「ご愁傷様」の使い方と、言われたときの返し方 メールやLINEでの書き方も
1「愁傷」の意味:600年前の本に「孔子愁傷す」
「愁傷(しゅうしょう)」は、嘆き悲しむことです。『日本国語大辞典』によると、古い例は1420年の『論語抄』。かわいがっていた弟子の顔回(がんかい)が亡くなり、「孔子愁傷す」と書かれています。人の死を深く悲しむ、重い言葉だったのです。
そこに「ご」と「様」がついた「ご愁傷様」は、「あなたの悲しみを、お気の毒に思います」という意味になります。『デジタル大辞泉』は、身内を亡くした人へのお悔やみの語と説明しています。明治時代の落語にも「誠に御愁傷様で御坐います」という口上が出てきます。
ただし、この言葉にはもう1つの顔があります。「休日にも出勤とはご愁傷様」のように、軽いからかいにも使われるのです(『デジタル大辞泉』)。この二つめの意味が、メールやLINEで使うときの落とし穴になります。
2いつ・だれに・どう言う? 上司にも使える
「ご愁傷様です」は、通夜・葬儀・弔問で、亡くなった人の家族に会ったときに使います。尊敬の「ご」と「様」がついた言葉なので、上司や目上の人にも使えます。もっとていねいにするなら「このたびはご愁傷様でございます」です。
言うときは、小さめの声で短く。長い話はせず、「このたびはご愁傷様でございます。心からお悔やみ申し上げます」くらいで十分です。死因をくわしく聞くのはやめましょう。「たびたび」「重ね重ね」のような重ね言葉も、不幸が重なるのを思わせるので避けます。
まだ亡くなっていない人には使いません。友だちから「祖母が危篤で実家に帰る」と連絡が来たときは、「心配だね。気をつけて行ってきてね」のように、相手を気づかう言葉をかけます。
3言われたら何と返す? 喪主・遺族の返し方
通夜や葬儀では、何十人もの人から次々に「ご愁傷様です」と言われます。一人ひとりに長く答える必要はありません。
・「恐れ入ります」
・「ありがとうございます」
・「痛み入ります」(ていねい)
・「お忙しいところ、ありがとうございます」
・「生前は大変お世話になりました」(故人と親しかった人に)
どれも、来てくれたこと・気にかけてくれたことへのお礼です。悲しくて言葉が出ないときは、黙って頭を下げるだけでも気持ちは伝わります。
親族の立場で、自分の祖母や義理の祖母が亡くなったときに言われた場合も同じです。「ありがとうございます」と返して、かまいません。
| 言われた言葉 | 返し方の例 |
|---|---|
| このたびはご愁傷様でございます | 恐れ入ります/ありがとうございます |
| 心からお悔やみ申し上げます | ご丁寧にありがとうございます |
| お力落としのないように | ありがとうございます。お気づかい痛み入ります |
| (故人の友人・同僚から) | 生前は大変お世話になりました |
| (遠くから来てくれた人に) | 遠いところ、ありがとうございます |
| (メールやLINEで) | ご丁寧にありがとうございます。落ち着いたら改めて連絡します |
4メールやLINEで「ご愁傷様」はNG? 文章で送るなら
「ご愁傷様です」は話し言葉です。メールや弔電では使わないのがふつうで、文章では「心よりお悔やみ申し上げます」を使います。
もう1つの理由が、先ほどの「からかい」の意味です。声の調子や表情が伝わらない文字だけのやりとりで「ご愁傷様」と送ると、ふざけているように受け取られることがあります。友だちのペットが亡くなったと聞いて「ええっ!ご愁傷様です」と返すのも、同じ理由で誤解されやすい言い方です。
親しい友だちなら、LINEで送っても失礼ではありません。そのときは短く、返信の負担をかけない一言を添えます。
・「突然のことで驚きました。心からお悔やみ申し上げます。返信は気にしないでね」
・「大変だったね。落ち着いたら、また話を聞かせてね」
5宗教によって避けたい言葉
お悔やみの定番「ご冥福をお祈りします」の「冥福」は、仏教の言葉です。浄土真宗では「冥福を祈る」という言い方は適切でないとされ、キリスト教や神道では「冥福」「成仏」「供養」などの仏教の言葉を避けます。
相手の宗教や宗派がわからないときは、「お悔やみ申し上げます」を使えば安心です。会って言うなら「ご愁傷様です」、文章なら「お悔やみ申し上げます」と覚えておくと迷いません。
❓FAQあわせてよく聞かれる質問
「ご愁傷様」は上司や目上の人に使える?
使えます。「ご」と「様」がついた敬った言い方です。よりていねいにするなら「このたびはご愁傷様でございます」と言います。
メールで「ご愁傷様です」と送ってもいい?
文章では使わないのが一般的です。「心よりお悔やみ申し上げます」と書きます。からかいの意味にも取られるおそれがあるからです。
「ご愁傷様」と言われたときの返事は?
「恐れ入ります」「ありがとうございます」と短く返せば十分です。言葉が出ないときは、頭を下げるだけでも失礼になりません。
「ご愁傷様」に皮肉の意味があるって本当?
本当です。辞書にも「休日にも出勤とはご愁傷様」のような軽いからかいの使い方が載っています。お悔やみでは、まじめな場面で会って言うときだけ使いましょう。
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