超絶勉強ハックNo.H17
緊張したら、自分を名前で呼んで語りかけると、本番に強くなるって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:半分ホント
「私」ではなく自分の名前で語りかけると、緊張がやわらぎます。ただ、試験の点で確かめた研究はまだありません。
半分ホントとは… 条件つきで正しい、または言い過ぎの部分がある常識です。
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論文での効果名前や「あなた」で自分に話しかけると、スピーチがうまくいき、つらさも減った
今日からできるやり方
- 試験前に「〇〇(自分の名前)、大丈夫」と唱える
- 「〇〇はなぜ緊張している?」と考える
- 友達に助言するつもりで自分に話しかける
- 終わったあとの反省も、名前を主語にする
次の2つの文を、心の中でゆっくり言ってみてください。
「私は、なんでこんなに緊張しているんだろう」
「ゆうき、なんでこんなに緊張しているの?」
2つ目の「ゆうき」には、自分の名前を入れます。言っている中身はほとんど同じです。それでも2つ目のほうが、少しだけ他人ごとのように聞こえないでしょうか。
「私」をやめると、一歩うしろに下がれる
2014年、アメリカの心理学者クロスらは、この小さな違いを、7つの研究、合計585人で調べました。不安なことについて考えるとき、自分を「私」と呼ぶか、自分の名前や「あなた」と呼ぶか。変えたのはそれだけです。
最初の研究でわかったのは、名前や「あなた」を使うと、自分を少し離れたところから見やすくなることでした。心理学では「自己距離化」と呼ばれる状態です。友達の悩みなら落ち着いて助言できるのに、自分のこととなると頭が真っ白になる。その距離を、言葉づかいで作るわけです。
初対面とスピーチで試す
次の2つの研究では、緊張する場面を用意しました。1つは、初対面の相手によい印象を与える課題。もう1つは、人前でのスピーチです。どちらも、自分への語りかけ方だけを変えて比べました。
すると、名前や「あなた」で語りかけたグループのほうが、見ていた人からの評価が高くなりました。本人のつらさも小さく、スピーチのあとで「あそこで失敗した」とくよくよ考えこむことも減りました。
さらに別の研究では、これから起きる不安な出来事を、「脅威」より「挑戦」として受け止めやすくなりました。もともと人前が苦手な人でも、こうした結果は変わりませんでした。
「あなた」で話すと、パズルも解ける
同じ年、ドルコスとアルバラシンも、似た結果を発表しています。3つの実験で、自分に「私」で語りかける場合と、「あなた」で語りかける場合を比べました。「あなた」のほうが、文字を並べかえて単語を作るパズルの成績がよく、「もっと取り組もう」という気持ちも強くなりました。課題への気持ちが前向きになったことが、この差につながっていたようです。
日本語で使うなら
どちらの研究も、英語の「私(I)」と「あなた(you)」で比べたものです。日本語は、もともと主語をよく省きます。心の中のひとりごとも、たいてい主語なしです。だから試すなら、わざと名前を入れる必要があります。
ただし、ここまでの研究は、どれも実験室での短い研究です。本物の試験で点が上がるかは、まだ確かめられていません。効果がどれくらいの大きさなのかも、これからの研究を待つ必要があります。
それでも、お金も道具もいりません。試験の前に、心の中で自分の名前を呼んで、「ここまでやってきたんだから大丈夫」と声をかけてみてください。頭の中に、自分を応援してくれる友達をひとり呼ぶようなものです。
参考文献
Kross E., Bruehlman-Senecal E., Park J., Burson A., Dougherty A., Shablack H. et al. (2014). Self-talk as a regulatory mechanism: How you do it matters. Journal of Personality and Social Psychology, 106, 304-324.
doi.org/10.1037/a0035173✓ 実在と内容を確認済み
Dolcos S., Albarracin D. (2014). The inner speech of behavioral regulation: Intentions and task performance strengthen when you talk to yourself as a You. European Journal of Social Psychology, 44, 636-642.
doi.org/10.1002/ejsp.2048✓ 実在と内容を確認済み
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