香典の相場はいくら? 関係別・年代別の金額と、包み方・書き方のマナー
1香典はなぜ「お金」? もとは米や野菜を持ち寄る助け合い
15世紀の記録に、もう「御香奠百貫文」という言葉が出てきます。香典は500年以上前から、お金で供えられてきたのです。
「香典」は、お香や花の代わりに死者の霊前に供える金品のことです。百科事典によると、お金がまだ広く使われていなかった時代は、米や麦、野菜を持ち寄っていました。香典には、近い親族が葬儀の費用を分けあう意味、近所どうしの助け合いの意味、葬儀の席で食べる分を自分で持っていく意味があったと説明されています。
つまり香典は、遺族の負担を少しでも軽くするための助け合いです。だから「血のつながりが近い人ほど多く、遠い人は少なめ」という金額の決まり方になります。故人とのつながりと、自分の年齢や立場の2つで金額が決まる、と覚えておくと迷いません。
2関係別・年代別の相場:親・兄弟・祖父母・おじおば・いとこ・友人・会社
香典の金額は、資料によって少しずつ幅があります。葬儀辞典の一例では、両親10万円、兄弟姉妹3万〜5万円、祖父母1万〜2万円、おじ・おばなどの親類1万円、友人・知人と上司は5千〜1万円、同僚や近所の人は5千円です。
冠婚葬祭の互助会でつくる全互協が令和3年度に行ったアンケート(回答5,177件)を見ると、職場の人や友人とその家族への香典は、どの年代でもいちばん多い答えが5千円でした。親への香典は、40代で5万円、60代以上で10万円がいちばん多い答えです。おじ・おばへの香典は、30代から60代以上まで1万円が最多でした。
同じ関係でも、若いうちは少なめ、年齢が上がるほど多めにするのが一般的です。学生や、まだ親と暮らしている人は、自分では包まず親の香典にまとめることもよくあります。
親の葬儀では、喪主を務める人や同じ家で暮らしていた家族は香典を出さず、結婚して別に暮らす子が包むことが多いようです。家によって考えが違うので、兄弟姉妹で先に相談しておきましょう。
| 故人との関係 | 20代 | 30代 | 40代以上 |
|---|---|---|---|
| 親 | 3万〜5万円 | 5万〜10万円 | 5万〜10万円 |
| 兄弟姉妹 | 3万〜5万円 | 3万〜5万円 | 3万〜5万円 |
| 祖父母 | 5千〜1万円 | 1万円前後 | 1万〜3万円 |
| おじ・おば | 1万円 | 1万円 | 1万〜3万円 |
| いとこ・その他の親戚 | 5千〜1万円 | 1万円 | 1万〜2万円 |
| 友人・知人 | 5千円 | 5千円 | 5千〜1万円 |
| 友人の親 | 3千〜5千円 | 5千円 | 5千〜1万円 |
| 会社の上司 | 5千円 | 5千〜1万円 | 5千〜1万円 |
| 同僚・部下 | 3千〜5千円 | 5千円 | 5千〜1万円 |
| 上司・同僚の家族 | 3千〜5千円 | 5千円 | 5千〜1万円 |
| 取引先(会社の決まりがあれば従う) | 5千円 | 5千〜1万円 | 1万円 |
| 近所の人 | 3千円 | 3千〜5千円 | 3千〜5千円 |
3義理の親族・連名・会社:ネットの相場より大事なこと
「夫のおばの葬儀に包んだ額が少ないと、親戚に言われた」。こうした悩みはとても多くあります。全互協も、親戚への香典は血縁関係によって変わるとしています。親戚の間には、その家や土地ならではの「いつもの金額」があることが多いのです。
夫や妻の親族には、自分の同じ続柄と同じくらいを包むのが基本です。配偶者の親なら自分の親と同じように考えます。息子の妻の親など、続柄が遠くて目安がない相手は、同じ立場の親族に「いくらにする?」と聞いて合わせるのがいちばん安全です。少なすぎるのも多すぎるのも、あとで気まずさが残ります。
友人どうしで出し合うときは、1人分の金額に人数をかけるのが一般的です。全葬連の解説では、1人5千円で3人なら15,000円と例をあげ、合計を人数で割る出し方はしないとしています。
会社関係は、会社の名前で出す香典と、個人の香典を分けて考えます。取引先への香典は会社の決まりに従うのがふつうです。職場の有志でまとめるときも、まずは慣例を先輩や総務に確かめましょう。
44と9、新札、お札の向き:なぜ避ける?
4と9を避ける理由
「4」は「死」、「9」は「苦」に通じるからです。4千円・4万円・9千円は使いません。全互協は偶数も避けるとしつつ、2千円や2万円は差し支えないとしています。偶数が嫌われるのは「割り切れる=縁が切れる」と考えるためです。迷ったら3千円・5千円・1万円・3万円・5万円から選べば安心です。
新札を避ける理由
新札は「亡くなるのを予想して準備していた」と受け取られかねないからです。使い古した札で十分ですが、汚れや破れの目立つ札は避けます。新札しか手元にないときは、一度まん中で折り目をつけてから入れます。
お札の向き
一般的には、お札の肖像のある面を袋の裏側に向け、肖像が下になるように入れる、と紹介されることが多いです。悲しみで顔を伏せる気持ちを表す、と説明されます。ただ、地域や本によって言うことが違い、はっきりした決まりではありません。何枚か入れるときは、向きをそろえることのほうが大切です。
5香典袋の書き方:表書き・薄墨・中袋の「金壱萬円」
表書きの選び方
・御霊前:通夜・葬儀に。全互協は、通夜から三十五日の法要までに使え、どの宗教・宗派にも使えるとしています。
・御仏前:四十九日の法要から。
・御香典・御香料:仏式なら通夜・葬儀に使えます。
ただし浄土真宗は別です。浄土真宗本願寺派の公式サイトは、「御霊前」と印刷した金封もあるが、故人の霊ではなく仏さまに捧げるので、書くなら「御仏前」と説明しています。真宗大谷派の公式サイトも、葬儀の表書きには「御香儀」「御香資」「御香典」「御香料」をあげていて、「御霊前」は入っていません。仏式で宗派がわからないときは、「御香典」にしておけばまちがいがありません。
薄墨で書く
通夜・葬儀の表書きは、悲しみを表す薄墨で書くのが習わしです。筆ペンにも薄墨用があります。下段には、故人ではなく自分の名前を書きます。
中袋の書き方
中袋の表に金額、裏に住所と氏名を書きます。金額は「壱・弐・参・伍・拾・萬」などの画数の多い漢字(大字)で、「金壱萬円」「金参萬円」「金伍千円」のように書きます。「一」に線を足せば「二」や「十」に書きかえられてしまうため、証書などで使われてきた字です。
持っていくときは、袋をそのままかばんに入れず、袱紗(ふくさ)に包みます。迷ったときは「御香典」「薄墨」「1万円なら金壱萬円」の3つを押さえておけば、まず困りません。
❓FAQあわせてよく聞かれる質問
叔父・叔母の香典はいくら?
1万〜3万円が目安です。20代なら1万円でもかまいません。親戚の間で金額をそろえることが多いので、親や兄弟に一度聞いておくと安心です。
いとこの香典はいくら?
5千〜1万円、年齢が上なら1万〜3万円が目安です。親と同じ家で暮らしている、または学生なら、親の香典にまとめることもよくあります。
友人の親の香典はいくら?
3千〜1万円で、5千円がいちばん多い金額です。友人どうしでまとめて出すなら、1人分の金額に人数をかけた額にします。
会社の上司や同僚の香典はいくら?
上司は5千〜1万円、同僚や部下は5千円前後が目安です。職場の有志や会社の名前で出す決まりがあることも多いので、先に総務や先輩に確かめましょう。
孫は祖父母の香典を出す?
学生や親と同じ家で暮らす孫は、親の香典にまとめることが多いです。独立して働いている孫なら、1万〜3万円を自分の名前で包みます。
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