超絶勉強ハックNo.H15

先生の厳しい赤ペンを「期待されている証拠」と受け取ると、伸びるって、ホント?

判定日 読了 約3分音声 4:07文献 1件

「先生の厳しい赤ペンを「期待されている証拠」と受け取ると、伸びる」のイメージイラスト

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?

先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。

判定:半分ホント

厳しい赤ペンを「低く見られている」ではなく「期待されている」と読むと、直す行動につながりました。ただし研究はアメリカでのものです。

半分ホントとは… 条件つきで正しい、または言い過ぎの部分がある常識です。

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論文での効果「高い基準と信頼」を添えた添削で、作文を書き直す生徒が増え、出来も良くなった

今日からできるやり方

  1. 赤ペンを見たら「基準が高いだけ」と考える
  2. 指摘を1つ選び、すぐ直して再提出する
  3. 「どこを直せばもっと良くなるか」を質問する
  4. 友達に助言するときも、期待をひと言添える

赤ペンだらけで返ってきた作文。その赤い字の読み方は、人によって違います。「先生は自分に期待してくれている」と読む人もいれば、「先生は自分を低く見ている」と読む人もいます。

後のほうの読み方をしてしまうと、指摘がどれほど正しくても、直す気にはなかなかなれません。厳しい指摘は、届き方しだいで、まったく違う結果を生みます。

同じ赤ペンに、短いメモを添える

2014年、アメリカの心理学者イェーガーらは、日本の中学1年生にあたる7年生の作文の添削で、実験をしました。

先生は、いつものように厳しいコメントをつけて作文を返します。違うのは、そこに添えられた短いメモです。一部の生徒へのメモは、先生の基準がとても高いこと、そしてあなたならその基準に届くと信じていることを伝えるものでした。こうした伝え方は「賢いフィードバック」と呼ばれます。どちらのメモになるかは、偶然で決められました。

1つ目の研究では、賢いフィードバックを受けた生徒のほうが、作文を書き直して出す割合が高くなりました。2つ目の研究では、書き直した最終稿の出来が良くなりました。

信頼がゆらいでいた生徒ほど

効果は、白人の生徒より黒人の生徒で、おおむね大きく出ました。特に大きかったのは、学校への不信感が強かった黒人の生徒です。

こうした生徒の学校への信頼は、比べたグループでは、2年間で下がっていきました。ところが賢いフィードバックを受けたグループでは、その低下が止まっていました。

厳しい指摘が、「低く見られている」しるしではなく、「期待されている」しるしとして届いた。そのことが、書き直すという行動につながったと考えられます。

受け取る側が、読み方を変える

3つ目の研究は、低所得の家庭が多い公立高校で行われました。今度は、先生の側ではなく、生徒の側に働きかけます。学校での厳しい指摘を、先生の高い基準と、自分の可能性への信頼の表れとして受け取る練習をしたのです。

すると、黒人の生徒の成績が上がり、人種による成績の差が縮まりました。指摘の受け取り方は、生徒自身が身につけることもできるのです。

日本の教室で使うなら

ただし、この研究の背景には、アメリカの人種間の不信という事情があります。日本の生徒にどこまで当てはまるかは、まだわかりません。判定が半分ホントなのは、そのためです。

それでも、返ってきた答案の赤ペンを、少し読みかえてみる価値はあります。ここまで来られると思われているから、ここまで直されたのだ、と。そして、指摘を1つ選んで、すぐに直してみましょう。わからない指摘があれば、「どこを直せばもっと良くなりますか」と先生に聞きに行きます。

友達に助言をするときは、立場が逆になります。「もっと良くなると思うから言うね」とひと言添えるだけで、同じ指摘でも、届き方が変わるかもしれません。

参考文献

  1. Yeager D., Purdie-Vaughns V., Garcia J., Apfel N., Brzustoski P., Master A. et al. (2014). Breaking the cycle of mistrust: Wise interventions to provide critical feedback across the racial divide. Journal of Experimental Psychology: General, 143, 804-824.

文献はCrossrefで書誌を確認し、記事の内容は要旨などと照合しています(判定の方法)。

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