超絶勉強ハックNo.H08

覚えたあと10分ぼーっとすると、記憶が残りやすいって、ホント?

判定日 読了 約2分音声 3:55文献 3件

「覚えたあと10分ぼーっとすると、記憶が残りやすい」のイメージイラスト

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?

先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。

判定:半分ホント

覚えた直後に静かに休むと記憶が残る。実験室では確かめられましたが、授業に近い場面ではまだ微妙です。

半分ホントとは… 条件つきで正しい、または言い過ぎの部分がある常識です。

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論文での効果休むと記憶が残りやすい。37研究のまとめでg=0.45

今日からできるやり方

  1. 覚えた直後の10分は、スマホを置く
  2. 静かに座って、ぼんやり休む
  3. すぐに別の勉強や動画を始めない

「短い休憩が、新しい記憶を長く残す」。2012年に心理学の専門誌に載った、ある論文の題名を日本語にすると、こうなります。書いたのは、デュワーらの研究チームです。

10分の休憩か、10分の間違い探しか

参加者は、2つの短いお話を覚えました。1つ目のあとは、10分間、起きたまま静かに休みます。もう1つのあとは、10分間、間違い探しのゲームをします。

すると、休んだあとのお話のほうが、よく思い出せました。15〜30分後でも、7日後でもです。

2つ目の実験では、7日後のテストまで、途中で一度も思い出させないようにしました。途中のテストが復習になって差が出たのでは、という疑いを消すためです。それでも7日後の差は残りました。著者たちは、覚えた直後の静かな時間に、新しい記憶がよりしっかり固まるのだろうと考えています。

37の研究をまとめると

2025年、ウェンらは、この「起きたまま休む」効果を調べた37の研究をまとめました。休む効果は確かにあり、効果量は0.45。7日後にも、小さめながら効果が残っていました(効果量0.27)。

条件による違いも調べられています。休む時間の長さ、目を閉じるか開けるか、部屋の明るさ、姿勢では、効果ははっきり変わりませんでした。一方、若い人より高齢者のほうが、効果が大きいことがわかりました。選択肢から選ぶテストより、自分で思い出すテストのほうが、差も大きく出ました。

教室に近い形で試すと

では、学生の勉強でもそのまま効くのでしょうか。2026年、セバンらは、大学生161人で確かめました。説明文を読んだあと、8分間をどう過ごすかで、4つのグループに分けます。静かに休む、SNSを見る、計算問題を解く、別の文章を読む、のどれかです。

読んだ直後と1週間後に、内容の理解と事実の記憶をテストしました。1週間後には、どのグループも成績が下がっていました。そして、休んだグループに、ほかのグループより一貫した利点は見られませんでした。

実験室では確かめられた効果が、授業に近い場面では見えなかったのです。効果が大きいのは高齢者だったことを考えると、若い学生では差が小さいのかもしれません。

休憩は「損ではない」くらいに

それで判定は、半分ホントです。覚えた直後に静かに休んでも、損はありません。でも、それだけで記憶がぐんと伸びると期待するのは、まだ早そうです。

試すなら、単語を覚え終わったら、スマホを置いて数分だけぼんやりしてみてください。目は閉じても開けてもかまいません。そのあとで、きちんと思い出す練習をしましょう。休憩は、復習の代わりにはなりません。

この記事に出てくる用語
効果量
効果の大きさを表す数字。目安は0.2で小さい、0.5で中くらい、0.8で大きい。
想起練習(思い出す練習)
教科書を閉じて、自分で答えを思い出す勉強。小テストや問題を解くことも、これにあたる。

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参考文献

  1. Dewar M., Alber J., Butler C., Cowan N., Della Sala S. (2012). Brief Wakeful Resting Boosts New Memories Over the Long Term. Psychological Science, 23, 955-960.

  2. Weng L., Yu J., Lv Z., Yang S., Jülich S., Lei X. (2025). Effects of wakeful rest on memory consolidation: A systematic review and meta-analysis. Psychonomic Bulletin & Review, 32, 1937-1968.

  3. Seban P., Šikl R., Prošek T., Urban K. (2026). Wakeful rest and memory consolidation in an ecologically valid educational setting: no benefit over distractor tasks. Psychological Research, 90, 42.

文献はCrossrefで書誌を確認し、記事の内容は要旨などと照合しています(判定の方法)。

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