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アメリカで2017年に出会ったカップルの39%は「ネット」から、友達の紹介を抜いて1位に

アメリカで2017年に出会ったカップルの39%は「ネット」から、友達の紹介を抜いて1位に

読む前に予想してみよう!

アメリカの調査では、ネットで出会ったカップルは、ほかのカップルよりはっきり別れやすかった

研究カード(どんな研究?)
対象
アメリカの全国調査で、恋人・配偶者がいる(いた)大人
規模
異性カップル5,421組(2009年と2017年の調査)
研究の種類
観察研究(出会い方を文章で答えてもらった調査)
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

アメリカの全国調査で、2017年に出会った異性カップルの約39%はネットで出会っていた。60年以上1位だった友達の紹介は20%に。ネットで出会うと別れやすいかは、研究で答えが割れた。

ひとことで言うとアメリカでは、恋人と出会うきっかけの1位が「友達の紹介」から「ネット」に変わった!

もくじ
  1. 「2人の出会いの話を書いてください」と頼んだ調査
  2. 1995年に2%、2017年には39%
  3. ネットで出会った9割は「まったくの他人」
  4. 「ネットで出会うと別れやすい?」答えは割れた
  5. 付き合った年数をそろえると、別れやすさの差は消えた
  6. 日本では、まだ「友達・兄弟姉妹」が1位
  7. まとめ

「恋人とはどこで出会ったの?」。アメリカでこう聞くと、第二次世界大戦の後から60年以上、いちばん多い答えは「友達の紹介」でした。友達が、自分の知り合いどうしを引き合わせてきたのです。

ところが、アメリカのスタンフォード大学などの全国調査で、2017年に出会った異性カップルの約39%は、ネットで出会っていました。1995年にはわずか2%でした。友達の紹介は33%から20%に下がり、2013年ごろに1位が入れかわりました。

研究チームは、これまでの研究をもとに、ある予想(仮説)を立てていました。「ネットが広がっても、友達が2人の間に入って紹介する役目は減らず、むしろ強まるだろう」というものです。結果は逆でした。ネットで出会ったカップルの約9割は、それまでまったくの他人どうしでした。そして「ネットで出会うと長続きしないのでは?」という問いには、研究どうしで答えが割れています。

01「2人の出会いの話を書いてください」と頼んだ調査

使われたのは「How Couples Meet and Stay Together(カップルはどう出会い、どう続くか)」という調査です。2009年と2017年に、アメリカの大人全体の縮図になるように選んだ人たちに、ネットで答えてもらいました。家にネットがない人には、答えるための機器が配られました。

質問はシンプルです。「あなたとパートナーが初めて出会い、知り合っていった話を書いてください。『どうやって』と『どこで』も入れてください」。研究チームは、その文章を読んで出会い方を分類しました。1つの話に、いくつも当てはまることがあります。たとえば「友達がネットで紹介してくれた」なら、「ネット」と「友達」の両方に数えます。カップルには、夫婦だけでなく、一緒に住む恋人や、一緒に住んでいない恋人も入っています。

021995年に2%、2017年には39%

1995年と2017年を比べると、ほとんどの出会い方が減っていました。

  • 友達を通じて:33% → 20%
  • 家族を通じて:15% → 7%
  • 職場で:19% → 11%
  • 小学校〜高校で:10% → 5%
  • 教会で:7% → 4%
  • 近所で:8% → 3%
  • 大学で:9% → 4%(この減り方は、はっきりした変化とは言えない)

増えたのは、ネットのほかに「バーやレストランで」(19% → 27%)だけです。ただしこれは、ネットで知り合い、初めて実際に会ったのがバーやレストランだったカップルが増えたためでした。そうしたカップルを除くと、バーやレストランでの出会いは1995年から減っていました。

伸びた時期は、技術の変化と重なります。1995年ごろから、画像も表示できるウェブの閲覧ソフト(ブラウザ)が広まり、2007年以降にはスマートフォンが広まりました。2010年から2017年のネットでの出会いの伸びのうち、少なくとも半分はスマホのアプリによるものでした。

「友達の紹介」が減り「ネット」が増えて、2013年ごろに入れかわったイメージ(論文の図ではありません)
「友達の紹介」が減り「ネット」が増えて、2013年ごろに入れかわったイメージ(論文の図ではありません)

03ネットで出会った9割は「まったくの他人」

ネットで出会ったカップルのうち、友達などが間に入っていた割合も調べられました。2009年の調査では11.2%でしたが、2017年の調査では3.7%に減りました。2017年の調査では89.5%が、ネットで出会う前はまったく知らない他人どうしでした。

研究チームは理由として、いくつかの可能性を挙げています。ネットのほうが出会える相手の数がずっと多いこと。恋愛の好みを親や友達に知られずにすむこと。失礼なメッセージを送ってくる相手をアプリでブロックできること、などです。ただし、これらはこの調査で確かめた理由ではありません。

04「ネットで出会うと別れやすい?」答えは割れた

ネットで出会った2人は、うまくいくのでしょうか。2013年には、同じ『PNAS』に「ネットで出会った夫婦のほうが少しだけ別れにくい」という論文が出ました。シカゴ大学のカシオッポ(Cacioppo)さんらが、2005〜2012年に結婚したアメリカの1万9131人を調べたものです。

  • 結婚した人の3分の1以上が、ネットで出会っていた
  • 別居か離婚になった割合:ネットで出会った人5.96%、それ以外7.67%
  • 夫婦の満足度(1〜7点、結婚が続いている人だけ):ネット5.64点、それ以外5.48点

ただし、この調査はマッチングサイト会社のeハーモニーが調査会社に頼んで行ったものでした。筆頭著者はその会社の科学アドバイザーで、もう1人の著者は会社の研究部門の元責任者でした。論文には、会社と関係のない統計の専門家2人が分析を確かめたと書かれています。また、答えたのはネット調査に自分から登録した人だけでした。論文自身も、出会った場所の影響は「かなり小さい」と書いています。

一方、2014年には逆の結果も出ました。ミシガン州立大学のポール(Paul)さんが、スタンフォード大学の調査を使って報告したものです。ネットで出会ったカップルのほうが別れやすいという結果でした。

05付き合った年数をそろえると、別れやすさの差は消えた

2017年、スタンフォード大学のローゼンフェルドさんが分析し直しました。使ったのは、2009年から2015年まで同じカップルを追いかけたデータです。

何もそろえずに比べると、ネットで出会ったカップルのほうがずっと別れやすく見えました。しかし2009年の時点で、ネットで出会ったカップルは付き合って平均4.4年、それ以外は平均19.1年でした。長く続いているカップルほど、その後も別れにくいものです。そこで、ネットが広まった1995年以降に出会ったカップルどうしで比べ、付き合っている年数などをそろえました。

すると、1年に別れる割合は、ネット以外で出会ったカップルが7.3%。ネットで出会ったカップルを同じ条件にそろえた計算では7.0%で、はっきりした差はありませんでした。ローゼンフェルドさんは、ポールさんと同じ結果は出なかった(再現できなかった)と書いています。

ただし、このデータで別れたカップルの数は多くありません。ローゼンフェルドさん自身も、小さな差までは見分けられないと書いています。また、ネットのマッチングサイトで出会った異性カップルは、結婚に進むのが早い傾向がありました。

夫婦の会話から離婚を当てる研究も、別のデータで試すと精度がガクッと下がりました。どの数字と何を比べたかで、結論は変わります。

06日本では、まだ「友達・兄弟姉妹」が1位

日本はどうでしょうか。国立社会保障・人口問題研究所の「第16回出生動向基本調査」(2021年に実施)は、夫も妻も初めての結婚である夫婦(初婚どうし)に、知り合ったきっかけを聞いています。2018年7月〜2021年6月に結婚した夫婦では、こうなりました。

  • 友人・兄弟姉妹を通じて:25.9%
  • 職場や仕事で:21.4%
  • ネットで(SNS・アプリなど):13.6%

その前の3年間(2015年7月〜2018年6月)の結婚では、ネットは6.0%でした。ただし2021年までの3年間は、新型コロナの流行で結婚の数が大きく減った時期を含みます。報告書は、この時期は結婚そのものが少ないと注意しています。そのため割合が上がっても、その出会い方での結婚が実際に増えたとは限りません。また、アメリカの数字は結婚していないカップルも含み、出会った年ごとに数えています。日本の数字は結婚した年ごとの夫婦なので、そのままは比べられません。

同じ調査で、調査の前の5年間に結婚した初婚どうしの夫婦を見ると、ネットで知り合った夫婦は、結婚までの交際期間が平均2.8年でした。ネット以外のきっかけの恋愛結婚(4.9年)より短く、アメリカの「結婚に進むのが早い」という結果と同じ向きです。

07まとめ

アメリカでは、恋人と出会う一番の入り口が、友達からネットに変わりました。ネットで出会った2人のほとんどは、それまで知らない人どうしでした。一方、「ネットで出会うとうまくいかない」「ネットのほうがうまくいく」は、どちらもはっきりした証拠になりませんでした。

ここで使った全国調査は2017年までです。コロナ禍をへて、出会い方はさらに変わったかもしれません。日本で「ネットで」がどこまで伸びるかは、次の出生動向基本調査で分かるはずです。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerFor more than 60 years after World War II, friends were the most common way American couples met. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

For more than 60 years after World War II, friends were the most common way American couples met. A survey from Stanford University shows that this has changed. Researchers asked adults to write the story of how they met their partner, then sorted the stories into groups. Among opposite-sex couples who met in 2017, about 39 percent met online, compared with 20 percent through friends.

Online meeting passed friends around 2013, and dating apps on smartphones accounted for at least half of the growth after 2010. The team had considered another idea, that friends would simply start introducing people online. But in the 2017 survey, almost 90 percent of couples who met online had been complete strangers, and only 3.7 percent were brought together by someone else.

127 words ・ CEFR B1

和訳を見る

第二次世界大戦の後60年以上、アメリカのカップルの出会い方でいちばん多かったのは、友達を通じたものだった。スタンフォード大学の調査は、これが変わったことを示している。研究者たちは大人に、パートナーとどうやって出会ったかの話を書いてもらい、その話をグループに分けた。2017年に出会った異性カップルでは、約39%がネットで出会い、友達を通じた出会いは20%だった。

ネットでの出会いは2013年ごろに友達を抜き、2010年以降の伸びの少なくとも半分はスマートフォンの恋人探しアプリによるものだった。チームは、友達がネットで人を紹介し始めるだけだろうという別の考えも検討していた。しかし2017年の調査では、ネットで出会ったカップルの約90%はまったくの他人どうしで、ほかの人の仲立ちで出会ったのはわずか3.7%だった。

4択リーディングクイズ

Q1. What is the main idea of the passage?

Q2. According to the passage, what caused at least half of the growth in online meeting after 2010?

Q3. What can we infer from the 2017 survey results?

重要単語

  • partnerA2
    名詞恋人、パートナー、配偶者She met her partner at a friend's birthday party. 結婚しているかどうかに関係なく使える。romantic partner で「恋人」
  • strangerA2
    名詞知らない人、他人Before they met online, they were complete strangers. strange(見慣れない)+-er。「外国人」の意味ではない点に注意
  • introduceB1
    動詞紹介する、引き合わせるMy cousin introduced me to her classmate. introduce A to B で「A を B に紹介する」。名詞は introduction
  • break upB1
    動詞(恋人どうしが)別れるThey broke up after two years together. break up with ~ で「~と別れる」。名詞は breakup
  • spouseB2
    名詞配偶者(夫または妻)Each person was asked where they first met their spouse. husband と wife をまとめて言う語。書類や調査でよく使われる
  • adjust forC1
    動詞(比べるときに)~の違いを考えに入れてそろえるAfter adjusting for age, the difference disappeared. 研究の文章で頻出。control for もほぼ同じ意味
アメリカの全国調査で、2017年に出会った異性カップルの約39%はネットで出会っていた(1995年は2%)。戦後ずっと1位の友達の紹介は20%に。ネットで出会うと別れやすい? 研究で答えは割れたが、付き合った年数などをそろえた分析では、はっきりした差はなかった。

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出典・参考文献(5件)タップで表示
  1. Rosenfeld, Thomas & Hausen (2019) Disintermediating your friends: How online dating in the United States displaces other ways of meeting, PNASdoi.org
  2. Cacioppo, Cacioppo, Gonzaga, Ogburn & VanderWeele (2013) Marital satisfaction and break-ups differ across on-line and off-line meeting venues, PNASdoi.org
  3. Rosenfeld (2017) Marriage, Choice, and Couplehood in the Age of the Internet, Sociological Sciencedoi.org
  4. Paul (2014) Is Online Better Than Offline for Meeting Partners? Depends: Are You Looking to Marry or to Date?, Cyberpsychology, Behavior, and Social Networkingdoi.org
  5. 国立社会保障・人口問題研究所(2023)『現代日本の結婚と出産―第16回出生動向基本調査(独身者調査ならびに夫婦調査)報告書』(調査は2021年6月、結果の概要は2022年9月公表)ipss.go.jp