恋人・夫婦の満足度、年代別では「40代」が最低。同じ2人を追うと上がる年代はなかった

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恋人・夫婦への満足度は、20代より40代のほうが平均して高い
165の調査をまとめると、100点満点にそろえた満足度は20〜30歳のグループが約84点、40〜50歳のグループが約78点で、40代のほうが低かった(別々の人のグループどうしの比較)。
- 対象
- 恋人・夫婦のいる大人(各調査の平均年齢は20〜76歳)
- 規模
- 165の調査・16万5039人
- 研究の種類
- メタ分析(同じ人を2回以上調べた研究を集計。年代の比較は別々の人どうし)
- 確かさ
- ★★★☆☆
165の調査、約16万5000人分をまとめて年代ごとに比べると、恋人・夫婦への満足度は20代が最も高く40代が最も低かった。でも同じ2人を追うと、満足度が上がる年代はなく、平均では少しずつ下がっていた。
ひとことで言うと恋人への満足度は40代が最低。でも同じ2人を追うと、上がる年代はなかった!
もくじ
「付き合いはじめがいちばん幸せで、あとは下がっていくだけ」。恋人や夫婦について、そう言われることがあります。では、相手への満足度は、人生のどの時期にいちばん低くなるのでしょうか。
スイスのベルン大学などのチームが、16の国の165の調査、合わせて約16万5000人分のデータをまとめました。すると、恋人・夫婦への満足度は20代のグループが最も高く、40代のグループが最も低くなりました。50歳をすぎたグループでは、少し高めでした。これは、20代の人と40代の人という、別々の人を年代ごとに比べた結果です。
ところが、同じ2人に何年かあけて何度もたずね、点数の動きを見ると、話が変わります。満足度が上がっていく年代は見つからず、平均では少しずつ下がっていたのです。「40代で底をうって、また上がる」のか、「ずっと下がる」のか。答えは、何と何を比べたかで変わります。
01165の調査を「100点満点」にそろえた
集めたのは、恋人や夫婦のいる人に、相手への満足度を半年以上あけて2回以上たずねた調査です。調査ごとに質問紙が違うので、どの点数も「満点を100としたら何点か」に直しました。そのうえで、2つのことを調べました。
- 1回目の点数を、年代ごとに並べる。20代の調査と40代の調査に出てくるのは、別々の人
- 同じ人の点数が、1年あたり何点動いたか。こちらは同じ人を追った変化
02年代ごとに比べると、40代がいちばん低い
まず、別々の人を年代ごとに比べた結果です。1回目の点数を年代ごとにまとめると、こうなりました(100点満点)。
- 20〜30歳:83.6点
- 30〜40歳:79.3点
- 40〜50歳:77.6点(最も低い)
- 50〜65歳:79.3点
- 65〜76歳:80.5点
論文は、満足度が20歳から40歳にかけて下がって40歳で底になり、65歳まで上がって、そのあと横ばいになると書いています。20歳と40歳の差は6点です。著者たちは、点数のばらつきの目安(標準偏差)を6.44点と計算しました。6点の差はその約0.9倍にあたるので、「大きな差」だと見ています。
ただし、いちばん低い40代でも約78点あります。底の時期でも、満足度はまだ高めでした。
この形は、男女、アメリカかそれ以外の国か、生まれた年代、結婚しているかどうかで分けても、ほぼ変わりませんでした。子どもがいる人の多い調査ほど、点数は低めでした。

03付き合った年数では「10年目」が谷
付き合ってからの年数で並べても、似た動きが出ました。これも別々の人どうしの比較です。0〜5年が83.2点で最も高く、10〜20年が77.0点で最も低い。20〜30年では83.0点に上がり、30年以上では79.3点でした。
10年目から上がる理由について、著者たちは慎重です。うまくいかないカップルの多くは長い年月のうちに別れていくので、20年ほど続いたカップルには仲のよい2人が多く残っている。そのため上がって見えるのかもしれない、と書いています。
年齢と付き合った年数を同時に計算に入れると、満足度とより強く結びついていたのは年齢のほうでした。
04どんでん返し:同じ2人を追うと、上がっていなかった
ここまでの結果は、20代の人と40代の人という別々の人を比べたものでした。1人の人が年をとるにつれてどう変わるかは、同じ人を追わないと分かりません。
「同じ人の点数が1年で何点動いたか」を見ると、どの年代のグループでも平均はマイナスでした。20代は1年に約2.9点、30代は約1.6点下がりました。40代は1年に約0.1点の下がりで、ほぼ横ばいです(50歳以上は調査が少なく、はっきりしません)。同じ相手との満足度が、40代のあとに上がっていく様子はありませんでした。
それでも著者たちが「40代のあとに上がる」と考える理由はこうです。人は途中で別れ、新しい相手と付き合うことがある。新しい関係では、満足度はまた高いところから始まる。同じ相手との変化だけを見ると、人生全体の満足度を低く見すぎてしまう、というのです。
これを支える研究もあります。ドイツの全国調査で、2人の相手と続けて付き合った554人を追った研究(2019年)です。1人目との関係が終わりに近づくと満足度は下がり、次の相手に移ると大きく上がりました。そして2人目との最初の1年で、また下がっていました。
一方で、「40代のあとに上がる」には弱いところもあります。
- 平均年齢が50歳以上の調査は8つ、約4000人分しかない。論文も慎重に見るべきだと書いている
- 付き合って25年以上のカップルどうしで比べると、40代のグループのほうが65〜76歳のグループより点数が高かった
- 2回目の調査の前に別れた人は入っていない。そのため下がり方が小さめに出たかもしれない、と著者たちは書いている
05「下がる」と「別れる」は同じではない
平均が下がっても、全員が下がるわけではありません。ロサンゼルスで、結婚したばかりの464人に4年間で8回たずねた研究(2010年)があります。
満足度の動き方は5つのタイプに分かれました。夫も妻も5人に4人ほどは、満足度が中くらい〜高めで、あまり動かない3つのタイプに入りました。大きく下がった2つのタイプ(1つは最初から低め)は約2割です。10年後まで追った172組で見ると、この2割のタイプで離婚した人は40〜60%でした。満足していたタイプでも、9〜26%が離婚していました。
夫婦の会話で離婚を予測できるかは、「離婚予測9割」を確かめた記事で紹介しています。恋人がいない人については、11年ずっと独身だった人の研究もあります。
06まとめ
年代ごとに並べると、恋人・夫婦への満足度は40代のグループで最も低く、50歳をすぎると少し高めでした。けれども同じ2人を追うと、満足度が上がる年代はなく、平均では少しずつ下がっていました。
「40歳で底をうって、また上がる」は、別々の人を年代ごとに比べたときの姿です。50歳以上のデータはまだ少なく、日本のデータもありません。相手が変わる場合も含めて、同じ人を何十年も追う研究が次の答えを出すはずです。
この研究を英語で読もう原田英語の English CornerA team at the University of Bern collected 165 studies of people in romantic relationships, with about…
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4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く
原田英語の English Corner
この研究を英語で読もう
How happy are people with their partners at different ages? A team in Switzerland put 165 studies together. The studies had about 165,000 people in them. People in their 20s were the happiest with their partners. People in their 40s were the least happy. After 50, the scores were a little higher.
But the team also looked at the same couples over time. Their scores went down a little, and they did not go up at any age.
78 words ・ CEFR A2
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人は年齢によって、恋人や夫婦の相手にどのくらい満足しているのだろうか。スイスのチームが165の研究をまとめた。研究には約16万5000人が参加していた。20代の人たちが、相手に最も満足していた。40代の人たちが、最も満足していなかった。50歳をすぎると、点数は少し高かった。
しかしチームは、同じカップルを時間をかけて追ったデータも見た。その点数は少しずつ下がっていて、どの年代でも上がってはいなかった。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
第1文「人は年齢によって相手にどのくらい満足しているか」がテーマで、年代ごとの結果を述べているので、正解は B。
Q2. Which group was the least happy with their partners?
「People in their 40s were the least happy.」とあるので、正解は C。
Q3. In the passage, "went down" is closest in meaning to ___.
「点数が少しずつ went down した」は「下がった」という意味なので、正解は A(低くなった)。
A team at the University of Bern collected 165 studies of people in romantic relationships, with about 165,000 people in total. In each study, the same people were asked about their partner at least twice, six months or more apart.
The team changed every score to a 100-point scale. When groups of different ages were compared, people in their 20s scored highest, at about 84 points. People in their 40s scored lowest, at about 78. After 50, the scores were a little higher again.
But when the same people answered a second time, their scores had gone down on average. For people in their 40s, the scores did not rise. So the rise after 40 appears only when different people are compared.
122 words ・ CEFR B1
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ベルン大学のチームが、恋人や夫婦のいる人たちの研究を165集めた。参加者は合わせて約16万5000人だった。
どの研究でも、同じ人たちが半年以上あけて少なくとも2回、相手についてたずねられていた。チームはすべての点数を100点満点に直した。年齢の違うグループを比べると、20代の人たちが約84点で最も高かった。40代の人たちが約78点で最も低かった。50歳をすぎると、点数はまた少し高くなった。
しかし同じ人が2回目に答えたとき、点数は平均で下がっていた。40代の人たちでも、点数は上がらなかった。つまり、40歳のあとに上がる形は、別々の人を比べたときにだけ表れる。
4択リーディングクイズ
Q1. What did the team do with the scores from different studies?
「The team changed every score to a 100-point scale.」とあるので、正解は B。
Q2. About how many points did people in their 40s score?
「People in their 40s scored lowest, at about 78.」とあるので、正解は D。84点は20代の点数。
Q3. What can we infer from the last part of the passage?
同じ人が2回目に答えると点数は平均で下がり、40代でも上がらなかったとあるので、40歳のあとに同じ人の満足度が上がったわけではないと分かる。正解は B。
Is there an age when people feel least satisfied with their partner? Researchers in Switzerland pooled 165 studies covering about 165,000 adults, mostly in North America and Europe. Comparing groups of different ages, they found satisfaction highest in the 20s and lowest in the 40s, with slightly higher scores after 50. Sorting couples by how long they had been together showed a similar dip, at around ten years. A second measure gave a different answer.
When the same people were asked again later, their satisfaction had usually dropped, and couples in their 40s showed no gain. The authors argue that the age comparison gives a fairer view of a whole life. Many people break up and start over, and satisfaction tends to begin high again with a new partner. A German study of 554 people who moved from one partner to the next found this kind of jump.
But only eight of the 165 studies had an average age over 50, and couples who split up before the second survey were left out. None of the data came from Japan.
180 words ・ CEFR B2
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人が相手に最も満足しなくなる年齢はあるのだろうか。スイスの研究者たちは、主に北米とヨーロッパの大人約16万5000人を対象にした165の研究をまとめた。年齢の違うグループを比べると、満足度は20代で最も高く40代で最も低く、50歳をすぎると少し高かった。カップルを付き合った年数で分けても、10年ほどのところで同じような落ちこみが見られた。もう一つの物差しは、別の答えを出した。
同じ人にあとでもう一度たずねると、満足度はたいてい下がっていて、40代のカップルでも上がってはいなかった。著者たちは、人生全体を見るには年齢どうしの比較のほうが公平だと主張している。多くの人は別れて新しく始め、新しい相手とは満足度がまた高いところから始まりやすいからだ。ある相手から次の相手へ移った554人を調べたドイツの研究は、こうした上がり方を見つけている。
しかし165の研究のうち参加者の平均年齢が50歳を超えるものは8つだけで、2回目の調査の前に別れたカップルは除かれていた。日本のデータは一つもなかった。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
年齢ごとの満足度の違いと、同じ人を追った物差しでは答えが違う理由を述べているので、正解は B。
Q2. Why do the authors trust the age comparison more?
「Many people break up and start over, and satisfaction tends to begin high again with a new partner.」とあるので、正解は B。
Q3. Why does the writer mention that only eight studies had an average age over 50?
But に続けて弱点を挙げる中で、平均年齢が50歳を超える研究が8つしかないと述べており、50歳以降に上がるという結果のデータが少ないことを示している。正解は A。
重要単語
- relationship satisfactionB2名詞恋人・夫婦関係への満足度Relationship satisfaction was measured with a short questionnaire.
satisfy(満足させる)の名詞。be satisfied with ~ で「~に満足している」 - partnerA2名詞恋人、配偶者、相手He met his partner at a music club.
仕事の「共同経営者」の意味もある。文脈で判断する - poolC1動詞(データや資金を)まとめる、出し合うThe researchers pooled data from many countries.
名詞の pool(プール、たまり)から。pool resources で「資源を出し合う」 - declineB2動詞・名詞下がる、低下Sales declined after the summer.
decline an offer で「申し出を断る」の意味も入試頻出 - break upB1動詞句(恋人と)別れるThey broke up after three years together.
名詞は breakup(別れ)。break up with ~ で「~と別れる」 - midlifeC1名詞中年期(40〜60歳ごろ)Many people change jobs in midlife.
mid-(まんなか)+ life。midlife crisis は「中年の危機」
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165の調査、約16万5000人分のデータを集めた研究。恋人・夫婦への満足度は20代のグループが最も高く、40代が最も低かった。50歳以降はやや高め。ただし同じ2人を追いかけると、満足度が上がる年代はなく、平均では少しずつ下がっていた。
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出典・参考文献(3件)タップで表示
- Bühler, Krauss & Orth (2021) Development of relationship satisfaction across the life span: A systematic review and meta-analysis, Psychological Bulletindoi.org
- Johnson & Neyer (2019) (Eventual) stability and change across partnerships, Journal of Family Psychologydoi.org
- Lavner & Bradbury (2010) Patterns of Change in Marital Satisfaction Over the Newlywed Years, Journal of Marriage and Familydoi.org
※本記事は上記の研究・公開資料をもとに、原田英語が独自の言葉で解説したものです。引用は著作権法第32条の範囲で行い、出典を明記しています。画像はすべてオリジナルのイメージです。研究結果には限界や個人差があります。誤りのご指摘は原田英語のお問い合わせフォームから。







