数字でわかるNo.N30
本を読む量と言葉の力の結びつきは、学年が上がるほど強くなるって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:ホント
99の研究をまとめると、自由に読む本の量と言葉の力の結びつきは、学年が上がるほど強くなっていました。
ホントとは… 複数の研究でおおむね支持されている常識です。
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12、13、19、30、34。
だんだん大きくなっていくこの数字は、ある分析から出てきたパーセントです。幼児、小学生、中学生、高校生、大学生と、年齢が上がるにつれて、何かの割合がこう増えていきました。
何の割合かというと、話し言葉の力の個人差のうち、「授業の外で、どれだけ本を読んでいるか」で説明できる部分の大きさです。
自由に読んだ本の量を数える
2011年、モルとブスは、読書の量と言葉の力の関係を調べた研究を、まとめて分析しました。集めたのは99の研究で、参加者は合わせて7,669人。対象は、就学前の幼児から、大学生までです。
ここで言う読書は、授業や宿題で読まされるものではありません。休み時間や家で、自分から手に取って読む本のことです。
結果は、どの年齢でも、読書の量が多い人ほど、文章を理解する力、文字をすらすら読む力、つづりを正しく書く力が高い傾向でした。結びつきの強さは、中くらいから強いものまでありました。
そして、話し言葉の力との結びつきは、年齢とともに強くなっていきました。読書の量で説明できる部分が、幼児では12%、小学校で13%、中学校で19%、高校で30%、大学では34%。冒頭の数字は、これです。
読書の量は、学校の成績全体とも、中くらいの強さで結びついていました。よく読む人ほど、勉強もうまくいっている傾向があったということです。
読める人が読み、読む人が伸びる
なぜ、年齢が上がるほど結びつきが強くなるのでしょうか。モルとブスは、「上向きのらせん」という考え方で説明しています。
文章を理解したり、すらすら読んだりする力がある子ほど、読むのが楽なので、たくさん読みます。たくさん読むと、さらに読む力が伸びます。すると、もっと読むようになる。これが1年ごとにくり返されるので、読む子と読まない子の差は、学年が上がるほど広がっていく、というわけです。
ただし、この分析で集めたのは、読書量と力の「結びつき」を調べた研究です。らせんは結果をうまく説明する考え方ですが、読書をすれば必ず力が伸びると、実験で確かめたものではありません。
苦手な人にも、読む意味はある
らせんの話を聞くと、「もう読書好きの人には追いつけない」と思うかもしれません。でも、分析にはもう1つ、心強い結果がありました。読むのが苦手な子どもも、自分で選んで自由に読むことで、得るものがあったようなのです。
モルとブスは、まだ自分で字を読めない幼児への読み聞かせも、学校の外での読書経験のひとつだと考えています。読み聞かせから始まって、自分で読むようになるまで、それらは言葉の力を育てるひとつながりの経験だ、というのです。
らせんは、いつからでも上れる
読書の効果は、1週間や1か月では見えません。でも、年ごとに差が広がっていくなら、早く始めて長く続けるほど、得になると考えられます。
原田英語のおすすめは、ジャンルを問わず、好きな本を毎日少しずつ読むことです。英語の勉強なら、やさしい英語で書かれた本を、辞書を引かずに読める量だけ読みます。大切なのは、読むのが楽しいと感じられる本を選ぶことです。楽しければ続き、続けば、らせんは上を向きます。
参考文献
Mol S., Bus A. (2011). To read or not to read: A meta-analysis of print exposure from infancy to early adulthood. Psychological Bulletin, 137, 267-296.
doi.org/10.1037/a0021890✓ 実在と内容を確認済み
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