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お年玉は海外にもある? 赤い袋の紅包から、緑の袋のイードのお金まで

結論
あります。特にアジアに多く、中国・台湾・シンガポールなどでは赤い袋の「紅包(ホンバオ)」、韓国ではおじぎのあとにもらう「セベットン」、ベトナムでは「リーシー」を渡します。イスラム教の国々には、お祭りの日に子どもへお金を贈る「イーディー」があります。欧米では、お金よりクリスマスのプレゼントが中心です。

1日本のお年玉の由来:もとはお金ではなく「もち」だった

海外を見る前に、日本のお年玉の正体を確かめておきましょう。

お年玉の語源には説が2つあります。1つは、年神さまに供えた鏡もちを、家の主人が家族に分けたという説。神さまの力が宿ったもちを「御歳魂(おとしだま)」と呼んだ、というものです。もう1つは、年のはじめのありがたい贈り物「年賜(としだま)」から来たという説です。

昔は品物を贈ることもあり、中世には武士は刀、町人は扇、医者は丸薬を贈っていたとされます。現金を渡すのが当たり前になったのは昭和30年代(1955年ごろ)から。米やもちを家で作る暮らしが減ったことも背景にあると言われます。

つまり日本のお年玉は、もとは「神さまの力をおすそ分けする」行事。海外のお年玉にも、それぞれの願いがこめられています。

2中国・台湾・東南アジアの紅包:赤い袋は「魔よけ」

春節(旧正月)が近づくと、中国の銀行には新しいお札を求める人の列ができます。お年玉の紅包(ホンバオ)には、ピンとした新札を入れるのが礼儀だからです。次の春節は2027年2月6日です。

ルーツは2000年ほど前の漢の時代。縁起のよい言葉をきざんだ、魔よけのお守りの硬貨がつくられました。のちに、硬貨を赤いひもに通して子どもに与える「圧歳銭」の習慣になります。「歳」と、たたりを表す「祟」が同じ発音なので、子どもをたたりから守るお金だった、と言われます。赤は悪いものを追いはらう色です。

渡すのは、年上の人から子どもや若い人へ。中国南部などでは、結婚している人から結婚していない人へ渡すという決まりもあります。会社の上司やお店の主人が、部下や従業員に渡すこともあります。

金額は偶数が好まれます。奇数はお葬式を思わせるからです。「4」は「死」と音が似ているので避け、「8」は縁起がよい数。2014年からはスマホで送るデジタル紅包も始まり、2016年の春節には320億個以上が送られました。

3韓国・ベトナム・イスラム圏・フィリピンのお年玉

韓国の旧正月「ソルラル」の朝、子どもたちは晴れ着の韓服を着て、祖父母や親に床に手をつく深いおじぎ「セベ」をします。「새해 복 많이 받으세요(セヘ ボン マーニ パドゥセヨ)=新年の福をたくさん受けてください」。すると大人から「セベットン」がもらえます。お金と一緒に、ひとことアドバイスをもらうのもお決まりです。

ベトナムの旧正月「テト」では、赤い袋の「リーシー」。大人が子どもに、健康や長生きの願いをこめて渡します。

イスラム教の国々では、ラマダン明けのイードなどのお祭りで、子どもにお金を贈る「イーディー」の習慣があります。マレーシアやシンガポールのイスラム教徒は緑の袋を使います。同じ国のヒンドゥー教徒は、ディワリに紫の袋を使うこともあります。

フィリピンでは、中国系の人々が伝えた紅包が「アンパオ」と呼ばれて広まり、中国系でない人も、誕生日やクリスマスにお金を入れて贈るようになりました。

4欧米にもお年玉はある? スコットランドの「お年玉の月曜日」

欧米では、新年にお金を配る習慣はあまり見られません。子どもへの贈り物は、ほとんどがクリスマスのプレゼントです。

でも昔のスコットランドには、お年玉にそっくりな日がありました。1年の最初の月曜日、ハンセル・マンデー(Handsel Monday)です。1825年の用語集には「子どもや使用人に贈り物をするのがならわしの日」と書かれています。郵便配達や新聞配達の人も、この日に心づけをもらいました。handsel は「手に渡す」という古い言葉から来た、幸運を願う小さな贈り物のことです。

この日は、やがてクリスマスの翌日のボクシング・デーに役目をゆずって消えていきました。イギリスで働く人に心づけを渡した「クリスマス・ボックス」も、お年玉と少し似た習慣です。

5中国の人に紅包を渡すときのマナー

中国や台湾で働いていて、春節に紅包を渡すことになったら、次の点に気をつけると安心です。

・赤い袋に入れる(赤はお祝いと魔よけの色)
・新札を使う
・金額は偶数にして、4のつく額は避ける。8は縁起がよい
・年上や目上の人から、年下や目下の人へ渡すのが基本

いくら包むかは、地域や会社、相手との関係で大きく違います。いちばん確かなのは、同じ職場の中国人の同僚に「普通はいくら?」と聞くことです。

✍️Examplesお年玉を英語で話すなら

  • ○

    Did you get any red envelopes?

    紅包(お年玉)もらった?

  • ○

    In Japan, children get New Year money called otoshidama.

    日本では、子どもがお年玉という新年のお金をもらいます。

  • ○

    My grandparents gave me 10,000 yen for New Year.

    祖父母がお年玉に1万円くれました。

  • ○

    In Korea, children bow to their grandparents before they get New Year money.

    韓国では、子どもは祖父母におじぎをしてからお年玉をもらいます。

  • ✕

    Here is 4,000 yen in a red envelope.

    中華圏の人に4のつく額は縁起が悪い。偶数でも4は避ける

❓FAQあわせてよく聞かれる質問

中国の紅包はいくら包めばいい?

決まった額はなく、地域や相手との関係で大きく違います。偶数で4を避け、新札を使うのが基本。職場なら中国人の同僚に相場を聞くのが確実です。

お年玉がない国はある?

欧米の多くの国では、新年にお金を配る習慣はあまりなく、子どもへの贈り物はクリスマスのプレゼントが中心です。

海外に住む孫にお年玉を送るには?

日本郵便は国際郵便で送れないものの例に硬貨・紙幣を挙げています。現金を封筒に入れて送るのは避け、送金サービスやギフトカードなどを使いましょう。

韓国のお年玉はどうやってもらうの?

旧正月の朝、子どもが祖父母や親に深いおじぎ「セベ」をして新年のあいさつをすると、大人から「セベットン」がもらえます。

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