超絶勉強ハックNo.H25
換気をよくすると、頭の働きが良くなるって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:半分ホント
閉め切った部屋の空気は、考える力を下げるかもしれません。ただ、犯人が二酸化炭素そのものかは、研究で結果が分かれています。
半分ホントとは… 条件つきで正しい、または言い過ぎの部分がある常識です。
この記事を音声で聞くGoogle Cloud TTS(Chirp 3 HD)
0:00 / 4:34
論文での効果24人の実験で、換気を強めた日は意思決定テストの総合点が101%高かった
今日からできるやり方
- 30〜60分に1回を目安に、窓を開けて換気する
- 窓とドアを開けて、風の通り道を作る
- 人が多い部屋ほど換気の回数を増やす
- CO2センサーで空気の状態を確かめる
私たちは、時間のおよそ9割を建物の中で過ごしている。ある論文は、こんな数字から話を始めています。
勉強も、たいていは部屋の中です。冬の夜、窓を閉め切った部屋で何時間も机に向かう。そのとき吸っている空気は、考える力にどれくらい関係しているのでしょうか。
二酸化炭素だけを増やした部屋
2012年、アメリカのサティシュらは、22人に事務室のような部屋で過ごしてもらいました。部屋の二酸化炭素(CO2)の濃さは、600ppm、1000ppm、2500ppmの3通り。ppmは、空気100万のうちいくつ分かを表す単位です。
参加者は1日のうちに、2時間半ずつ、3つの濃さを体験しました。換気の量と温度は一定のままで、高い濃さは、純粋な二酸化炭素を部屋に足して作りました。その時の濃さは、参加者にも、テストをする係の人にも知らされていません。
600ppmと比べると、1000ppmでは、判断力のテスト9項目のうち6項目で成績が下がりました。2500ppmでは、7項目で大きく下がりました。著者ら自身は、この結果はさらに確かめる必要がある、と書いています。
「グリーン」なオフィスで6日間
2016年、アレンらは、24人に、管理された事務室で、朝9時から夕方5時まで6日間働いてもらいました。日によって、部屋の空気の条件を変えます。ふつうのオフィスを再現した日、空気中の化学物質を減らした「グリーン」な日、それに加えて外の空気をたっぷり入れて換気を強めた日などです。
頭の働きのテストの点は、ふつうのオフィスの日と比べて、化学物質を減らした日で61%、換気を強めた日では101%高くなりました。2倍ほどです。換気を強めた日は、9つの能力すべてで、ふつうのオフィスの日より点が良くなりました。二酸化炭素と化学物質は、それぞれ別々に点数と関係していました。
二酸化炭素だけなら、変わらなかった
ところが、別の研究チームは違う結果を報告しています。2017年、チャンらは、25人に5つの条件の部屋で、それぞれ4時間あまり過ごしてもらいました。
二酸化炭素を純粋なガスとして足し、3000ppmまで上げた条件では、頭の働きのテストに、はっきりした差は出ませんでした。いっぽう、換気をしぼって、人の体から出るにおいや物質と一緒に二酸化炭素が3000ppmまでたまった条件では違いました。空気がよどんだと感じ、頭痛やだるさ、眠気、頭がすっきりしない感じが強まり、足し算の速さなど一部のテストの成績も下がったのです。
つまり、二酸化炭素そのものより、人がいる部屋にたまっていく「よどんだ空気」全体が問題なのかもしれません。どちらにしても、手を打つ方法は同じです。空気を入れかえることです。
窓を開けるタイミング
ここで紹介した研究は、どれも20人台の小さな実験です。テストの点の差が、そのまま学校の成績の差になるとも限りません。
それでも、換気にはお金がかかりません。30分から1時間に1回を目安に、窓とドアを開けて風の通り道を作りましょう。人が多い部屋ほど、空気は早くよどみます。二酸化炭素の濃さを測る機械を置けば、空気の入れかえどきを数字で知ることもできます。
頭が重くなってきたら、もう1杯のコーヒーより先に、窓を開けてみてください。
参考文献
Satish U., Mendell M., Shekhar K., Hotchi T., Sullivan D., Streufert S., Fisk W. (2012). Is CO2 an Indoor Pollutant? Direct Effects of Low-to-Moderate CO2 Concentrations on Human Decision-Making Performance. Environmental Health Perspectives, 120, 1671-1677.
doi.org/10.1289/ehp.1104789✓ 実在と内容を確認済み
Allen J., MacNaughton P., Satish U., Santanam S., Vallarino J., Spengler J. (2016). Associations of Cognitive Function Scores with Carbon Dioxide, Ventilation, and Volatile Organic Compound Exposures in Office Workers: A Controlled Exposure Study of Green and Conventional Office Environments. Environmental Health Perspectives, 124, 805-812.
doi.org/10.1289/ehp.1510037✓ 実在と内容を確認済み
Zhang X., Wargocki P., Lian Z., Thyregod C. (2017). Effects of exposure to carbon dioxide and bioeffluents on perceived air quality, self-assessed acute health symptoms, and cognitive performance. Indoor Air, 27(1), 47-64.
doi.org/10.1111/ina.12284✓ 実在と内容を確認済み
文献はCrossrefで書誌を確認し、記事の内容は要旨などと照合しています(判定の方法)。





