台風ニュースでは approach(近づく)、make landfall(上陸する)、become an extratropical cyclone(温帯低気圧に変わる)などを使い分ける
make landfallメイク・ランドフォール
🌀(台風が)上陸する。台風の中心が海から陸に達すること。landfall は名詞なので make といっしょに使う。「九州に上陸する」は make landfall in Kyushu。
approachアプローチ
➡️接近する・近づく。動詞の approach は approach Kyushu と前置詞なしで言う(名詞なら the typhoon’s approach to Kyushu と言える)。「最接近」は closest approach。
pass near / pass overパス
↗️近くを通る・上を通過する。pass near Kyushu は「九州の近くを通る」、pass over Okinawa は「沖縄の上を通過する」。かすめるように通るときは brush past や skirt も使う。
ニュースでは、台風の進路や勢力に合わせて approach(近づく)、make landfall(上陸する)、weaken(弱まる)などが使い分けられます。台風は上陸の前に弱まることも、上陸せずに近くを通り過ぎることもあります。まだ上陸していない段階では、could make landfall(上陸する可能性がある)や is expected to make landfall(上陸する見込み)のように、可能性や見込みを表す語がいっしょに使われるのがポイントです。
注意!日本の「上陸」には決まりがある
気象庁では、台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸線に達したときだけを「上陸」と呼びます。沖縄の島などを通るときや、小さい島・小さい半島を横切って短い時間で海に出るときは「通過」です。いっぽう英語の landfall は「台風の中心が海岸線を越えること」で、4つの島に限るという決まりはありません。島でも中心が陸に達すれば make landfall と言います。たとえば「台風が沖縄本島に上陸」とは日本ではふつう言いませんが、英語の報道では made landfall on Okinawa と書くことがあります。なお、気象庁の統計では、日本に上陸する台風は平年で1年に約3個です。
日本語
英語
上陸する
make landfall
(台風が)襲う・直撃する
hit/slam(上陸したとは限らない)
接近する
approach/draw near
最接近
closest approach
通過する
pass over/pass through
(勢力が)弱まる
weaken
温帯低気圧に変わる
become an extratropical cyclone
暴風域
area of storm-force winds
進路予想
forecast track
PART 2
語源:landfall は船乗りの言葉
land陸地
+
fall起こる
=
landfall航海のあと、初めて陸地が見えること
landfall は、長い航海のあとに初めて陸地が見えることを表す船乗りの言葉だった
landfall は、もともと船乗りの言葉です。17世紀には、長い航海のあとで「初めて陸地が見えること」を表していました。のちに「陸地に近づくこと・着くこと」の意味でも使われるようになり、海の上の台風が陸に達することも landfall と呼ぶようになりました。ここでの fall は「落ちる」ではなく、「起こる」という意味です。「陸地(が見えること)が起こる」と考えるとわかりやすいでしょう。
💡 fall がつく言葉
rainfall:降水量・雨が降ること(a heavy rainfall=大雨) snowfall:降雪量・雪が降ること nightfall:日暮れ(夜の訪れ) ※ landslide(土砂崩れ)は fall ではなく slide(すべる)。landfall とつづりが似ているので注意しましょう。
PART 3
台風ニュースの英語 読みどころ3つ
could / is expected to
〜する可能性がある/〜する見込み
The typhoon could make landfall.=上陸する可能性がある。is expected to は「見込み」、is forecast to は「〜と予報されている」。天気のニュースでは、どれくらい確かなのかを表す語に注目しましょう。
extratropical cyclone
温帯低気圧
extra-(〜の外)+ tropical(熱帯の)+ cyclone(低気圧・うずまき)。暖かい空気と冷たい空気の温度差で発達し、ふつう前線をともなう低気圧です。「台風が温帯低気圧に変わる」は become an extratropical cyclone。ジャパンタイムズも、台風30号は火曜日の朝までに温帯低気圧に変わる見込みと伝えました。
bear the brunt
(被害を)まともに受ける
brunt は「いちばん激しい部分」。Okinawa bore the brunt of the storm.=沖縄が台風の被害をまともに受けた。災害のニュースでよく出る言い方です。
make landfall(メイク・ランドフォール)です。The typhoon made landfall in Kyushu.(台風が九州に上陸した)のように使います。「上陸のおそれがある」は could make landfall や may make landfall、より確かな「上陸する見込みだ」は is expected to make landfall と言います。見出しでは hit(襲う)や slam(激しく襲う)もよく使われますが、これらは「大きな被害を与える」という意味で、中心が上陸したとは限りません。
become an extratropical cyclone や transition into an extratropical cyclone と言います。extra- は「〜の外」、tropical は「熱帯の」なので、語の形は「熱帯の外の低気圧」です。気象の言葉としては、暖かい空気と冷たい空気の温度差をエネルギーにして発達し、ふつう前線をともなう低気圧を指します。温帯低気圧に変わっても、強い雨や風が続くことがあるので注意が必要です。