食べ物と頭No.D09
エナジードリンクは、カフェインだけのときより頭がさえるって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:ウソ
タウリンなどの成分に、カフェイン以上の働きを示す証拠はほとんどありません。頭への効き目は、主にカフェインで説明できます。
ウソとは… 研究の結果、この常識は支持されません。逆効果のこともあります。
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論文での効果32論文を検討:カフェイン以外の成分が働きを高める証拠は乏しい
タウリン、ガラナ、高麗人参、グルクロノラクトン、ビタミンB群。エナジードリンクには、こうした成分がよく入っています。そして、カフェイン。
名前を並べるだけで、ふつうのコーヒーよりも効きそうな気がしてきます。では、カフェイン以外の成分は、本当に頭の働きを上乗せしているのでしょうか。
32本の論文が出した答え
2012年、マクレランとリーバーマンは、論文の冒頭で、エナジードリンクを新しく人気の出てきた飲み物として紹介しています。体や頭の働きを高めるとうたわれる一方で、その効き目がカフェイン以外の成分によるものかは、はっきりしていませんでした。
2人は、この問いに正面から取り組みました。エナジードリンクの成分を、単独で、またはカフェインと組み合わせて試した32の論文を集めます。そして、体や頭の働きを高めるという証拠があるかを、ひとつずつ点検しました。
まず確認されたのは、カフェインの量です。235mLの1本には、40〜250mgのカフェインが入っています。これは、頭の働きを高めるのに十分な量で、多いものでは、体の運動の力まで高める量にあたります。
では、ほかの成分はどうか。ブドウ糖とガラナのエキスに弱い証拠があるのを除けば、カフェイン以外の成分が働きを高めるという証拠は「圧倒的に不足している」。これが2人の結論でした。著者らは、よく計画された実験を、いくつもの研究室でくり返す必要がある、とも書いています。
成分を1つずつ切り分ける
同じ2012年、ジャイルズらは、成分を1つずつ切り分ける実験をしました。
参加者は、ふだんからカフェインをとっている48人です。実験の前には、24時間カフェインを断ってもらいます。そのうえで、4通りの飲み物を、3日ずつあけて別々の日に飲んでもらいました。カフェイン200mgとタウリン2000mgの両方、カフェインだけ、タウリンだけ、どちらもなし、の4通りです。さらに参加者を2つに分け、片方にはブドウ糖50gの飲み物を、もう片方には偽物を飲んでもらいました。
結果、注意をコントロールする力や作業記憶を高め、反応を速くしたのはカフェインでした。疲れた感じも、カフェインで減りました。
タウリンの結果は、ちぐはぐでした。選んで答える課題では反応が遅くなり、記憶の課題では反応が速くなりました。カフェインで高まった元気な感じを、打ち消すような働きもありました。ブドウ糖だけでは、選んで答える課題の反応がむしろ遅くなっていました。
ただし、ブドウ糖も、カフェインと組み合わせると物を覚えておく課題が、タウリンと組み合わせると注意を向ける課題が、良くなっていました。著者らは、課題が参加者にとって易しすぎたために、ブドウ糖の効果が出にくかったのかもしれない、とも書いています。
著者らの結論は、エナジードリンクを飲んだあとの頭の働きの変化をもたらしているのは、タウリンやブドウ糖ではなく、カフェインだろう、というものです。
「さえた」感じの正体
この実験には、もう一つ考えておきたい点があります。参加者は、ふだんカフェインをとっている人が、24時間それを断った状態でした。著者らも、カフェインの効果は、こうしたカフェインを断った人で特に表れやすいと書いています。
毎日のようにカフェインをとっている人が、飲んで「さえた」と感じたとき。それが頭の働きが上がった感覚なのか、カフェインが切れた状態から元に戻っただけなのかは、本人にも区別しにくいのかもしれません。
いずれにしても、エナジードリンクを飲んで頭がさえる感覚は、カフェインの働きでほぼ説明がつきます。それは、コーヒーやお茶のカフェインと同じ種類の働きで、缶にだけ入っている特別な成分の力ではありません。
缶を開ける前に
原田英語のおすすめは、エナジードリンクを「集中のスイッチ」にしないことです。眠いなら、まず眠る。勉強を始める前に、何を何分やるかを紙に書き出す。
缶の裏の長い成分表を読むより、その日の予定表を1枚書くほうが、勉強の役に立ちます。
参考文献
McLellan T., Lieberman H. (2012). Do energy drinks contain active components other than caffeine? Nutrition Reviews, 70, 730-744.
doi.org/10.1111/j.1753-4887.2012.00525.x✓ 実在と内容を確認済み
Giles G., Mahoney C., Brunyé T., Gardony A., Taylor H., Kanarek R. (2012). Differential cognitive effects of energy drink ingredients: Caffeine, taurine, and glucose. Pharmacology Biochemistry and Behavior, 102, 569-577.
doi.org/10.1016/j.pbb.2012.07.004✓ 実在と内容を確認済み
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