勉強法の常識No.S43
試験前の不安は、紙に書き出すと成績が上がるって、ホント?

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先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:ホント
大事な試験の直前に、心配ごとを10分ほど書き出すと、成績が上がった実験があります。不安の強い人ほど効果が大きく出ました。
ホントとは… 複数の研究でおおむね支持されている常識です。
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ある高校で、9年生(日本の中学3年生にあたる学年)が、高校に入って初めての期末試験を迎えようとしていました。科目は生物です。
試験の直前、生徒たちに封筒が配られました。中の指示は2種類あります。ひとつは、「これから受ける試験について、いまの気持ちを書いてください」。もうひとつは、「試験に出ない話題について考えてください」。どちらの封筒が当たるかは、くじ引きのようなものです。
封筒の中の指示
これは、シカゴ大学の心理学者ラミレスとベイロックが2011年に科学誌『サイエンス』で報告した研究のひとつです。生徒たちの試験不安の強さは、試験の6週間前に測ってありました。
結果ははっきりしていました。ふだんから試験で不安になりやすい生徒のうち、試験について書かなかった生徒の平均はBマイナス。書いた生徒はBプラスでした。書いた生徒は、不安の少ない同級生と変わらない成績を取っていました。
大学の実験室でも、同じことが確かめられました。20人の大学生が、短い数学のテストを2回受けます。2回目の前には、プレッシャーがかけられました。成績の良い人にはお金が出る。チームの仲間の報酬もあなたの成績しだい。解いている様子はビデオに撮って、数学の先生たちが見る。そう伝えたのです。
そのうえで、半分の学生は10分間、テストについての気持ちを書きました。残りの半分は、静かに座って待ちました。座っていただけの学生は、プレッシャーの中で正答率が12ポイントほど下がりました。書いた学生は、逆に5ポイントほど上がりました。
不安は、頭の作業台を占領する
なぜ、書くだけで成績が変わるのでしょうか。研究チームが注目したのは、ワーキングメモリでした。計算の途中の数字を覚えておいたり、問題の条件を見比べたりするときに使う、頭の中の作業台のようなものです。この作業台は、広くありません。
大事な試験の前には、「失敗したらどうしよう」「落ちたら親に何と言われるだろう」といった心配がわいてきます。この心配が作業台の場所を取ってしまうと、肝心の問題を解くための場所が足りなくなる。研究チームは、こう考えました。心配を先に紙の上に出してしまえば、作業台を問題のために使えるというわけです。
書くのは、試験の心配そのもの
大事なのは、何について書くかです。研究チームは、書くことそのものではなく、試験についての考えや気持ちを書くことが効いていると報告しています。また、効果がいちばん大きかったのは、もともと不安の強い学生でした。
反対の意見もあります。この論文には、同じ雑誌に、すべての生徒に勧めるのは慎重にという趣旨の投書が寄せられ、著者たちが答えています。不安の少ない人にまで同じ効果があるとは限りません。
本番前の10分の使い方
試験の直前の10分を、多くの人は単語帳の最後の見直しに使います。もちろん、それも悪くありません。ただ、心臓がどきどきして、何を見ても頭に入らないと感じるなら、その10分の使い方を変えてみる価値があります。
原田英語のおすすめは、試験の前に、心配なことをそのまま紙に書き出すことです。きれいな文章にしなくてかまいません。誰かに見せる必要もありません。書き終えたら紙を裏返して、試験に向かいましょう。
参考文献
Ramirez G., Beilock S. (2011). Writing About Testing Worries Boosts Exam Performance in the Classroom. Science, 331, 211-213.
doi.org/10.1126/science.1199427✓ 実在と内容を確認済み
University of Chicago News (2011, January 13). Writing about worries eases anxiety and improves test performance.
news.uchicago.edu/story/writing-about-worries-eases-anxiety-and-improves-test-performance✓ 実在と内容を確認済み
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