勉強法の常識No.S33
絵が下手でも、描いて覚えると記憶に残るって、ホント?

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先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:ホント
単語を絵に描くと、何度も書き写すよりずっと覚えやすくなります。絵の上手さは関係ありませんでした。
ホントとは… 複数の研究でおおむね支持されている常識です。
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画面に、単語がひとつ出てきます。持ち時間は40秒。そのあいだに、その単語の絵を描くか、その単語を何度もくり返し書くかのどちらかをします。
カナダのウォータールー大学で行われた実験で、学生たちが取り組んだ課題です。出てくるのは、簡単に絵にできる身近な言葉ばかりでした。
描いた単語は、書いた単語の2倍
リストが終わると、少し別の作業をはさんでから、覚えている単語をできるだけ書き出してもらいます。
2016年、ワムズ、ミード、フェルナンデスの3人は、この結果を「描画効果」として発表しました。描いた単語のほうが、書いた単語より、はっきりよく思い出されたのです。大学の発表によると、参加者は描いた単語を、書いた単語の2倍以上思い出すことも多かったといいます。
そして、描いた絵の出来ばえは、思い出しやすさにはほとんど関係がないようでした。大学は、絵の才能に関係なく、誰でもこの方法の恩恵を受けられるだろう、と伝えています。
深く考えたから、ではない
研究チームは、全部で7つの実験を行いました。目的のひとつは、「描くと覚えやすい」理由を確かめることでした。
まず思いつくのは、描くには単語の意味をよく考える必要があるから、という説明です。そこで、意味を深く考えながら覚える方法と比べました。次に、頭の中でその物の姿を思い浮かべる覚え方とも比べました。さらに、絵そのものが言葉より覚えやすいだけかもしれないので、絵を見て覚える方法とも比べました。
どの比較でも、描くほうが上回りました。意味を考えること、イメージを浮かべること、絵を見ること。それぞれ一つだけでも、全部を合わせても、描画効果は説明しきれませんでした。
時間を減らしても、リストを長くしても
研究チームは、効果が消える条件も探しました。描く時間を短くし、覚える単語の数を増やしてみたのです。それでも、描くほうが書くより覚えていました。
最後の実験では、描くだけの人と書くだけの人を、別々のグループにして比べました。同じ人が両方をすると、描いた単語だけが目立って覚えやすくなる可能性があるからです。それでも効果ははっきり残りました。
では、なぜ描くと覚えやすいのでしょうか。研究チームは、描くときには、言葉の意味、目で見た形、手の動きという3種類の情報が、一つの記憶にまとまるからだと考えています。
用語の定義にも使える
この実験で使われたのは、簡単に描ける単語でした。「正義」や「確率」のような抽象的な言葉にも使えるのかは、気になるところです。
2018年、フェルナンデスらは、それまでの研究をまとめた論文を書きました。それによると、描くことは単語や絵だけでなく、教科書に出てくる用語の定義を覚えるのにも役立ちました。描くことは、書き写したり、なぞったりするよりも効果が大きかったといいます。
原田英語のおすすめは、覚えにくい単語や用語に出会ったら、ノートの余白に10秒ほどで簡単な絵を描くことです。棒人間でも矢印でもかまいません。大事なのは上手に描くことではなく、意味を形にして手を動かすことです。
参考文献
Wammes J., Meade M., Fernandes M. (2016). The drawing effect: Evidence for reliable and robust memory benefits in free recall. Quarterly Journal of Experimental Psychology, 69, 1752-1776.
doi.org/10.1080/17470218.2015.1094494✓ 実在と内容を確認済み
University of Waterloo (2016). Need to remember something? Better draw it, study finds. University of Waterloo News.
uwaterloo.ca/news/news/need-remember-something-better-draw-it-study-finds✓ 実在と内容を確認済み
Fernandes M. A., Wammes J. D., Meade M. E. (2018). The Surprisingly Powerful Influence of Drawing on Memory. Current Directions in Psychological Science, 27(5), 302-308.
doi.org/10.1177/0963721418755385✓ 実在と内容を確認済み
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