新盆・初盆は何をする? 準備の流れと、香典の金額・表書き
1新盆とは? 6月に亡くなった人の初盆が「翌年」になるわけ
6月の終わりに家族を亡くした人の初盆は、その年の8月ではありません。翌年のお盆です。
一般的には、新盆は「四十九日の忌明けを終えてから最初に迎えるお盆」と考えます。四十九日までは、故人はまだあの世への旅の途中にいるとされるため、忌明け前にお盆が来たときは、翌年をていねいな初盆にするのです。四十九日の法要をお盆の前に早めて行い、その年を初盆にする家もあるので、迷ったら菩提寺に相談します。
呼び方は「にいぼん」「あらぼん」「しんぼん」「はつぼん」とさまざまで、地方によっては「アラソンジョ」とも言います。百科事典には、新盆は盆の行事の中でもとくに丁重に行われるとあります。千葉県などでは、普通のお盆より早く、7月1日から高灯籠(たかどうろう)を立て、新しい仏さまがその柱を目印に帰ってくると言われてきました。盆踊りの踊り手たちが、新盆の家をわざわざ回って踊る風習も各地にあります。
2新盆は何をする? 白提灯・盆棚・法要の流れ
全国で多いのは8月13日〜16日の月遅れ盆です。次の8月盆は2027年8月13日に始まります。東京の一部など7月盆の地域は7月13日〜16日です。
準備(1か月ほど前〜12日)
お盆は寺がいちばん忙しい時期です。僧侶に来てもらう日、法要のあとの会食の有無は、早めに菩提寺や親族と決めます。親族から届くお供えは、12日までに準備を整えておくのが望ましいとされています。
白提灯(しらはりちょうちん)
新盆の家だけが飾る、絵柄のない白い提灯です。13日の夕方、迎え火を焚いて玄関の外に灯します。白提灯は故人一人につき一つ、その年かぎりのものです。送り火のときに燃やすか、寺に納めてお焚き上げをしてもらいます。親族から贈られる絵柄入りの盆提灯は、翌年以降も使えます。
盆棚と法要
位牌を中心に、花、野菜、果物、そうめん、団子などを供えます。法要では僧侶にお経をあげてもらい、親族や故人と親しかった人が焼香します。そのあと会食をする家も多くあります。
お返し(引き物)
お参りに来た人には、当日持ち帰ってもらえる品を用意します。菓子やお茶、海苔など「消えもの」が定番です。かけ紙は黒白か黄白の結び切りで、表書きは「志」「新盆供養」「初盆供養」などにします。
3施餓鬼(せがき)とは? 新盆の家が気にするお寺の法要
お盆の時期に、寺から「施餓鬼会のご案内」が届くことがあります。初めての人には何のことかわかりにくい言葉です。
施餓鬼は、餓鬼の世界に落ちて飢えに苦しむ霊や、供養してくれる人のいない霊に、食べ物や飲み物を施す法要です。お釈迦さまの弟子・阿難(あなん)が、焔口(えんく)餓鬼という「口から炎を出す餓鬼」に告げられて施しをしたのが始まりと伝えられます。禅宗では「施食会(せじきえ)」とも呼びます。
もとはいつ行ってもよい法要でしたが、お盆に行われるうちに、盂蘭盆会(うらぼんえ)と同じものと見なされるほどになりました。家の先祖や新しく亡くなった人もいっしょに供養する今の形は、中世の終わりごろからと考えられています。そのため新盆の家では、施餓鬼会で故人の塔婆(とうば)を立ててもらうことがあります。
費用は塔婆料やお布施として寺ごとに決まっていることが多いので、案内の手紙を見るか、寺に直接たずねるのが確実です。なお、浄土真宗では施餓鬼を行いません。
4初盆の香典はいくら? 表書き・墨・お札の入れ方
初盆に招かれたときの香典は、5千〜1万円が一般的な目安です。故人が自分の親や兄弟姉妹なら1万〜3万円ほどになります。法要のあとに会食があるなら、その分を少し上乗せし、夫婦や家族で出席するなら多めに包みます。「4」や「9」のつく金額は避けます。
表書きは「御仏前」
「御仏前」「御佛前」「御供物料」と書きます。通夜や葬儀で使う「御霊前」は、四十九日を過ぎた初盆では使いません。浄土真宗では、亡くなった人をすぐに仏になった人と考えるので、葬儀のときから一貫して「御仏前」です。白提灯の費用を出すなら香典とは別の袋に「御提灯料」、品物を供えるなら「御供」とします。
墨は濃くてよい
通夜・葬儀の香典は悲しみを表す薄墨で書くのが習わしです。でも初盆は日程が前からわかっていて準備できるので、普通の濃い墨で書いてかまいません。同じ理由で、新札を使ってもよいとされます。気になるなら、一度折り目をつけてから入れます。
行けないときは郵送で
香典は現金書留で、香典袋ごと送ります。短い手紙を添えましょう。たとえば「初盆を迎えられるにあたり、心ばかりのものをお送りします。御仏前にお供えください。〇〇さんの優しい笑顔を思い出しております」のように、何を送ったかと、故人への思いを一言ずつ書けば十分です。
| 故人との関係 | 初盆の香典の目安 |
|---|---|
| 親(自分が子) | 1万〜3万円 |
| 兄弟姉妹 | 1万〜3万円 |
| 祖父母(自分が孫) | 5千〜1万円 |
| おじ・おば | 5千〜1万円 |
| 友人・知人・職場 | 3千〜1万円 |
| 会食がある場合 | 上の金額に3千〜5千円ほど上乗せ |
5宗派や地域でちがう新盆:浄土真宗では霊を迎えない
ここまでの流れは、多くの宗派で見られる一般的な形です。いちばん大きく違うのが浄土真宗です。
浄土真宗本願寺派の説明では、「霊が帰ってくる」という考えは日本の民俗信仰から来たもので、浄土真宗の教えとは合わないとしています。亡くなった人は、お盆の数日だけでなく、いつも浄土から私たちのもとに還ってきているという考え方です。そのため精霊棚(盆棚)や、先祖を迎えておまつりするための飾り・供物は用いず、本尊の阿弥陀さまを仰いでお供えをします。お盆の法要も、故人をしのびながら仏の教えを聞く場という位置づけです。
地域による違いもあります。沖縄では旧暦の7月にお盆をし、新暦の日付が毎年変わります。提灯をだれが用意するか、香典と提灯代のどちらを出すかも、土地や家ごとにさまざまです。
迷ったときは、菩提寺と、故人の家の年長の親族に聞くのがいちばん安心です。招かれる側なら、「御仏前」の香典5千〜1万円を濃い墨で書いて持っていけば、まず失礼にはなりません。
❓FAQあわせてよく聞かれる質問
初盆の香典の表書きは「御霊前」と「御仏前」のどっち?
「御仏前」です。四十九日を過ぎた初盆では「御霊前」は使いません。「御供物料」と書いてもかまいません。
初盆の香典は薄墨で書く?
濃い墨でかまいません。薄墨は、急な知らせを受けた通夜や葬儀で使うものです。日程が前からわかっている初盆は、普通の墨で書きます。
孫は初盆の香典をいくら包む?
祖父母の初盆なら5千〜1万円が目安です。まだ学生なら親がまとめて包むことも多いので、親と相談して決めましょう。
「香典はいらない」と言われたら?
遺族がはっきり辞退しているなら、無理に包まないのがマナーです。代わりにお線香やお菓子などのお供えを持って行くと、気持ちが伝わります。
初盆のお返しは何をいつ渡す?
お参りに来た人に、当日その場で渡すのが一般的です。菓子やお茶、海苔などの消えものを、黒白か黄白の結び切りのかけ紙に「志」「初盆供養」と書いて用意します。
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