御朱印とは? スタンプラリーと何が違う? 失礼にならないもらい方と御朱印帳のマナー
1御朱印のはじまり:もとは「お経を納めた受け取り」
御朱印の起源は、奈良・平安時代にさかのぼるとされます。人々は手で書き写したお経(写経)を神社やお寺に納め、その受け取りとして書付をもらいました。これが御朱印のもとです。だから今でも、御朱印を受けることを「納経(のうきょう)」と呼ぶお寺があります。
やがて、お経を納めずにお参りしただけの人にも、証を書いてもらえるようになりました。明治時代に鉄道が全国に広がると、寺社めぐりと御朱印集めが盛んになり、案内本や旅行記も出版されます。
意外なのは名前です。神社本庁によると、「御朱印」という呼び名が見られるようになったのは昭和10年(1935年)ごろから。千年以上の歴史がある習慣なのに、呼び名は100年もたっていないのです。2010年代の半ばからはブームになり、観光協会や鉄道会社が御朱印めぐりのイベントを開くほどになりました。
2スタンプラリーと何が違う? 「失礼」と言われる本当の理由
見た目が似ていても、御朱印と記念スタンプは別のものです。記念スタンプは自分で押しますが、御朱印は神職やお坊さんなど寺社の人が、参拝した人のために書いたり押したりするもの。神様や仏様にお参りした証なので、「集める」こと自体が悪いわけではありません。
問題になるのは、参拝そっちのけの行動です。実際にこんなことが起きています。
・2019年5月、東京の浅草神社が、三社祭の特別な御朱印の授与を中止。集める人による暴言が続いたためでした。
・限定の御朱印がネットオークションで高値で転売され、書き置き(紙に書いた御朱印)をやめた寺社や、授与そのものをやめた神社もあります。
浄土真宗の寺院の多くは、御朱印を出していません。京都の東本願寺も授与しておらず、真宗大谷派は「1回行って手に入れたら2度と行かない」とも取れる朱印は不要、という考えを示しています。お参りより「もらうこと」が目的になってしまうのを、寺社の側も心配しているのです。
「スタンプラリーみたい」と言われないコツは、たった一つ。お参りを先にすませることです。
| こんなとき | マナーとしては |
|---|---|
| 参拝せずに御朱印だけもらう | NG。先にお参りする |
| 御朱印を転売・フリマに出す | NG。授与中止の原因にもなっている |
| 神社とお寺を同じ帳面に | 決まりはないが、断る寺社もある。迷ったら分ける |
| 家族で一冊を共有 | 禁止の決まりはない。一人一冊が分かりやすい |
| 書き置きを貼る | OK。のりで貼ってよい |
| ノートやメモ帳に書いてもらう | 断られることが多い。御朱印帳を持参 |
3失礼にならない御朱印のもらい方
初めてでも、次の順番を守れば安心です。
・まずお参り:神社なら手水で清めて、二礼二拍手一礼。お寺なら手を合わせて一礼。
・授与所(社務所・納経所)へ:「御朱印をお願いします」と、御朱印帳を書いてほしいページを開いて渡します。カバーやしおりは外しておくと親切です。
・お金を納める:金額は寺社が決めて掲示しているので、それに従います。おつりのいらないよう小銭を用意しておきましょう。
・静かに待つ:書いている人の手元をのぞきこんだり、急かしたりしないこと。
御朱印帳を忘れたときは、書き置き(紙に書かれた御朱印)を用意している寺社もあります。あとで御朱印帳にのりで貼ればOKです。ノートやメモ帳には書いてもらえないことが多いので、御朱印帳を持っていきましょう。
伊勢神宮では、外宮・内宮それぞれの神楽殿で御朱印をいただけます。昔から外宮を先に、内宮を後にお参りするのが習わしなので、御朱印もその順で、お参りのあとにいただくのが自然です。
4御朱印帳のマナー:神社とお寺は分ける? 家族で一冊は?
よくある迷いを、ひとつずつ見ていきます。
神社とお寺をいっしょにしていい? 全国共通の決まりはありません。神社とお寺がいっしょだった神仏習合の時代を思えば、混ざっていてもおかしくはないのです。ただし、泉岳寺や調神社のように、神社とお寺の御朱印が混ざった帳面には書かない寺社が実際にあります。日蓮宗系のお寺の一部も、ほかの宗派や神社の御朱印がある帳面を断ることが多いとされます。迷ったら、神社用とお寺用に分けるのがいちばん安全です。
家族で一冊はダメ? 禁止する決まりは見当たりません。ただ、御朱印は「その人が参拝した証」なので、だれがいつお参りしたかわかるよう、一人一冊にする人が多いようです。
ページを飛ばしてもいい? 書いてほしいページを開いて渡せば、そこに書いてもらえます。見開きで書く寺社もあるので、迷ったら「どこに書けばいいですか」と聞けば大丈夫です。
切り取って別の帳面に貼るのは? これも決まりはありませんが、直接書いていただいたものは、そのまま大切に残すほうが気持ちのよい扱い方です。
❓FAQあわせてよく聞かれる質問
御朱印を集めるのに意味はある? 意味がないって本当?
御朱印はお参りした証なので、集めるほど神様や仏様と出会った記録が増えていきます。数を競う物ではありませんが、旅の思い出をふり返る大切な一冊になります。
いただいた御朱印帳はどこに置く?
決まりはありませんが、お札やお守りと同じように粗末にしない物として、神棚や仏壇、本棚の高い所などに置く人が多くいます。
御朱印帳はどこで買う?
多くの神社やお寺の授与所で、その寺社の御朱印帳を受けられます。文房具店や書店でも売っています。どこで買ったものでも使えます。
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