神社とお寺の違いは? 鳥居・お坊さん・拍手で見分ける、まつる相手の違い
1いちばんの違いは「まつる相手」:神様と仏様
「神社もお寺も仏教でしょ?」と思っている人は少なくありません。でも、宗教からしてちがいます。
神社は、日本で古くから続く神道(しんとう)の場所です。まつるのは、山や岩や大きな木に宿る神様、土地を守る氏神様、天皇や武将など人が神様になった存在までさまざま。大昔は建物がなく、山や森そのものを神聖な場所としておまつりしていたと考えられています。
お寺は、インドで生まれ、6世紀に日本へ伝わった仏教の場所です。辞典の説明では、仏像を安置し、お坊さんが住んで修行や儀式を行うところ。お寺の本堂に入ると、正面に仏様の像が見えます。神社の本殿にまつられるご神体は鏡などで、多くはふだん人の目にふれません。
文化庁の『宗教年鑑』によると、2024年12月31日の時点で、宗教団体としての神社は80,570、寺院は76,390。合わせておよそ15万7千の神社とお寺が、日本中にあるのです。
2見た目で見分ける:鳥居・山門・お墓
入口から見分けるなら、まず鳥居を探します。鳥居は、神様のいる場所(神域)の入口を示す門です。鳥居があれば、ほぼ神社と思ってまちがいありません。お寺の入口は山門で、屋根のついた建物の門が多く、左右に仁王像が立っているお寺もあります。
ほかにも、次のような手がかりがあります(下の表)。
・名前:「〇〇神社」「〇〇神宮」「〇〇大社」「〇〇八幡宮」は神社。「〇〇寺」「〇〇院」、成田山・川崎大師のような「〇〇山」「〇〇大師」、「〇〇不動尊」はお寺
・人:神社には神職(神主さん)と巫女さん、お寺にはお坊さん
・お墓:お寺の境内や裏には墓地があることが多く、神社にはほとんどありません
お寺にお墓が多いのは、江戸時代の寺請制度の名残です。幕府は人々をどこかのお寺の檀家にさせ、お寺がお葬式やお墓を受け持つ形が全国に広がりました。
| 神社 | お寺 | |
|---|---|---|
| 宗教 | 神道 | 仏教 |
| まつる相手 | 神様(自然・氏神・人物など) | 仏様(仏像) |
| 入口 | 鳥居 | 山門(仁王像があることも) |
| 名前の例 | 〇〇神社・神宮・大社・八幡宮 | 〇〇寺・院・山・大師・不動尊 |
| いる人 | 神職(神主)・巫女 | 僧侶(お坊さん) |
| お参り | 二礼二拍手一礼(神社によって違う) | 合掌して一礼(拍手しない) |
| お墓 | ほとんどない | あることが多い |
| いただけるもの | お守り・お札・御朱印 | お守り・お札・御朱印 |
3お参りのしかたの違い:拍手を打つのは神社だけ
神社では、神社本庁が示す二礼二拍手一礼(深いおじぎを2回、拍手を2回、おじぎを1回)が基本です。ただし作法は神社によってちがい、たとえば出雲大社は二礼四拍手一礼。年に1度の大きなお祭りでは、なんと八拍手です。
お寺では、拍手は打たず、胸の前で静かに手を合わせて(合掌)一礼するのが一般的です。仏教には全宗派共通の決まった拝み方はなく、宗派によってお経や作法もちがいます。
意外なのは、神社の二礼二拍手一礼もそれほど古い習慣ではないことです。宗教学者の島田裕巳さんによると、もとは明治時代の神職の作法で、一般に広まったのは戦後に神社本庁がすすめてから。1990年ごろの初詣の映像では、神社でも手を合わせるだけの人がほとんどだったそうです。
うっかりお寺で拍手してしまっても、とがめられることはまずありません。心をこめて祈ることがいちばん大切です。
4なぜ神社とお寺は似ている? 1000年以上「いっしょ」だった
神社とお寺がまぎらわしいのには、ちゃんと理由があります。日本では長いあいだ、神様と仏様をいっしょに信じる神仏習合(しんぶつしゅうごう)が当たり前でした。神社の中にお寺が建ち、お坊さんが神様にお経をあげる。そんな光景がふつうだったのです。
2つがはっきり分けられたのは、明治元年(1868年)の神仏判然令からです。神社に仕えていたお坊さんは僧をやめるよう命じられ、仏像を神社のご神体にすることも禁じられました。島田さんは、鎌倉の鶴岡八幡宮からも、このとき仏教のものが取り除かれた、と紹介しています。
今でも、お寺の境内に鳥居や小さなお社があったり、神社の近くに同じ名前のお寺があったりするのは、その時代のなごりです。
文化庁の統計では、日本の信者数の合計は約1億7500万人。日本の人口より多いのは、多くの人が神社の氏子として、同時にお寺の檀家としても数えられているためと考えられます。日本人にとって、神社とお寺は「どちらか」ではなく「どちらも」なのです。
5初詣・厄除け・お葬式はどっち? 子どもへの説明のしかた
初詣は、神社でもお寺でもかまいません。初詣の人出が多いことで知られる川崎大師や成田山新勝寺はお寺です。厄除けも、神社では「厄払い」、お寺では「厄除け祈願」として、どちらでも受けられます。七五三やお宮参りは神社が多く、お葬式とお墓は、仏式でお寺にお願いする家が多数派です。
小さな子どもに説明するなら、こんな言い方がわかりやすいでしょう。
・神社は、日本の神様のおうち。入口に鳥居があって、パンパンと手をたたいてごあいさつするよ。
・お寺は、仏様のおうち。お坊さんがいて、手をたたかずに、そっと手を合わせるよ。
迷ったときは、入口で鳥居を探すこと。お参りの作法がわからなければ、周りの人や案内の掲示に合わせるのがいちばん安全です。
❓FAQあわせてよく聞かれる質問
神社とお寺、初詣はどっちに行けばいい?
どちらでもかまいません。近所の氏神様の神社でも、人出の多い有名なお寺でも、初詣になります。
お寺で拍手をしてしまった。失礼?
とがめられることはまずありません。お寺では拍手をせず手を合わせるのが一般的なので、次から合わせれば十分です。
神社とお寺は英語で何と言う?
神社は shrine(Shinto shrine)、お寺は temple(Buddhist temple)です。英語の案内や地図でもこの2語で区別されています。
お寺に鳥居があるのはなぜ?
神社とお寺がいっしょだった神仏習合の時代のなごりです。お寺の守り神として、境内に小さなお社と鳥居をまつっているお寺もあります。
神社とお寺の両方にお参りしてもいい?
かまいません。日本では1000年以上、神様と仏様をいっしょに信じてきました。同じ日に両方へお参りする人もたくさんいます。
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