勉強法の常識No.S08
同じタイプの問題をまとめて解く方が身につくって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:ウソ
単元ごとにまとめて解くより、いろいろな問題を混ぜて解いたほうが、1週間後のテストでずっとよい成績になりました。
ウソとは… 研究の結果、この常識は支持されません。逆効果のこともあります。
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数学の問題集を開くと、たいていこう並んでいます。たとえば三角形の面積を習ったら、そのあとに三角形の面積の問題がずらり。次の単元で円の面積を習ったら、今度は円の面積の問題がずらり。
2007年、ローラーとテイラーは、この並べ方に目を向けました。多くの数学の教科書では、練習問題のほとんどが、直前に習った単元の問題です。ところが、ごく一部の教科書は、練習問題をわざとシャッフルしています。それまでに習ったいろいろな単元の問題が、1回分の練習の中に混ざっているのです。
どちらの並べ方がよいのか。2人は、大学生を対象にした2つの実験で確かめました。
1週間後のテストで、大差がついた
ふつうの並べ方とシャッフルした並べ方には、大きな違いが2つあります。同じ種類の問題を一度にまとめて解くか、何回かに分けて解くか。そして、同じ種類の問題を続けて解くか、ほかの種類と混ぜて解くかです。
1つ目の実験では、1種類の問題の解き方を習ったあと、練習問題を1回にまとめて解くグループと、何回かに分けて解くグループを比べました。1週間後のテストでは、分けて解いたグループの成績がずっとよくなりました。
2つ目の実験では、何種類かの問題の解き方を習ったあと、練習問題を種類ごとにまとめて解くグループと、ばらばらに混ぜて解くグループを比べました。1週間後のテストでは、混ぜて解いたグループの成績が、はるかに上でした。
どちらの実験でも、シャッフルした並べ方のほうがよい結果になったのです。
まとめて解くと、抜け落ちる練習
まとめて解く練習には、見落とされやすい弱点があります。次の問題でどの解き方を使うかが、最初からわかっていることです。円の面積の問題が続いていれば、次も円の面積だと見当がつきます。だから練習中はすらすら解けて、「できる」と感じます。
ところが本番のテストでは、問題がばらばらに出てきます。まず、この問題にはどの解き方を使うのかを、自分で決めなければなりません。まとめて解く練習には、この判断をする場面がほとんどありません。混ぜて解く練習では、毎回この判断をくり返すことになります。混ぜて解く効果の大きな理由は、ここにあると考えられています。
絵の見分けでも同じだった
混ぜて学ぶ効果は、数学だけで見られたものではありません。2008年、コーネルとビョークは、何人かの画家の絵を見て、それぞれの作風を覚える実験をしました。同じ画家の絵を続けて見るグループと、いろいろな画家の絵を混ぜて見るグループを比べたのです。そのあと、初めて見る絵を見せて、どの画家の作品かを当ててもらいました。
成績がよかったのは、混ぜて見たほうでした。ただし参加者は、続けて見たほうが効果的だったと評価していました。
問題集を、自分でシャッフルする
市販の問題集の多くは、単元ごとに並んでいます。問題集を替える必要はありません。解く順番を変えればいいのです。
原田英語のおすすめは、週に1回「混ぜる日」を作ることです。それまでに解いた問題集から、いろいろな単元の問題を少しずつ選び、順番をばらばらにして解きます。ページ番号だけを書いたメモを作り、それを見ながら解けば、次がどの単元かはわかりません。
混ぜて解くと、はじめは正答率が下がるかもしれません。それでも、問題を見て解き方を選ぶ力は、こうした練習で育っていきます。
参考文献
Rohrer D., Taylor K. (2007). The shuffling of mathematics problems improves learning. Instructional Science, 35, 481-498.
doi.org/10.1007/s11251-007-9015-8✓ 実在と内容を確認済み
Kornell N., Bjork R. (2008). Learning Concepts and Categories. Psychological Science, 19, 585-592.
doi.org/10.1111/j.1467-9280.2008.02127.x✓ 実在と内容を確認済み
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