時候のあいさつ、今の時期は何と書く? 月の上旬・中旬・下旬の早見表
1なぜ真夏に「残暑」? 時候のあいさつは暦で決まる
8月8日ごろ。気温は35度、セミは大合唱。それでも手紙には「残暑」と書きます。「もう夏は終わった」という扱いなのです。
その理由は二十四節気(にじゅうしせっき)です。1年を24に分け、約15日ごとに「立春」「夏至」「立秋」のような名前をつけた、季節の目印です。立春・立夏・立秋・立冬が、それぞれ春・夏・秋・冬の始まり。だから立秋を過ぎれば、暦の上ではもう秋です。
日本郵便の文例にも「立秋を過ぎたとはいえ、焼けつくような暑さが続きますが」という書き出しがあります。暦と体感のずれを、そのまま言葉にしているわけです。
二十四節気の日付は、年によって1日ほど前後します。正確な日は国立天文台の暦要項で確かめられます。
2上旬・中旬・下旬はどう分ける?
「月ごとの一覧はあるけれど、同じ月でも上旬と下旬で変えたい」。そんなときも二十四節気が役に立ちます。節気は毎月4〜8日ごろと19〜24日ごろに1つずつ来るので、ちょうど旬の切りかえと重なるのです。
たとえば10月なら、8日ごろが「寒露(かんろ)」、23日ごろが「霜降(そうこう)」。上旬は「秋涼の候」、寒露を過ぎた中旬は「寒露の候」や「秋冷の候」、霜降を過ぎた下旬は「紅葉の候」や「霜降の候」と移っていきます。
いちばん切りかえが目立つのは2月です。4日ごろの立春までは冬の言葉、立春を過ぎたら、まだ寒くても「余寒」「春寒」と春の言葉に変わります。日本郵便の文例にある「立春とは名ばかりで」は、まさにこの時期の書き出しです。
下の早見表は代表的な例です。どの言葉をどの旬に入れるかは本によって少しずつ違うので、手紙が相手に届く日の季節に合っていれば大丈夫です。
| 月 | 上旬 | 中旬 | 下旬 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 新春の候・初春の候 | 厳寒の候(小寒=5〜6日ごろのあと) | 大寒の候(大寒=20日ごろ〜) |
| 2月 | 立春の候(立春=4日ごろ〜) | 余寒の候 | 梅花の候・春寒の候 |
| 3月 | 早春の候 | 啓蟄の候・春暖の候 | 春分の候(春分=20〜21日ごろ〜) |
| 4月 | 陽春の候 | 桜花の候・春爛漫の候 | 晩春の候・穀雨の候(20日ごろ〜) |
| 5月 | 立夏の候(5〜6日ごろ〜)・新緑の候 | 薫風の候 | 向暑の候・小満の候(21日ごろ〜) |
| 6月 | 芒種(ぼうしゅ)の候(6日ごろ〜)・麦秋の候 | 梅雨の候・入梅の候 | 夏至の候(21日ごろ〜) |
| 7月 | 小暑の候(7日ごろ〜) | 盛夏の候 | 大暑の候(22〜23日ごろ〜)・炎暑の候 |
| 8月 | 晩夏の候(立秋の前)・立秋の候(7〜8日ごろ〜) | 残暑の候 | 処暑の候(23日ごろ〜) |
| 9月 | 初秋の候・新秋の候 | 白露の候(7〜8日ごろ〜)・爽秋の候 | 秋分の候(22〜23日ごろ〜)・秋晴の候 |
| 10月 | 秋涼の候・清秋の候 | 寒露の候(8日ごろ〜)・秋冷の候 | 霜降の候(23〜24日ごろ〜)・紅葉の候 |
| 11月 | 晩秋の候 | 立冬の候(7〜8日ごろ〜)・初冬の候 | 小雪の候(22日ごろ〜)・向寒の候 |
| 12月 | 師走の候・寒冷の候 | 大雪の候(7日ごろ〜)・歳末の候 | 冬至の候(21〜22日ごろ〜)・歳晩の候 |
3「〜の候」と口語のあいさつ、どう使い分ける?
時候のあいさつには2つの形があります。
・漢語調:「秋冷の候」「盛夏の候」など。「候(こう)」は時期のこと。ビジネス文書や改まった手紙に使います。
・口語調:「朝晩は少し肌寒くなってまいりましたが」など。個人あての手紙や、やわらかく書きたいビジネスメールに向いています。
置く場所は、頭語(拝啓など)のすぐあとです。ビジネスなら「拝啓 秋冷の候 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」のように、相手の繁栄や健康を喜ぶ言葉を続けます。「前略」で始める手紙では、時候のあいさつは省きます。
4やわらかい口語のあいさつ 季節別の例
「〜の候」は堅すぎる、というときは、目に浮かぶ景色を一言そえます。
・春:「日ざしに春のぬくもりを感じるころとなりました」「桜の便りがあちこちから届く季節になりました」
・梅雨:「紫陽花が雨にぬれて色を深めております」
・夏:「蝉の声がにぎやかな毎日ですが」「暑さが本番を迎えましたが」
・立秋のあと:「暦の上では秋とはいえ、暑い日が続いておりますが」
・秋:「朝夕はめっきり涼しくなりました」「街路樹が少しずつ色づいてまいりました」
・冬:「木枯らしが身にしみる季節となりました」「年の瀬も押しせまってまいりましたが」
梅雨入りや紅葉の時期は地域で違うので、相手の住む地域に合わせると、ていねいな印象になります。
5卒業式の答辞・メールの返信ではどうする?
卒業式の答辞や謝辞は、手紙ではなく話すあいさつです。2月下旬〜3月なら「まだ寒さの残る中にも、春の訪れを感じる季節となりました」のように、口語調で始めると聞きやすくなります。
時候のあいさつが入ったメールをもらったときは、同じように時候で返す必要はありません。「ご丁寧なごあいさつをありがとうございます」と受けて、本題に入れば十分です。ふだんのビジネスメールでは、時候のあいさつを省いて「いつもお世話になっております」から始めることが多くなっています。
❓FAQあわせてよく聞かれる質問
10月の時候のあいさつは?
上旬は「秋涼の候」、寒露(8日ごろ)を過ぎた中旬は「秋冷の候」、霜降(23日ごろ)を過ぎた下旬は「紅葉の候」が代表的です。口語なら「朝夕はめっきり涼しくなりました」など。
9月に「残暑」と書いてもいい?
9月上旬なら使えます。「残暑」は立秋を過ぎた暑さのことなので、暑さが残っていれば9月初めまでは自然です。中旬からは「初秋」「爽秋」に切りかえると季節に合います。
ビジネスメールにも時候のあいさつは必要?
ふだんのメールでは省いて「いつもお世話になっております」から始めることが多いです。お礼状や案内状など、改まったメールではやわらかい口語の時候のあいさつを入れると印象がよくなります。
月の変わり目に出す手紙は、どの月の言葉にする?
書いた日ではなく、相手に届く日の季節に合わせます。月末に出して翌月に届くなら、翌月の言葉を選びましょう。
🔗この疑問とセットで調べられている
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- 第9位暑中見舞いと残暑見舞いの切りかえはいつ?立秋(8月7日ごろ)で切りかえ。前日までが暑中見舞い、立秋から8月末までが残暑見舞い。🎎
- 第6位寒中見舞いはいつからいつまで?松の内明け(1月8日、関西などは16日)から立春の前日=節分まで。過ぎたら余寒見舞い。🎍
- 第50位年賀状の「去年」「昨年」、どっちが正しい?年賀状は「昨年」か「旧年」。「去年」は「去る」が忌み言葉なので避ける。「本年」「今年」はどちらも可。💌
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