超絶勉強ハックNo.H12

「最初はなじめなくて当たり前。そのうち慣れる」と知ると、成績が上がるって、ホント?

判定日 読了 約3分音声 4:24文献 2件

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先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。

判定:半分ホント

「なじめないのは、だれもが通る一時的な時期」と知ると、成績が上がった実験があります。ただし、効くには環境も大切です。

半分ホントとは… 条件つきで正しい、または言い過ぎの部分がある常識です。

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論文での効果短い取り組みで、3年間の平均成績の人種間の差が、およそ半分に縮まった

今日からできるやり方

  1. 「最初はだれでも不安」と紙に書き出す
  2. 先輩に「1年目はどうだった?」と聞いてみる
  3. つまずきを「今だけのこと」と言い直す
  4. 授業や部活で、気軽に話せる人を1人つくる

3年後、ある学生たちは、医者にかかった回数が減っていました。成績も上がっていました。ところが本人たちは、何がきっかけだったのか、気づいていないようでした。

きっかけは、大学1年生のときに参加した、短い心理学の実験です。

「つらいのは、自分だけじゃない」

2011年、アメリカの心理学者ウォルトンとコーエンは、大学1年生92人を対象に実験をしました。ねらいは、「自分はこの大学の一員だ」という感覚、いわば居場所の感覚を支えることです。

新しい環境では、だれでも友達がなかなかできなかったり、授業でつまずいたりします。そのとき、「自分はここにふさわしくないのでは」と受け取ってしまうと、ちょっとした苦労が、自分の居場所をおびやかすものに感じられます。

そこで実験では、大学での苦労は多くの人が経験するもので、時間とともに過ぎていくものだ、というメッセージを伝えました。ただ、上から言い聞かせたわけではありません。参加者が自分で、そのメッセージを言葉にするように、さりげなく工夫しました。

3年間で、成績の差が半分に

この取り組みは、特に黒人の学生に効くと予想されていました。大学の勉強について偏見を向けられやすく、周りから浮きやすい立場にあったからです。参加者92人のうち、49人が黒人、43人が白人の学生でした。

3年間を追いかけると、黒人学生の平均成績は、いくつかの比較グループより上がり、人種による成績の差はおよそ半分になりました。効いたのは、受け取り方の変化でした。大学での苦労を、「自分はここにいるべきではない」という証拠として受け取らなくなったのです。

健康にも差が出ました。黒人学生は3年後、自分で答えた健康や幸福感が高く、医者にかかった回数も少なくなっていました。それでも4年生のときの調査では、参加者たちは、この取り組みが自分に影響したとは気づいていませんでした。

2万6911人で確かめ直す

とはいえ、最初の実験は92人です。2023年、ウォルトンらは、22の大学の2万6911人で確かめ直しました。入学前に、オンラインで30分足らずの課題をしてもらいます。

その結果、1年目をフルタイムの学生として終える割合が上がりました。特に、これまで進級しにくかったグループの学生で、効果が目立ちました。

ただし、どの大学でも効いたわけではありません。効果が出たのは、そのグループの学生が実際に居場所を得られる機会のある大学だけでした。心の持ち方を変えるだけでは足りず、受け入れる側の環境もそろっている必要があるのです。

不安を「今だけのこと」と言い直す

判定が半分ホントなのは、効果がだれにでも、どこでも出るわけではないからです。日本の学校で確かめた研究も、ここにはありません。

それでも、試す価値はあります。新しいクラスや進学先でなじめないと感じたら、「これはみんなが通る、一時的な時期だ」と紙に書いてみてください。先輩に「1年目はどうだった?」と聞いてみるのもいいでしょう。そして、授業や部活で、気軽に話せる人を1人つくりましょう。居場所は、気の持ちようだけでなく、人とのつながりの中でできていきます。

参考文献

  1. Walton G., Cohen G. (2011). A Brief Social-Belonging Intervention Improves Academic and Health Outcomes of Minority Students. Science, 331, 1447-1451.

  2. Walton G., Murphy M., Logel C., Yeager D., Goyer J., Brady S. et al. (2023). Where and with whom does a brief social-belonging intervention promote progress in college? Science, 380, 499-505.

文献はCrossrefで書誌を確認し、記事の内容は要旨などと照合しています(判定の方法)。

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