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御霊前と御仏前の違い:四十九日の法要からは「御仏前」、浄土真宗は最初から

結論
一般的な仏式では、通夜・葬儀は「御霊前」、四十九日の法要からは「御仏前」です。亡くなってから49日間は「霊」、そのあとは「仏」になると考えるためです。ただし浄土真宗は亡くなってすぐ仏になると考えるので、最初から「御仏前」。宗派がわからなければ「御香典」が無難です。

1なぜ名前が変わる? 49日間は「次の生へ向かう途中」

お通夜で「御霊前」と書いた人が、四十九日には「御仏前」と書く。同じ人に供えるお金なのに、なぜ名前が変わるのでしょう。

かぎは「中陰(ちゅういん)」という仏教の考え方です。中陰は、人が亡くなってから次の生を受けるまでの期間のこと。百科事典によると、その長さは49日とされ、遺族は7日ごとに供養をして、49日目に「満中陰(まんちゅういん)」の法事を行います。昔は、この49日間は死者の魂が家の棟にいる、という信仰もありました。

つまり49日までは、故人はまだ「霊」として旅の途中。だから供えるお金も「御霊前(霊の前に)」です。四十九日を過ぎると仏さまになったと考えるので「御仏前(仏の前に)」に変わります。

ちなみに「御霊前」という言葉は古く、江戸時代の天保6年(1835年)の記録に、8代将軍吉宗をさす「有徳院様御霊前へ白銀弐拾枚」という使い方が残っています。

2いつからいつまで? 四十九日・お盆・一周忌はどっち

一般的な切りかえは次のとおりです。

・お通夜・葬儀・告別式:「御霊前」
・初七日〜三十五日などの法要:「御霊前」
・四十九日の法要:「御仏前」
・そのあとのお盆・一周忌・三回忌:「御仏前」

迷いやすいのが四十九日です。冠婚葬祭の互助会でつくる全互協(全日本冠婚葬祭互助協会)は、「御仏前」は仏式四十九日の法要から使えるとしています。四十九日の法要は、故人が仏になる節目の法要だからです。最近は、法要を49日目より前の土日に繰り上げることも多いのですが、四十九日の法要として行うなら「御仏前」で準備するのが一般的です。

亡くなって初めてのお盆(初盆・新盆)も、四十九日を過ぎていれば「御仏前」です。なお、表書きが変わっても香典の金額の考え方は変わりません。金額は故人との関係で決まります。

3浄土真宗は通夜から「御仏前」。全互協の説明とのちがい

ここで注意したいのが浄土真宗です。浄土真宗では、亡くなった人は阿弥陀さまの力ですぐに仏になると考えます。だから「霊」として迷う期間はなく、通夜でも葬儀でも「御霊前」は使いません。

浄土真宗本願寺派(西本願寺)の公式サイトは、「御霊前」と印刷された金封もあるが、香典は故人の霊ではなく仏さまに捧げるものなので、書くなら「御仏前」と説明しています。ほかに「御供」「御香典」「御香資」も使われる、としています。真宗大谷派(東本願寺)の公式サイトも、葬儀の表書きには「御香儀」「御香資」「御香典」「御香料」がふさわしい、と答えています。

いっぽう全互協のマナーページは、「御霊前」はどの宗教宗派にも使えると書いています。辞典にも、仏教・神道・キリスト教のどれでも通夜や葬儀に使える言葉と載っています。

つまり、「御霊前は広く使える」はマナー本の一般論で、浄土真宗の考え方では使わない、というのが正確なところです。遺族が浄土真宗とわかっているときは「御仏前」か「御香典」にします。

4神式・キリスト教は? 蓮の花の袋に注意

仏式でない葬儀では、表書きも袋も変わります。

・神式(神道):「御玉串料」「御榊料」が代表的。「御霊前」も使えます。
・キリスト教:「お花料」が一般的。カトリックでは「御ミサ料」も使えますが、プロテスタントでは使いません。

気をつけたいのが袋の絵柄です。市販の香典袋には蓮(はす)の花が印刷されたものがありますが、蓮は仏教の花なので仏式専用。神式やキリスト教の葬儀には、蓮のない白無地の袋を使います。キリスト教用には、ゆりの花や十字架が描かれた袋もあります。

香典袋に「御霊前」「御仏前」「御香典」の短冊が何枚か入っていることがあります。通夜や葬儀なら「御霊前」か「御香典」、四十九日以降なら「御仏前」を選びましょう。

5迷ったときの安全な選び方

宗派までは知らない、ということはよくあります。そんなときは次の順で考えると安心です。

・仏式とわかっているが宗派が不明:「御香典」。お香の代わりに供えるという意味で、浄土真宗の本山も葬儀に使ってよい表書きとして挙げています。四十九日の法要からは「御仏前」にします。
・宗教そのものがわからない:蓮の絵のない袋に「御霊前」と書く人が多いです。
・案内状や訃報に宗教が書いてある:それに合わせます。

大切なのは、故人を悼む気持ちです。表書きを完ぺきにそろえることより、きちんとお参りすることのほうがずっと大事です。わからないときに葬儀社や親族に聞くのも、失礼ではありません。

❓FAQあわせてよく聞かれる質問

御霊前と御仏前で金額は変わる?

変わりません。金額は表書きではなく、故人との関係や自分の年代で決まります。目安は「香典の相場はいくら?」のページにまとめています。

四十九日の法要を前倒しでするときは御霊前?

四十九日の法要として行うなら「御仏前」で準備するのが一般的です。不安なら、施主や葬儀社に聞いてもかまいません。

通夜に「御仏前」と書いてしまったら失礼?

浄土真宗では通夜から「御仏前」が正しい書き方なので、間違いとは言い切れません。書き直しが間に合わなければ、そのまま渡して大丈夫です。

お盆の香典は御霊前?御仏前?

四十九日を過ぎていれば「御仏前」です。初盆(新盆)も、普通は四十九日を過ぎているので「御仏前」になります。

「御香典」と「御霊前」はどう違う?

「御香典」はお香の代わりに供えるお金という意味で、仏式の通夜・葬儀なら宗派を問わず使えます。四十九日の法要からは「御仏前」が一般的です。「御霊前」は故人の霊に供えるという意味で、浄土真宗では使いません。

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