律家・弁護士
30秒でわかる今日のニュース
  • トランプ大統領が10月9日に指名したケイティ・ザカリア報道官が、職務開始からわずか5日で退任(米国時間16日)
  • きっかけは「弁護士(lawyer)」を名乗っていたのに、司法試験(bar exam)に合格していなかったと本人が認めたこと
  • 本人は「attorney at law と名乗ったことはない」と説明。lawyer と attorney、どの単語を名乗ったかまで話題に
今日の一文

Katie Zacharia is out as White House press secretary after just five days on the job, after admitting that she had called herself a lawyer without ever passing the bar exam.

ケイティ・ザカリア氏は、司法試験に一度も合格しないまま弁護士を名乗っていたと認め、就任わずか5日でホワイトハウス報道官の職を退いた。
※NBC News・CBS News・ロイター・日本経済新聞などの報道をもとに原田英語が作成した文です。
PART 1

lawyer と attorney の違いは「資格を持って代理するか」

lawyerロイヤー
📚法律の専門家を広く指す言葉。法律を学び、法律の仕事をする人。日本語の「法律家」に近い、ゆるくて広い言い方です。
attorneyアターニー
🤝正式には attorney at law。資格を持ち、依頼人の代理として法廷に立ったり契約をまとめたりする人。日本語の「弁護士」にぴったり重なります。
lawyer法律家ぜんぶ
(研究者・法学部卒も
ふくむことがある)
attorney資格があって
依頼人の代理をする人

ざっくり言えば、lawyer が大きな円、attorney はその中の「資格を持って代理する人」。辞書的にはこういう関係です。

⚠️ でも実際のアメリカでは…

ふだんの会話では lawyer も attorney もほぼ同じ意味で使われ、どちらも「資格のある弁護士」を思い浮かべるのがふつうです。しかもカリフォルニア州の法律は、資格がないのに弁護士として振る舞うこと(holding oneself out as a lawyer)そのものを軽犯罪にしています。スタンフォード大学の法学教授も、州法が禁じているのは「弁護士を装うこと」だとコメント。lawyer なら名乗ってセーフ、とは言えないのが今回のポイントです。

CNN によると、ザカリア氏は過去2年で少なくとも15回、「attorney」の肩書きが入った番組の画面をSNSで共有していました。本人は「attorney at law と名乗ったことはない」と説明していますが、単語1つの違いが、政権の「顔」の進退まで左右したわけです。

イギリスでは「弁護士」が2種類

英語 意味 よく使う国
lawyer 法律家・弁護士(いちばん広い) どこでも
attorney 弁護士・代理人 アメリカ
solicitor 事務弁護士(相談・書類が中心) イギリス
barrister 法廷弁護士(法廷で弁論する) イギリス
counsel (法廷での)弁護人・顧問弁護士 どこでも(かたい)
PART 2

語源で一発:attorney の中には turn が隠れている

a-〜のほうへ
+
torner向ける(=turn)
→
attorney(代わりに)任された人

attorney は古いフランス語の atorner(任命する、割り当てる)から。中に torner=turn(向ける)が入っていて、「仕事を向けられた人」、つまりあなたの代わりを任された人というのが元の意味です。

だから attorney はもともと「弁護士」に限りません。今もその名残があるのが、次の3つ。ニュースで本当によく出ます。

英語 意味
power of attorney 委任状・代理権(家族などに手続きを任せる書類。弁護士でなくてもなれる)
Attorney General アメリカの司法長官(司法省のトップ。イギリスなどでは法務総裁)
district attorney 地方検事(略して DA。弁護士ではなく「訴える側」)

一方の lawyer は law(法)+ -yer(〜する人)。sawyer(木びき職人)と同じ作りで、見たまんま「法の人」です。

PART 3

bar exam の bar は「酒場」じゃない

bar exam の bar の由来になった法廷の手すり。傍聴席と法曹の席を分ける木の柵を、若い法律家が通り抜けている
法廷の手すり=the bar。ここを越えた向こう側が、裁判官と法律家の世界

司法試験は英語で the bar exam(または the bar examination)。この bar は、法廷で傍聴席と、裁判官・法律家の席を分ける木の手すりのことです。

手すりの内側に入れる人たち=the bar(法曹界、弁護士の世界)。そこに入るための試験だから bar exam。合格は pass the bar、弁護士会は the State Bar of California(カリフォルニア州弁護士会)のように言います。イギリスの barrister(法廷弁護士)も、この bar から生まれた単語です。

📝 アメリカの司法試験は州ごと。報道によると、ザカリア氏は2011年にカリフォルニア州の試験を受けて不合格で、その後は夫の仕事で中国(北京)に移り、法律事務所で働いていたと説明しています。
PART 4

「経歴を盛る」は英語で?盛り度メーター

pad one's résumé(経歴を盛る)のイメージ。履歴書に綿を詰めてふくらませる人を、虫めがねがチェックしている
pad は「詰め物をしてふくらませる」。肩パッドの pad と同じです

今回のニュースでは、報道や識者のコメントに「経歴」にまつわる英語がたくさん出てきました。軽い盛りから、アウトな詐称まで、強さの順に並べます。

🎈 盛り度メーター(下ほどアウト)
1ちょい盛り
puffery:誰も本気にしない誇張。「世界一うまいラーメン」のような宣伝文句。監視団体は今回、「資格なしに弁護士を名乗るのは puffery では済まない」とコメント。
2話を盛る
embellish:事実に尾ひれをつけて飾る。embellish the story(話を盛る)。
3経歴を
水増し
pad one’s résumé:履歴書に「詰め物」をしてふくらませる。pad は肩パッドの pad。
4ゆがめて
伝える
misrepresent:事実と違うように見せる・誤解させる。misrepresent one’s qualifications(資格を偽って示す)。
5詐称
falsify / fabricate:書類や経歴をでっちあげる=経歴詐称。falsify one’s credentials、名詞なら résumé fraud。

ちなみに今回の件が「どのレベルか」は、本人の説明と報道で見方が分かれています。この記事では、報じられた事実と英語の使い分けだけを紹介しています。

PART 5

ニュース英語の読みどころ3つ

be out as ~
〜の職を去る
解任でも辞任でも使える便利な言い方。He is out as CEO.(彼はCEOを退いた)。見出しでは Zacharia out as press secretary のように be 動詞まで省略されます。
after just five days on the job
就任わずか5日で
on the job は「仕事について・勤務中で」。just が「たった」の驚きを出しています。
transition into a new role
新しい役職に移る
政権側の説明。英語ニュースでは事実上の更迭をやわらかく言う定番の言い回しです。ロイターには、当局者が「解任された」と話しています。

もう1つおまけ。初めての記者会見は約15分で終わり、英語メディアでは widely panned(広く酷評された)と書かれました。pan は「フライパン」ではなく、ここでは「こきおろす」という動詞です。

PART 6

そのまま使える例文6つ(音声つき)

  1. You should talk to a lawyer before you sign the contract.
    契約書にサインする前に、弁護士に相談したほうがいいよ。

  2. She works as an attorney for a big tech company.
    彼女は大手IT企業で弁護士として働いている。

  3. He finally passed the bar on his third try.
    彼は3回目の挑戦で、ついに司法試験に合格した。

  4. My father gave me power of attorney while he was in the hospital.
    父は入院中、私に代理権(委任状)をくれた。

  5. Don’t pad your résumé. Employers check everything.
    履歴書は盛らないこと。会社は全部チェックするから。

  6. The district attorney decided not to file charges.
    地方検事は起訴しないことを決めた。

PART 7

1分クイズで定着チェック

Q1pass the bar の bar はもともと何?
💡 法廷で傍聴席と法曹の席を分ける手すりが the bar。そこから「法曹界」の意味になりました。
Q2power of attorney の意味は?
💡 attorney の元の意味「任された人」が生きている言い方。弁護士でなくても家族がなれます。
Q3アメリカの Attorney General は?
💡 司法省のトップ=司法長官。最高裁長官は Chief Justice です。
Q4「履歴書を盛る」に一番近いのは?
💡 pad は「詰め物をしてふくらませる」。肩パッドの pad です。
Q5ニュースの She is transitioning into a new role. の本当のニュアンスは?
💡 事実上の更迭を角が立たないように言う定番表現です。
選択肢を押すと答えが出ます
PART 8

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時事英語ナビで関連語を引く:
press secretary(報道官)法律・裁判の時事英語
PART 9

よくある質問

Q. lawyer と attorney の違いは何ですか?
lawyer は「法律の専門家」を広く指す言葉、attorney(attorney at law)は「依頼人の代理人として法律行為ができる資格者」を指します。アメリカの日常会話ではほぼ同じ意味で使われますが、attorney のほうが「資格を持って代理する人」という意味がはっきりしています。
Q. bar exam の bar とは何ですか?
法廷で傍聴席と裁判官・法律家の席を分ける「手すり(柵)」のことです。そこから「法曹界・弁護士の世界」を the bar と呼ぶようになり、その世界に入る試験が bar exam(司法試験)です。
Q. 「経歴を盛る」は英語で何と言いますか?
pad one’s résumé(履歴書を水増しする)や embellish(話を盛る・飾る)が近い言い方です。事実と違うことを書く「経歴詐称」なら falsify one’s credentials や résumé fraud を使います。
Q. ザカリア報道官はなぜ退任したのですか?
弁護士を名乗っていたのに司法試験に合格していなかったと本人が認めたことと、初めての記者会見が約15分で終わり酷評されたことが重なり、就任5日で退任が決まったと報じられています。政権側は「新しい役職に移る」と説明しています。

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