超絶勉強ハックNo.H28

勉強中と寝ている間に同じ香りをかぐと、記憶が定着しやすいって、ホント?

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読む前に予想この常識、あなたはどう思う?

先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。

判定:半分ホント

勉強中と寝ている間に同じ香りを使うと、単語の記憶が伸びた研究があります。ただ、効かなかった研究もあります。

半分ホントとは… 条件つきで正しい、または言い過ぎの部分がある常識です。

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論文での効果学校での単語学習で、学習中と夜に同じ香りを使うと効果あり(効果量0.6〜1.2)

今日からできるやり方

  1. 勉強中に決まった香りを1つ置く
  2. 同じ香りを寝るときも枕元に置く
  3. その香りは勉強専用にして他で使わない
  4. 火を使うアロマキャンドルは寝室で使わない

眠っているあいだに勉強ができたら、どんなに楽でしょう。2020年に出たある論文は、書き出しで、苦労せずに学ぶことを「だれもが見る夢」と呼んでいます。

寝ながら新しいことを覚えるのは、さすがに無理です。けれども、昼間に覚えたことを、眠っているあいだにしっかり定着させる手助けなら、できるかもしれません。その手がかりとして使われてきたのが、香りです。

深い眠りのときだけ効いた

2007年、ラッシュらは、参加者にある香りをかぎながら記憶の課題をしてもらいました。その夜、眠っている参加者に、同じ香りをもう一度かがせます。

すると、深い眠りのあいだに香りをかいだ場合だけ、言葉で説明できるような記憶が、翌朝まで、よく保たれていました。体で覚える種類の記憶には、効果がありませんでした。

香りを流すタイミングも大事でした。夢をよく見るレム睡眠のときや、起きているときに香りを流しても、効果はありませんでした。覚えるときに香りがなかった場合も、同じく効果なしです。香りは、覚えた場面と眠りとをつなぐ「しおり」のような役目をしていると考えられます。

脳の画像を調べると、深い眠りの最中に香りが届いたとき、記憶にかかわる海馬が働いていました。

このように、眠っているあいだに手がかりを与えて記憶を呼び起こすやり方は、その後たくさん研究されました。2020年、フーらは、91の実験、2004人分の結果をまとめています。

全体の効果量は0.29でした。効果量は効き目の大きさを表す数字で、小さめから中くらいの効果にあたります。効いたのは、深い眠りと、それより少し浅い眠りのときでした。レム睡眠や、起きているときには効きませんでした。

教室と家で試す

では、実験室を出ても使えるのでしょうか。2020年、ノイマンらは、ふつうの学校で、生徒が単語を学ぶときに香りを置き、その夜は一晩中、同じ香りを流しました。眠りの深さを測ったりはしていません。それでも、効果量0.6〜1.2という、実験室の研究に負けない効果が出ました。

2023年には、クネッツェレらが、160人にオンラインで、ドイツ語と日本語の単語のペア40組を覚えてもらいました。使ったのはバラの香りです。覚えるとき、眠るとき、テストのときの3つすべてで香りを使ったグループは、ほかのグループより単語を8.5%多く覚えました。この差は、3日間続けるうちに大きくなりました。研究チームは、少なくとも3日と3晩は続けることを勧めています。

効かなかった研究もある

いっぽう、うまくいかなかった研究もあります。2020年、ヴィルヘルムらは、11〜13歳の子どもに、夜にオランダ語の単語を覚えてもらいました。そして眠っているあいだに、スピーカーから一部の単語を流しました。この年ごろは深い眠りに特有の脳波がとくに多いので、大人より効くと予想していたのですが、翌朝の成績は上がりませんでした。

これは香りではなく音を使った研究ですが、眠りの手がかりがいつも効くわけではないことを示しています。

香りは勉強専用に

試すなら、勉強するときに決まった香りを1つ置き、寝るときにも同じ香りを枕もとに置きます。その香りは勉強専用にして、ほかの場面では使わないほうが、しおりとしての役目がはっきりします。寝室では、火を使うアロマキャンドルは避けましょう。

香りは、覚える作業の代わりにはなりません。昼間にきちんと覚えたことを、夜のうちに少しだけ後押しする。そのくらいの気持ちで使うのがよさそうです。

この記事に出てくる用語
効果量
効果の大きさを表す数字。目安は0.2で小さい、0.5で中くらい、0.8で大きい。

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参考文献

  1. Rasch B., Büchel C., Gais S., Born J. (2007). Odor Cues During Slow-Wave Sleep Prompt Declarative Memory Consolidation. Science, 315, 1426-1429.

  2. Hu X., Cheng L., Chiu M., Paller K. (2020). Promoting memory consolidation during sleep: A meta-analysis of targeted memory reactivation. Psychological Bulletin, 146, 218-244.

  3. Neumann F., Oberhauser V., Kornmeier J. (2020). How odor cues help to optimize learning during sleep in a real life-setting. Scientific Reports, 10, 1227.

  4. Knötzele J., Riemann D., Frase L., Feige B., van Elst L., Kornmeier J. (2023). Presenting rose odor during learning, sleep and retrieval helps to improve memory consolidation: a real-life study. Scientific Reports, 13, 2371.

  5. Wilhelm I., Schreiner T., Beck J., Rasch B. (2020). No effect of targeted memory reactivation during sleep on retention of vocabulary in adolescents. Scientific Reports, 10, 4255.

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